甲信越百名山
くろほうしがたけ

標高 2067m
ゲート→1:45→登山口→1:15→鞍部→1:00→主脈尾根出合→30分→黒法師岳山頂→1:50→登山口→1:15→ゲート

この山へも長い林道歩きがある。2時間近く林道を歩いて、ようやく登山口に着くと、そこからはすさまじく急な登りの連続であった。でも、紅葉がすばらしくきれいだった。
主脈尾根から黒法師岳

BACK 奥茶臼山


2006年1021

昨夜、登山口に着いたときは真っ暗になっていた。細い曲がりくねった林道を走り続けて、水窪ダムからはめちゃくちゃにダートな林道を延々と走ったのだ。ゲート前に着いたときはほっとした。

ゲートを越えて歩き始めたのは6時半である。すぐ左に営林署の建物があるが、今は使われていないのだそうだ。
今日は林道を6kmほど歩かなければいけない。1時間45分の林道歩きだが、先日の奥茶臼山の13.5kmに比べたらラクなものだと思ってしまう。
この林道にも500m毎に標識がたっていた。
左には東俣沢が深い谷を作っていて、歩き始めたときはすぐ下に流れがあったのだが、だんだん目もくらむほどの深い谷になった。はるか下にきれいな流れが見えて、小さな滝をつくったりしていた。
林道は山襞にそってうねりながら続いている。東俣沢に流れ込む支流があると、その度に沢に向かって入り込んで行くのだ。支流を渡るところには滝ができていたりする。私は滝が好きなので、これはこれでそれなりに楽しいのだ。
45分歩いたところに2.5kmの標識があって、その後には小屋があった。この林道沿いにはいくつもの作業小屋がたっているのだが、ほとんどは荒れ果てていて、今は使われていないようである。
上足毛沢橋を渡ったのは735分で、このあたりが林道の中間点である。
左に大絶壁をみながら歩いて行く。道が支流の日影沢に向かって大きく入り込んで行くと、そこにはきれいな二本の滝ができていた。日影沢にかかる橋の下でも滝を作っている。その流れは大きな東俣沢に合流するのだ。
ここから
10分ほどゆくと黒法師岳の登山口と書かれた木柱がたっていた。ガイドブックにはその手前に休憩舎があると書かれているのだが、いくら探してもみつからなかった。
ようやく登山道に入った。急な道で、しかも背の高い草木が覆いかぶさっている。この草をかきわけながら登ってゆくのだが、その中には棘のある木が混じっていて、それを思いっきりつかんでしまって、ひどい目にあった。
ようやく傾斜が緩やかになって、尾根の上に出る。左の視界が開けていて樹林におおわれた山並みを見ることができる。道の右は大きな檜や栂の木の林である。
檜の植林地に入ると視界は閉ざされて、このあたりから急登が始まる。この登りがすさまじい。足元は砂礫のような道ですごく滑りやすくて、これだと下りは苦労しそうだと思って登っていったのだが、まさしくその通りになった。
木の根や枝につかまって急登を続ける。行けど行けど急な登りが続いて、さすがに息がきれる。
右にガレ場があって、そこから少し行くとようやく鞍部に着く。9時半になっていた。ここが登山道の中間点である。
少しだけ平坦な道を行くと、再び急な登りになった。今までも急な登りだと思っていたのだが、ここからはさらにすさまじい道で、この急な登りに1時間以上耐えなければいけなかった。でも、途中から紅葉も見られるようになって、少しは疲れが癒される。樹林の向こうには険しい岩場を持つ山が見える。地図で確認すると丸釜岳のようである。
深い樹林の中を登り続けて、笹原の広がる主稜線出会いに着いたのは1045分であった。ここからは目の前に黒法師岳が聳えているのがみえる。それこそ坊主頭のような形の山である。振り返って北を見ると、岩稜を持つ山が二つ並んでいる。こちらのほうが黒法師岳よりはるかに立派な山に見える。右が丸釜岳で左が鎌崩の頭のようである。その奥には不動岳があるはずである。
私のガイドブックでは、黒法師岳に登ったあと登山口の休憩舎に泊まって、翌日は不動岳に登るプランを載せている。でも、今回私はキャンプ道具を持ってきていないので、このプランはあきらめるしかない。残念だ。

ここでは展望を楽しみながら長めの休憩をとった。ともかく急登の連続で疲れ果てていたのだ。
黒法師岳に向かって尾根の道を行く。紅葉がきれいである。笹原の中の細い尾根道が続く。
やがて右手にはすさまじい崩落地が広がった。そのガレ場のすぐ横を登山道は通っていて、見下ろすと目がくらみそうである。恐る恐るこのガレ場の横を通り過ぎると、急な登りが始まる。ザラザラの斜面をジグザグに登って、ふたたび潅木の中に入る。山頂の直下にはバラ谷の頭へ向かう分岐があった。
黒い針葉樹林に囲まれた黒法師岳山頂に着いたのは11時半である。ようやく山頂にたどり着いたという感じである。本当に疲れた。
黒法師岳の良さってなんだろうかと考えてしまった。坊主頭のよう形でそびえているが、山頂部は樹林におおわれて展望がない。…とすると、これでもかこれでもかと続く急な登山道なのかもしれない。このほとんど自虐的ともいえる急な登りこそが黒法師岳の魅力ではないかと思ってしまった。

下りは怖かった。
まず、山頂からガレ場を下るときの高度感。足元は砂礫で滑りやすくて足がすくんでしまう。ようやく笹原の緩やかな尾根になるが、主脈尾根の出会いからは再び急な下りとなる。樹林の中の下りなので極端な高度感はないのだが、それでもマッ逆さまといった感じの下りなのだ。しかも足元はザラザラですごく滑りやすくて、木の根につかまり、恐る恐る下って行くしかないのだ。
真下に鞍部とその向こうのピークが見えた。本当に真下といった感じで、あそこまで急降下するのかと思うとため息が出てしまうのだ。鞍部までは二つのコブがあって、そこでは少しだけ傾斜が緩やかだが、すぐに急降下になるのだ。
ようやく登山口の林道に降り立ったのは1340分であった。ほっとした。
6kmの林道はすごく長く感じられて、車の前に戻ったのは3時少し前であった。
本当に疲れた。

明日は高塚山に登る。林道を下って行くと、昨夜は見れなかった水窪ダムがあった。ロックフィル方式という岩を積み重ねて作られたダムである。
さらに走って行くと、峠を越えるところに山住神社があった。山門を持つ大きな神社だったので寄ってみた。この境内には大きな杉の木がある。静岡県の天然記念物で、樹齢1300年、高さが40mもある巨木なのだ。
黒法師岳から高塚山には直線距離では12kmほどなのだが、その間に山が連なっているために、一旦南下して、それから再び北上しなければいけない。結局100kmほど走ることになるのだ。暗い中のダートな道の運転がイヤだったので、林道入口の中川根町の駐車場に車を停めて寝た。


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ここから歩き始める


すぐに営林署の小屋がある


深い谷に沿って行く


2.5km地点。後ろに小屋があった


日影沢がつくる滝


登山口


片側が開けた尾根を行く


尾根を急登する


丸釜岳が見えた


主脈尾根の出会い


崩落地の上を行く


山頂直下の上西平山への分岐


黒法師岳山頂







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