甲信越の山百選 
あさまやま

標高 2524m
車坂峠→1:30→槍ヶ鞘→30分→黒斑山→30分→蛇骨岳→20分→Jバンド→30分→賽の河原→浅間山シェルター→1:10→20分→浅間山前掛山→1:00→賽の河原→15分→湯の平口→1:00→トーミの頭→40分→車坂峠

昔の浅間山は火山活動のため登山禁止で、黒斑山までしか登れなかったのだ。私も黒斑山で浅間山に登ったことにしていた。でも、今回第二外輪山の前掛山まで登って、黒斑山では浅間山の良さの何もわかっていないことを思い知らされた。
浅間山の前掛山

 車坂峠から黒斑山へ 1996年黒斑山登山

車坂峠


すぐに表コースと中コースの分岐がある


佐久平が見える


シェルターがあった


槍ヶ鞘


槍ヶ鞘を振り返る


観測施設の横を通過


黒斑山山頂

BACK 四阿山

2010816

今日は浅間山に登るのだ。私が昔、この山に登ろうとしたときは火山活動が活発で、黒斑山までした登れなかったのだ。しかも、そのときは霧でほとんど何も見ることはできなかった。今回の旅に出る前にネットで調べたら、火山活動は落ち着いていて、今なら前掛山まで登れるというのだ。浅間山を紹介するガイドブックはほとん黒斑山までしか書いていないので困ってしまうのだが、ネットには山頂付近の地図も掲載されていたので、これを印刷して持ってきた。
さて、ルートなのだが、登山口は黒斑山に登ったときと同じ車坂峠と、浅間山荘からの二つがある。私は車坂峠から登って浅間山荘に下りたいのだが、問題は車をどうするかである。車坂峠に駐車したら、浅間山荘から引き返すのは大変である。自転車があるので、浅間山荘に自転車をストックしておいて、帰りはこれで浅間山荘の入り口まで戻って、そこにあるバス停から車坂峠へのバスに乗ろうかと思う。ただ、問題はバスの時間がどうなっているかである。
朝、道の駅を5時頃に出発して、浅間山荘の入口バス停に着く。まだ暗くて、懐中電灯で照らしながら時間を確認したら、本数はすごく少なくて、1455分しかない。浅間山荘に下山するのはあきらめた。
車坂峠の駐車場に着いたのは5時半少し前である。峠の登山道入口は昔と同じであった。
登山口には表コースと中コースの指導標があった。中コースがあるというのは知らなかったが、帰りは中コースを戻ることにしよう。
表コースを歩いて行く。樹林の中を行くのだが、いかにも火山らしい大きな岩の間や露岩を通過して行く。一旦、笹の急斜面を下ってしまう。笹原にはけっこう花が多かった。登り返すとガレ場のような岩だらけの道になった。展望が開けて佐久平が見え、その奥には蓼科山が見えた。
大きな岩がゴロゴロする道を急登する。振り返ると朝日を浴びたきれいな山が見える。水ノ塔山と篭ノ登山であった。さらに急登が続き、樹林から抜出したらガレ場の広い斜面に着いた。ここで6人ほどの団体登山が休憩していた。じいさんばあさんの団体で、騒々しかった。ここからは篭ノ登山がきれいに展望できるのだ。
ガレ場に沿ってロープが張ってあり、これに沿って登って行くと針葉樹の深い林に入った。林の中の急登が続き、道は丸太の階段になる。どんどん登って行って、振り返ると篭ノ登山がすばらしい眺めだ。ようやく尾根の上に出ると、行く手には断崖が見えた。そして、すぐにカマボコ型のシェルターの横を通過する。
崩れた丸太の階段を上ると、展望の開けたピークに着いた。ここが「槍ヶ鞘」というところで、目の前には浅間山が大きく聳え、そしてさっき見えた断崖が隣に見える。登山道はこの断崖の縁に続いていた。
槍ヶ鞘からザクザクの道を下ると、右側はすさまじい断崖であった。鞍部からの登りもすごい。断崖には岩塔も見えて、この険しさはいったい何なのだと思ってしまう。私が昔登った時はガスで、このすごい景色はほとんど見れなかったのだ。
丸太の急な階段を上って傾斜が緩まると岩だらけの道になった。
露岩のピークに着く。標識はないのだが、ここが「トーミの頭」であった。
ここからの眺めはすばらしい。これからたどる外輪山の絶壁が一望できるのだ。下は火口原で緑の草原が広がっている。絶景である。
トーミの頭から少し行くと「湯の平」へ下る分岐があった。帰りはこの道を登ってくるつもりだ。
樹林の尾根を登って行くのだが、ときどき展望が開けて、行く手の外輪山の稜線を眺めることができる。
何度も立ち止まって写真を撮ってしまう。
15
分ほどで、火山活動の観測施設の横を過ぎる。ここからは5分もかからずに黒斑山の山頂に着いた。山頂は私一人であった。今朝出発した登山者の中では先頭を歩いているのだ。目の前には大きく浅間山が聳えている。少しだけ休んで、すぐに出発した。




展望の稜線を行く


蛇骨岳山頂


仙人岳山頂


Jバンドを下る


火口原を行く


賽の河原の分岐
 黒斑山から賽の河原へ


展望の稜線を歩いて行く。振り返ると黒斑山が鋭く聳えている。すごく立派な山だったのだ。時々樹林のなかに入ったりするが、すばらしい展望の稜線歩きが続く。下の草原には日の光を反射させる池も見える。行く手にはいかにも火山の白い岩山も連なっている。
道ばたにはたくさんの花も咲いていて、何度も立ち止まって写真を撮ってしまう。

黒斑山から30分ほどで、大きな岩の重なる道を登るようになった。平坦になったら大きな岩が聳えたっていて、その下に蛇骨岳という標識があった。
山頂からは北側の展望も開けた。広い平野の向うに高く聳えるのは、昨日登った四阿山であった。
蛇骨岳からは痩せた尾根を行く。けっこうきつい岩場を下ったりするのだ。10分ほどで白く風化した木の棒がたつピークを越えた。これが仙人岳ではないかと思って山名の標識を探したがなかった。(結局、無名のピークにすぎなかったのだ。)
ここからは滑りやすい砂礫の広い斜面下る。行く手の尾根は三角の岩峰が二つ突き出ているのが見える。岩礫の痩せた尾根を急登すると、白い棒が立つピークに着いた。
ケルンが積んであって、驚いたことにここには三角点があった。三等三角点なのだが、山名の標識はなかった。ここが仙人岳だと思う。ここからは黒斑山の眺めがすばらしい。そして、今たどって来た稜線の眺め、浅間山って本当にすばらしい山だと思ってしまうのだ。

まず岩礫の広い急斜面をジグザグに下るのだが、鞍部から先はナイフリッジのような尾根が待っていた。右側は断崖で、左は草の急斜面である。
この痩せた尾根はほとんど岩場の連続で、20分ほど行くと行く手には大きな岩が重なるピークが迫ってきた。このピークが鋸岳なのだ。この手前で鞍部に下ると「バンド」という標識があった。ここで稜線を離れて右に下るるのだが、この道をJバンドというのだ。岩だらけの鋸岳は越えなくていいのかとほっとしたのだが、このJバンドはすさまじい下りであった。(あとで浅間山から振り返ってみたら、外輪山の絶壁に地層のような岩の帯が斜めに走っているのだが、この岩帯に沿って下るのだ。岩帯のことをバンドというのだ。)
狭い岩棚のトラバース道を恐る恐る下って行く。右は断崖ですごく怖い。岩棚を
7分ほど下ると、右に下る踏み跡がある。ここから外輪山の壁をジグザグに下って行くのだ。
岩礫の道を急降下する。下るに従って草原の斜面を行くようになって、それはきれいなお花畑であった。振り返ると岩壁が屏風のように聳えていて、草地はきれいなお花畑、下には広大な浅間山の火口原で、そこに登山道がまっすぐに続いているのが見える。すばらしい眺めである。

ようやく道は平坦になって、火口原の中を歩いて行く。トーミの頭から黒斑山へと続く外輪山の眺め、そして振り返ると大岩壁の連なり、浅間山ってこんなすばらしい山だったのだ。黒斑山まででは浅間山のすばらしさは半分も知ることはできない。そして、何よりも晴れていなければ…と思ってしまうのだ。
火口原を10分ほど行くと、背の低い針葉樹の中に入って、5分ほどで分岐に着いた。ここが賽の河原で、直進すると浅間山荘へ下るのだ。



 浅間山山頂へ
浅間山への道


急斜面を斜めに登って行く


第二外輪山を行く


浅間山(前掛山)山頂


賽の河原分岐で小休止して息を整え、いよいよ浅間山へ登って行く。樹林から抜出すと、いかにも火山の裾野らしい岩礫の荒涼とした斜面が広がる。平坦な道がしだいに裾野を斜めに登って行くようになった。傾斜が増してくるが、今日は快調で足がどんどん前に出る。呼吸に合わせてリズミカルに登って行く。ほとんど上に真っ直ぐに登って行くようになった。これはけっこうきつい登りであったが、傾斜が緩まると、第二外輪山の一郭であった。直進方向は浅間山火口への登りで、これは立入禁止になっている。ここで右折して第二外輪山を登って行くのだ。行く手には柱状節理のような火口壁が見える。この絶壁の上のピークが前掛山である。今の時点ではここが浅間山山頂ということになっているのだ。

岩だらけの火口原を行くと、火山シェルターの前に着いた。ここから外輪山への登りが始まる。岩礫の斜面を登って行くと、しだいに尾根幅が狭まってくる。痩せた尾根を緩やかに登って行くと、右には黒斑山から続く第一外輪山が一望できる。かなり下に見えた。左には浅間山が大きく聳えていて、岩礫におおわれた灰色の山である。展望を楽しみながら外輪山を登って、前掛山山頂に着いたのは1012分であった。
山頂に立つ標識は前掛山ではなくて浅間山になっていた。ここから先は通行止めであった。

やっと浅間山に登れたのである。すごくうれしい。
目の前には大きく浅間山が聳えていて、その向うが白煙を吹き出す火口である。霧がかかったり晴れたりしている。振り返ると鋸の歯のような山並みがあって、その向うには広大な佐久平が広がっている。景色を眺めながら休憩した。登ってきたときは3人の登山者がいたのだが、いつのまにか私一人になってしまった。
景色も堪能したので下山を開始。




分岐から賽の河原を行く


草スベリ分岐


草スベリの急登


稜線のすぐ先がトーミの頭


中コースを下った
 草スベリ経由で下山


どんどん下って
賽の河原の分岐に戻ったのは1112分である。ここから樹林の中を歩いて行く。途中、ケルンが積まれた広場を過ぎ(これが賽の河原なのだ)、花が咲く草原を過ぎると、草スベリの分岐であった。ここからいよいよトーミの頭に向かって登って行くのだ。浅間山山頂から草スベリの登山道がどうなっているのか目をこらして眺めたのだが、岩壁にのあたりがどうなっているのかわからなかった。浅間山頂で話した登山者は、道はしっかりしていたと言っていた。その言葉をたよりに登攀を開始する。
花の咲く草原を緩やかに登って行くのだが、行く手にはすさまじい岩峰がそびえ立っている。これをどうやって越えるんだと思ってしまう。傾斜が増してきて、草原の急斜面をジグザグに登って行く。展望が開けて、蛇骨岳から鋸岳に続く岩の稜線が一望できるようになった。でも、すさまじい急登の連続で、頭上には岩峰が迫ってくる。露岩の登りもあったが、ほとんどは草地をジグザグに登るのだった。結局、途中にはロープや鎖が下がるところはなくて、ジグザグの急登だけで、稜線に登り着いた。今朝みた湯の平分岐到着は
1210分であった。
分岐から少し行くとトーミの頭で、たくさんの登山者が休憩していた。ここで私も少し休憩。息を整える。あともう少しである。
トーミの頭から少し行くと表コースと中コースの分岐があった。同じ道を戻るのはイヤなので中コースを下る。ほとんど樹林の中の道で、途中、滑りやすい深い溝の中を行くところもあった。20分下ったところにガレ場の広い斜面があって、ここで初めて展望が広がった。篭ノ登山が見えた。
再び深い樹林に入って、砂地の斜面をトラバースするように斜めに下り、傾斜が緩やかになると花が咲く草原に着く。これを少し行くと「黒斑山天然カラマツ植物群保護林」という標識があった。確かに植林とは違う落葉松の林である。このすぐ先で車道に出ると、目の前に駐車場があった。137分であった。


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