BACK 虫倉山
2008年10月5日
国交省の除雪ステーションに車を停めて寝た。今日の天気は曇りで、夕方からは雨になるため展望は期待できそうもない。
車を6時10分にスタートさせて、まず高社神社に着いた。神社の前には車が3台ほど停まっているので、ここが登山口かと思った。でも、ガイドブックでは谷厳寺の墓地に登山口があるというので、もう少し車を走らせる。道には高社山登山口の案内標識が親切にたっているので、これに従って車を走らせて行くと神社からすぐのところには登山者用のトイレがあって、さらにもう少し走ると墓地の横に登山道入口の標識があった。
このすぐそばの道は広くなっているので車を停めることができた。
行く手には大きな山塊が聳えているようなのだが、雲が厚くたれこめていてほとんど見えない。今日は天気が悪いのだ。
出発は6時50分である。ガイドブックでは谷厳寺から中尾根を登ってスキー場に下るコースを紹介しているのだが、車があるので登った道を引き返すしかない。
墓地を横切ったところに登山道の標識はあったが、その先は草の生えた踏み跡で、最初から心配になってしまう。
少し行くと樹林の中に金ぴかの仏像がちらりと見えたので行ってみた。大きな不動明王で、この斜面の下に大日如来と薬師如来があった。大きな仏像で、いったい何ナノだと思ってしまった。帰りにじっくりと見学しようと思う。
畑の中を行くと階段の上に鳥居が見えて、この鳥居をくぐると忠魂碑がたつ広場に着いた。ガイドブックに記載されているので、登山道に間違いないようだ。
この広場から少し行くと左に鉄塔が立っていて、道が杉林に入ると釈迦如来という標識があった。道の左に碑がたっていて、それには釈迦如来が線描されていた。この先、これと同じものがいくつもたっているのだ。
道は鬱蒼とした植林の中を行くのだが、ほとんど平坦である。傾斜はないのだがはっきりした尾根で、進むにつれて自然林が多くなってきた。
釈迦如来から10分ほど歩くと、今度は文殊菩薩という標識があった。でも、ここには碑はなくて、大きな石があるだけであった。線描の碑は壊れたか盗まれたみたいだ。
松林の中を行くようになると、石だけが置かれた普賢菩薩があって、少し行くと「天狗の飛び石」があった。大きな岩の上に線描画の碑がたっていた。天狗が描かれているのかと思ったら、菩薩像であった。高社山は薬師如来を本尊としているらしいのだが、薬師如来の守護神が天狗なのだそうだ。この岩には天狗が飛び上がったときの足跡や手形が残っているというので、じっくり見たがよくわからなかった。
クヌギのきれいな林を行くと右が杉の植林になって、そのすぐ先で林から抜け出した。
草木が茂る明るい尾根になると、今度は地蔵菩薩があった。この石碑をよくみると頭の部分しか描かれていない。石碑の下がなくなっているのだ。地蔵菩薩では展望が開けているのだが、白く霞んでよく見えなかった。
この先も明るい尾根が続くのかと思ったら、すごくきつい登りになって、再び鬱蒼とした林の中に入ってしまった。でも、クヌギやブナなどがきれいな林である。
林に入って5分ほど行くと薬師如来があった。薬師如来なのに描かれているのは菩薩像であった。(私は仏像にかなり詳しいのだ)不思議だ。
少し溝になったかなり急な登山道を登って行く。
傾斜が緩まるとすぐに観音菩薩で、その碑の前にはベンチが置かれている。線描の碑は下半分がなくなっている。また首のところで割れていて、つなぎ合わせた跡があった。
クヌギやブナのきれいな林を行くと、急な登りがあって、これを越えると三本杉の標識があった。ペンキで山頂まで2.3kmと書かれていた。三本杉というので、あたりを見回しても杉の木はまったくなかった。
しばらく平坦な道が続き、勢至菩薩に着いた。ここにある碑は首から先が失われていて、衣紋の部分だけが残っていた。
このすぐ先で、すごく急な登りが始まった。階段の急登が続き、10分ほど登ると行く手が明るくなって稜線が近いことがわかる。
ようやく登り着くと、草地の広場があった。ここがガイドブックにある「土用場」であった。一杯清水という水場の標識があったので行ってみたが、だいぶ下っても着かないのであきらめた。
広場に戻って、ベンチに座ってポッドのコーヒーを飲んだ。暖かいコーヒーでほっとする。行く手には高社山が聳えているようなのだが、厚い雲でよくわからない。
広場から山頂に向かうと、道が二つに分かれていて、右は赤岩口に下る道であった。
ほとんど平坦な尾根道が続き、10分ほど行くと岩だけが置かれた大日如来に着いた。
この先は急な登りである。霧が深くなって、樹木からはしきりに滴が落ちてきて、雨になったのかと思うほどだった。道の草も露を含んで靴が濡れてきた。溝になった道を急登して登り切ったところが八幡社であった。大きな杉の木の下に小さな石の祠が置かれていた。
深い霧の中、狭まった尾根を歩いて行く。道の右は展望が広がっているはずなのだが、霧で真っ白である。
樹林の中に入って、ターンをしたところに「薬師の岩屋」があった。古来、高社山は山自体を御神体としていて、薬師如来を祀ってこの岩屋を奥の院としていたのだ。高社山は山岳修験道の山なのだ。
このすぐ先にはちょっとした岩場があって鎖が下がっていた。これは簡単に越えて、あとは霧の痩せ尾根を歩いて行く。5分ほど行くと傾斜がきつくなって、太いロープが下がるすさまじい急斜面が行く手を遮った。でもよくみたら、ロープの下がっている直登コースを縫うようにジグザグの道がつけられていた。これを登ったら楽そうである。でも、これは帰りに使うことにして、そのままロープにすがって直登した。
ようやくピークに着くと、そこには大きな石の祠がたっていた。標識がないのでわからなかったのだが、ここが西峰山頂であった。
西峰からは痩せた尾根が続き、ゆるやかであるがアップダウンを繰り返す。霧の中でまったく何も見えない。
突然急な登りになって、これを登って行くと櫓のような展望台が見えてきた。ここが高社山山頂であった。到着は9時25分である。
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