BACK 池木屋山
2009年5月10日
昨日は蓮ダムの前でのんびり食事をしたりしていたのだが、ここに泊まるのは面倒になって登山口まで行って見ることにした。時間はもう17時半を過ぎている。
すごい山道を走って行くのだが、ガイドブックの地図では、どこが登山口かわからない。どんどん走って、橋を渡ると立入禁止の看板がたっていた。橋のたもとにある駐車スペースに車を停めて、ガイドブックをじっくりと読んだら、万丈橋の手前に登山口があると書いてある。今、目の前にある橋の名前を確認したら、まさしく万丈橋であった。駐車スペースの奥に山道が続いている。これが登山口なのだ。でも、標識がまったくないのは不思議である。
ただ、この付近の山は千秋社が所有しているらしくて、ここに許可なく入山を禁止するという看板がたっていた。登山してはいけないのだろうかと悩んでしまうったのだが、標識をおかないのは登山者を拒否する千秋社のいじわるにちがいない。
5月11日
ウィスキーを飲んで眠ってしまったのだが、目が覚めたら4時少し過ぎであった。ぐっすり眠ってしまったのだ。お湯を沸かして、コーヒーを飲んで出発。
杉の植林の中をジグザグに登って、それから山の急斜面につけられたトラバース道を行く。安心したのは新しい桟がつけられていることである。千秋社が登山道を荒れ放題にしてるのではないかと心配だったが、ちゃんと整備されているようだ。。
右に木屋谷川を見ながらトラバース道を行く。渓流はいくつもの滝をつくって流れていてすばらしくきれいである。ただ、トラバース道はだんだん細くなって、しかも砂礫なので、油断すると足を滑らせそうなのだ。
歩き始めて30分ほどで、行く手に橋が見えてきた。ここがワサビ谷出合である。橋を渡ったところに小さな指導標を見つけた。この道が明神平に向かっていることを確認できてほっとした。ワサビ谷を渡ったところで、谷を左に見ながらトラバース道を登る。300mほどで右折して、そこからはすさまじい急斜面をジグザグに登るのだった。この急登には虎縞のロープが張ってあって、これが道に従ってジグザグに張られている。道は砂礫で崩れやすく、しかも踏み跡は細いので、ロープにすがって慎重に登って行かなければいけなかった。
ようやく尾根を乗越すとしばらく平坦なトラバース道だったが、急な下りになった。はっきりしない踏み跡で、しかも崩れやすい砂礫なので、下って行くのはすごく怖かった。本当にこんな道でいいのかと思ってしまう。
10分ほど行ったところで小さな流れを渡る。その先は露岩で、これを登ると杉の幹に赤いテープが巻いてあった。これが登山道だろうと思って歩いて行くと、踏み跡がかすかになって、しかも山の急斜面を登るようになった。赤いテープの印は続いているのだが、おかしい。ガイドブックでは谷に向かって下るはずなのだ。引き返した。
露岩に戻ると、下って行く道があった。ちゃんと黄色いテープの印もあった。あの赤いテープっていったい何ナノだ。千秋社のトラップかと疑ってしまった。
谷に向かってどんどん下って行く。登山道を示すテープは頻繁にあるのだが、道はすさまじく険しい。崩れやすい砂礫の細い踏み跡を行く。遙か下に渓流が見えるのだがこの渓流の美しさを楽しむ心の余裕がない。谷底が見えて来たら道がなくなった。げっと思ったら、そこから3mほどを垂直に下るのだ。虎縞のロープがつけられているのだが、これを下るのは本当に怖くて、ようやく谷底に足をつけたときは本当にほっとした。ここが奥山谷で、目の前の渓流が滝を連続させて流れ落ちているのに気がついた。こころの余裕ができた。
でも、ここで渓流を徒渉するのだ。大きな岩がいくつもあるので、なんとか靴を脱ぐことなく徒渉することができた。
対岸の急斜面を登って行くと明神平と書いた指導標がたっていた。道は間違いない。
左に谷川を見ながらトラバース道を行く。最初は広い道で安心だったが、すぐに細い崩れやすい道になった。でも、渓谷はすばらしくきれいである。何度も立ち止まって写真を撮ってしまう。
美しい新緑の林に入ったり、滝をつくる渓流のすぐそばを歩いたり、けっこう楽しい道が続く。ただ、少し安心していると、すぐに細い不安定なトラバース道が現れるのだが…。
この谷を歩き始めて50分ほどで、登山道は谷の中に入ってしまった。登山道が崩落しているらしい。
谷の巨岩を縫って歩いて行くと、流れに道が塞がれてしまった。徒渉するしかないのだ。
ここまで谷の右を歩いてきたのだが、左側に移って流れのの中に続く踏み跡をたどる。ちゃんと登山道を示すテープが貼ってあった。
渓流に沿って登って行くと、やがて沢から離れて樹林の中を緩やかに登るようになる。道には石灰岩のような白い岩がいっぱい散らばっていた。
樹林から抜け出すと、目の前に屏風のような岩が聳えていた。この巨岩を左から回り込んで、岩が累々と重なる沢を登ると、明るい平坦地に着く。
明るいブナ林の中を緩やかに登って行くと、行く手に小屋が見えてきた。ここが明神平であった。
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