甲信越の山百選 
なえばさん

標高 2145m
三合目登山口→1:15→五合目→1:15→坪場(湿原入口)→15分→九合目→1:00→苗場山山頂→40分→九合目→2:00→三合目登山口

苗場山は長野・新潟の両県にまたがる山なのだが、この山のすばらしさは、山頂に広がる4キロ四方の大湿原なのだ。急峻な道をあえぎながら登って、ようやく坪場に着くと、目をみはる高層湿原が広がるのだ。無数に散らばる池塘を眺めながら行く木道は絶景のプロムナードである。

苗場山の湿原

 登山口から五合目へ 1996年の登山記録


三合目駐車場


登山道入口


三合目


四合目、右に水場がある


五合目

BACK 小松原湿原

2012725

今日は日本百名山の苗場山に登る。今日の天気は快晴のはずなのだ。昔一度登ったことがあるのだが、その時は苗場スキー場のある東側から登ったので、今回は西側から登るつもりである。「新潟県の山」では大赤沢コースを紹介している。展望のよい尾根をたどるコースというので、これを登ることにした。
この登山口は秘境といわれる秋山郷にある。国道は秋山郷で行き止まりになっていて、車を走らせるにつれて、大型車ならとてもとすれ違えないような狭い道になった。これが国道なのかと叫びたくなってしまう。幸い、私が車を走らせたのは6時前の早朝なので、すれ違う車両はなくて助かった。
ガイドブックに従って車を走らせ、大赤沢から左の細い林道に入ったのだが、どうしても登山口を発見できなかった。ガイドブックが間違っているんではないかと思ってしまった。仕方がないので、「長野県の山」で紹介している小赤沢コースを行くことにした。小赤沢の集落には苗場山登山口の標識があって、これに従って車を走らせると三合目の広い駐車場に着くことができた。
迷っていたため、出発は6時半になってしまった。
樹林の中を少し行くと三合目の標識がたっていた。コースにはきっちりと合目毎の標識が立っていて、そこには標高も書いているのだ。三合目の標高は
1310mとなっていた。
木の根が網のように張り出す道を過ぎ、さらに樹林の中を登って行く。視界が開けたところから山を見上げると厚い雲に覆われている。今日は展望はできないのだろうかと心配になった。
四合目(
1470m)に着いたのは72分、三合目から30分かかっている。ここには水場があるのだが、立ち寄らなかった。
この先はけっこう泥濘が多くなった。泥濘には丸太を輪切りにした飛び石に置かれている。これには角材を一本打ち付けて滑り止めにしているのだが、鍋ぶたのようでもある。でも、泥濘ではこれが本当に役立つのだ。泥濘から急な登りになると、大きな岩がゴツゴツするきつい道である。登山道は泥濘と岩の道とが交互に現れるのだ。
五合目(1580m)に着いたのは745分、四合目から15分でこれた。



 五合目から坪場へ
大きな岩だらけの道


六合目


七合目


坪場に着いた


岩のゴロゴロする道を登り、泥濘の丸太を飛び石にして歩き、さらに苔むした岩だらけの道を急登する。背丈の高い笹藪の間に切り開かれた道を行くと、ロープが下がる急坂が現れた。このロープは不思議なことに頭上の樹木の枝から真っ直ぐに下がっているのだ。ナニ?

このすぐ先に水場があった。地図にはないのだが、飲んでみたら冷たくておいしかった。
このすぐ先はすさまじい岩場の急登であった。ロープにすがって登った。
笹藪の間を登るとすぐに六合目(1750m)に着いた。820分になっている。歩き始めて2時間になるので、ここで少し休憩することにした。
六合目からはいよいよ「胸突八丁」という急な登りになる。苗場山の山頂はテーブルのように広大な湿原が広がっているのだが、そこに至るまでは壁のような急斜面なのだ。今、その急登にさしかかったのである。
このあたりから登山者とすれ違うようになった。まだ9時前なのだから、山頂に泊まった人なのだろう。
すさまじい岩場が立ちふさがった。鎖が下がっている。長い鎖場で、かなりきびしい。これを登り切ったところが七合目(1810m)であった。この岩場からは遠く雲の上に妙高山を見ることができた。妙高の右に雪の残る山が見えるがこれは火打山のようである。一面の雲海なのだが、この雲海の上は晴れているので、展望が期待できそうだ。
この先もロープや鎖が下がる岩場の急登が続く。涸れた沢のような岩に埋まった斜面をロープにすがって登ると、八合目(
1940m)に着いた。ここから大きな岩に埋まる急な道を登って、背の高い笹の間を行くと、ようやく傾斜が緩まる。笹の背が低くなって、平坦になったところが坪場と呼ばれる湿原の入り口であった。




 坪場から山頂へ
和山分岐


九合目


大きな岩だらけの道を行く


樹林から抜け出すと広大な草原


山小屋が見えてきた


苗場山山頂


目の前に広大な草原が広がっている。ここからは木道を行くのだ。すばらしい湿原である。白い綿帽子のワタスゲが散らばり、道ばたにはチングルマの群落。チングルマは花が散ってしまっていて、稚児車そのものの姿だ。

木道を行くと池塘が現れる。遠くの山影を映してすばらしい眺めだ。
和山との分岐に着いた。昔、私はこの道を登ってきたのだ。この周辺は池塘が多くて一番きれいである。
さらに木道を緩やかに上って行くと、九合目の標識があった。ここがちょうど標高2000mなのだった。あとは急な登りなしにすぐ山頂と思ったのは大間違いであった。ガイドブックにも九合目から1時間とあり、山頂標高は2145mなのだから、さらに145mを登らなければいけないのだ。
木道は樹林の中に入った。じつはここからが大変なのだ。大きな岩が道を覆い尽くしていて、これを一個一個乗り越えながら行くのだ。これは大変であった。15分ほど悪戦苦闘してようやく木道の湿原に出る。こちらにも池塘が散らばるすばらしい眺めである。
赤倉山の分岐を過ぎて、さらに池塘の散らばる草原を歩いて行く。途中に石碑群があった。苗場山は古来、農業の神の山として崇められた山なのだ。
視界はますます開けて、苗場山の山頂部に広がる広大な湿原を一望できるようになった。絶景としかいいようがない。何枚もパノラマで写真を撮ってしまった。

木道を緩やかに上って行くと、雪が残っていて、これを横切る。行く手に山小屋の屋根が見えてきた。
小屋の直下には巨大な岩がいくつかあって、その上には役行者などと刻まれた石碑群、そして大平氏のレリーフがあった。ここから苗場山山頂はすぐである。
ひと登りするとウッドデッキがあって、これを囲んでベンチがある。
この奥には古い小屋がたっているのだが、今は閉鎖されているようだ。小屋の後ろの広場に山名の標識と三角点があった。苗場山の三角点は一等三角点なのだ。記念写真を撮って、さっきのウッドデッキに戻り、ここで休憩した。でも、広大な湿原には雲がかかり始めていた。
あとは登ってきた道を引き返すだけである。湿原では花の写真を撮りながのんびり景色を楽しみながら下った。
坪場の降り口に戻ったのは1118分、岩場を慎重に下って、四合目に戻ったのは1238分。ここで水場に行ってみた。四合目の標識からすぐそばで、冷たい水を飲むことができた。
翌檜の巨木の尾根を下って、登山口に戻ったのは135分である。


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