BACK 鎌ヶ岳
2008年11月30日
道の駅から車を走らせて行くと、御在所岳と鎌ヶ岳がきれいの見えた。今日は快晴である。
藤原岳の登山口には無料の駐車場がないのだ。とくに、今はもみじ祭りの真っ最中で、しかも今日は日曜日なのだ。今回はおとなしく駐車料金を払って、登山に出かけることにした。西小学校前の観光駐車場に車を停めて、身支度をする。
出発は8時であった。
裏登山道を登るつもりなので、その登山口は聖宝寺にある。この道は東海自然歩道のルートである。指導標に従って左折すると、正面には鳴滝神社がある。私が東海自然歩道を歩いたときは、鳴滝神社の裏にテントを張って泊まったのを思い出した。
神社の鳥居の右にある長い石段を上って聖宝寺に向かう。登り口には東海自然歩道の指導標があって、聖宝寺まで300mと書かれている。要は300mの石段を登るということである。長い石段の所々にあと何段と書いた看板があって、その上に「言うは易く行うは難し」などという格言が書かれている。
これを見ながら石段を上って、ようやく平坦になると大きな池がある。ここから100mほど行くときれいなトイレがあって、左が聖宝寺の入口である。ふだんは境内自由なのに、今は祭り期間のためか200円となっていた。
右に行ってお寺の駐車場を過ぎると、左に登山口がある。林道のような道を5分ほど行くと通行止めになっていて、左に迂回路があった。
迂回路は大きな沢に向かって下って行き、砂防ダムの前でこの沢を渡る。丸太を2本組んだ橋がかかっていた。ここから急な登りになる。迂回路だけあって、道は荒れていて、岩礫がゴロゴロしていて歩きにくい。沢を渡ってから5分ほど登ると、大きな岩にかかる滝が見えてきて、ここで本来の登山道と合流した。ここには長命水という標識があったが、その先は崩落していた。
ここからはしっかりした道なのだが、急な登りが続く。登山道は滝をつくっていた沢に沿って登って行くのだ。登るにつれて沢は白い岩盤の溝に変わってきた。この白い岩盤は石灰岩なのだ。
感心しながら登って行ったら、二合目と書かれた大きな標識がたっていた。登山口から15分ほどたっていた。でも、一合目ってどこだったんだろう。
石灰岩の白い谷に沿って登って行くと、この沢に向かって道は下って行って、沢を登るようになった。真っ白な石灰岩の中を登って行く。藤原岳というのは石灰岩の山で、南側は大規模な採掘が行われていて、山が切り崩されつつあるのだ。その姿は痛ましい。関東の武甲山を思い出してしう。
200mほど行くと沢から離れて右に登る。今度は、白い谷の右側を登って行くのだ。道は杉林の中で、少し行くと右から落ちてくる石灰岩の谷があって、これを渡ったところに三合目の標識がたっていた。二合目から16分たっていた。
三合目からは右の沢に沿って登って行く。杉林の広い斜面を登るとようやく朝日が当たるようになって、杉林の中なのだが明るくなった。
杉林の急登の途中に四合目があって、さらに7分ほどで五合目であった。区間の距離が短くなった。
五合目から少し行くと、ようやく鬱蒼とした杉林から抜け出して明るい自然林を行くようになった。展望も開けて、振り返ると養老山地が見える。
傾斜が緩まって平坦地に着くと、そこが六合目であった。日差しはあるのだが風がすごく冷たくて寒い。仕方がないので雨具を出して着込んだ。ゴアテックスの雨具は風を防いでくれるので温かくなった。防風衣(ヤッケ)ってこんなときに使うものなのかと納得した。手袋も軍手だったのを分厚い毛糸の手袋に変えた。
道には石灰岩が散らばるようになって、右には再び石灰岩の岩盤を持つ谷が続いている。
白い谷はすごくきれいで、これを眺めながら登っていたら、「注意この先ガレ場」の標識がたっていた。どんなすごい道になるのかと緊張したが、道が少し荒れているだけでまったく問題なくて、七合目に着いた。
この先は緩やかな登りで、道は階段状につくられていた。再び「注意このさきガレ場」の標識を見て、杉の木の混じる林を登って行くと、表登山道と合流した。ここが八合目のはずなのだが標識はなかった。
ブナのきれいな林の中を緩やかに登って行く。山の斜面をジグザグに登って行くのだが、大きな震幅で何度もターンをするのだが、ちっとも高度が上がらない。もういいからまっすぐに山頂に向かおうよといいたくなってしまう。
斜面の左をトラバースするように登って尾根の上に出ると九合目であった。そこはすばらしい展望所でもあった。遠くに海とその左には養老山地が連なっている。
景色に満足して山頂を目指して登って行く。あと1区間だけなのですぐだろうと思っていたのだが、これが遠かった。行けど行けど山頂には着かない。
石灰岩の散らばる明るい疎林の中を登って行く。振り返るとすばらしい展望が広がっているのだが、九合目から20分歩いてもまだ着かない。いったいどうなっているんだ、と叫びたくなるころにようやく小屋が見えた。九合目から30分ほどたっていた。
小屋は二棟建っているのだが、その左側が休憩舎のようなので、中で休憩することにした。小屋の前にはベンチも置かれているのだが、外は冷たい風が吹いていて、ここで休む気にはなれない。
小屋には二人の登山者がいた。私は持ってきたポッドのお湯でコーヒーをつくって飲んだ。アンパンがうまかった。さて、これから藤原岳山頂に向かうのだが、私のガイドブックには天狗岩が最高点になっているのだが、小屋の南には展望丘があって、これが山頂のような気もする。面倒なので二つのピークを踏むことにする。
小屋から展望丘に向かう。緩やかに下って行くと、指導標がたっていて、そこには藤原岳展望台とかかれている。山頂と書かれていないのが気になるのだが、ともかくどんどん歩いて行く。
行く手には丸い丘のようなピークが聳えていて、笹原の山腹に登山道が続いているのが見える。
この登りから振り返ると小屋が見えて、そして眼下には池がある平坦地が広がっている。
山頂に着くと、そこは石灰岩が石垣のように積まれていた。その上に藤原岳とかかれた標識がある。やっぱりここが山頂なのだろうか。でも、三角点はなかった。
とりあえずここで記念写真を撮った。この頃、空には厚い雲がかかって、視界が閉ざされようとしていた。でも、下界は日が差して明るいのだが。
南に見える山の頂きは雲に隠れてしまっていて、雲がどんどん湧き上がっていた。北の山はまだ望むことができて、左が絶壁となった山が見える。これが天狗岩のようである。すごい、山頂部は石灰岩に覆われているようだ。楽しみである。
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