高取山から下って行くと再び市街地にでる。
丸山町なのだが、この市街地の中の縦走路も本当にわかりにくかった。かなり迷って無駄に時間を使ってしまった。
なんとか地図で自分のいる場所を確認して、そこからは登山地図とにらめっこで歩歩いて行く。「ひよどり越え」の駅の前でも少し迷って、ここから再び山道に入る。
この頃からだいぶバテてきた。
道に迷ったりするとつい焦ってしまう。そうすると、歩くペースが乱れてしまう。
ペースが守れないというのは歩くことでは致命的で、バテるのは当たり前である。菊水山駅の前を通って山道に入る。
登山道は神戸電鉄のトンネルの上を通っているのだ。
このコースは2度ほど歩いているのだが、まったく思い出すことができない。
ただひたすら辛かった。バテている。
久しぶりに息を切らして登ってしまった。
菊水駅から40分の行程なのに1時間もかかってしまって、菊水山山頂に着いたときはほっとした。
ここで大休止。
お湯を沸かしてコーヒーを入れる。やっと落ち着いた。
天気はよくて、ここからも神戸市街を見下ろすことができる。六甲山の魅力はこの展望の素晴らしさなのかもしれない。
菊水山を出発したのは2時である。
だいぶ元気も回復して、稜線の道を下って行く。突然吊り橋があって、これが弁天橋、有馬街道をまたいでいるのだ。
再び登りになる。
バテがまだ残っていて、登りになるとけっこうきつい。
鍋蓋山は高い木々に囲まれた山頂で、神戸方面が開けている。
ここからは大龍寺に向かって下る。
大龍寺の境内に入って行くと、御手洗場があって水が流れている。がぶがぶ飲んでしまった。今日は水の飲みすぎ。2リットル持って来たポリタンが空になっているのだ。
バテるといろんな面で、正常でなくなってしまう。
大龍寺からは車道を歩いて市ヶ原に向かう。
市ヶ原では河原に出て、そこで川を渡る。河原では川遊びをしている家族連れが多かった。
この河原から道路に登ると、そこに桜茶屋があった。
もう時間は4時になっていて、ここから下山することにした。
広いしっかりした道を下って行く。
昔、就職して大阪にやってきて、初めてハイキングに来たのがこの市ヶ原だった。
そのときの印象はけっこう山道だったような気がするのだが、今は完備された遊歩道に変わってしまっている。
なんかさびしいような…。
どんどん下って行くと布引ダムがあって、さらに行くと右に曲がって、布引の滝の前に出る。立派な滝である。
ここからまた少し行くと、布引の滝雄滝があった。
これは真っ直ぐに落ちる滝。展望台からは少し離れた向こうに滝が見える。
滝の見物も終わって下って行くと、神戸市街がどんどん近づいてくる。
最近は高層ビルが建っていて、そのビルが山道を歩いているのに、遥か高いところに聳えている。
六甲山を登って見て思うには、神戸の街が山からすごく近いということである。
だからこそ、六甲山の毎日登山ができるのだろうけど。
新幹線の新神戸駅をくぐるると、そこはもう神戸の街の中であった。
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