巨岩が次々に現れて、息つく暇がない。
巨岩の横を登って平坦地に着くと、そこに東の覗という標識がたっていた。大峰山でもそうなのだが、覗きというのはすごい岩場で、そこから下を覗こむことによって度胸を鍛えるのだ。さっそく行ってみた。巨大な岩の上に出ると、そこからはすばらしい展望が広がっていた。度胸ためしには、ここから下を覗かなければいけないのだが、私は根性がないのでそんな怖いことはしなかった。
東の覗きから緩やかに尾根を行くと、そこに標識がたっていた。ここが行者山山頂であった。まったく山頂らしくない。でも、一応記念写真を撮った。
緩やかに下って行く。もう巨岩はなくて、緑がきれいな自然林の中を行くのだ。
緩やかに下って鞍部に着くと、そこには「おおさか環状自然歩道」の指導標がたっていた。ここが行者山と六地蔵の中間点で、ともに900mの距離である。六地蔵から剣尾山山頂へは300mなので、六地蔵に着いたら山頂はすぐなのだ。
でも、ここからは長く感じた。アップダウンを繰り返して登って行くのだ。クヌギやコナラの林がすごくきれいで、そんなのを眺めながら登っていたら、いつの間にか痛みが薄らいでいた。
林にアカマツも混じるようになったら、突然、説明板がたっていた。ニホンジカの説明で、この剣尾山周辺でニホンジカが生息しているのだという。まったく見かけることはなかったのだが…。
このすぐ先に炭焼き窯跡があった。古墳の石室入口みたいであった。
アカマツの林を登って行くと、けっこう登りがきつくなった。炭焼き窯から15分ほどの登りで、ようやく六地蔵の前に着いた。りっぱなお地蔵様である。その傍には古い五輪塔などが並んでいた。
山頂まではあと300mと自分にいいきかせて、最後の力を振り絞って登って行く。すぐに月峯寺跡の説明板があった。この先には古い石仏があったり、本堂跡、井戸跡などがあった。
階段の登りが始まって、ようやく樹林から抜け出して少し行くと巨岩が並ぶ山頂であった。
三組ほどの登山者が休憩していた。今日は土曜日なのだ。山頂の巨岩の上に登ると360度の展望である。西にはこれから目指す横尾山が見えるのだが、ずいぶん遠く感じた。
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