京都一周トレイル.

大文字山 標高 465m

京阪三条駅→粟田神社前→蹴上→琵琶湖疎水→インクライン→大神宮橋→日向大神宮→伊勢神宮遙拝所→七福思案処→大文字山四つ辻→大文字山山頂→銀閣寺道→哲学の小径→北白川天神宮→白幽子巌居跡→瓜生山山頂→天子山山頂→きらら坂入口

京都一周トレイル東山コースの後半の目玉は大文字山から見る京都市街の大パノラマである。さらに、銀閣道から哲学の小径を歩いて瓜生山山頂を経由し、比叡山の登山道「きらら坂」入り口まで、すばらしいコースである。
疎水べりに立つ煉瓦館.

 琵琶湖疎水から日向大神宮へ
京阪三条から蹴上に向かう


蹴上の赤レンガの建物


琵琶湖疎水を大神宮橋で渡る


日向大神宮への長い石段

BACK 伏見稲荷から粟田口

2004111

今日は京都一周トレイルの続きを歩こうと思う。
阪急で河原町まで行って、ここで京阪線に乗り換えた。京阪四條の次が京阪三条で、わずか1区間なのに電車を使ってしまった。これくらいは歩かなければいけないのだが、私はナンジャクモノです…。
京阪三条から蹴上に向かって歩いて行くと、この前の到着点粟田神社の前を通過した。
蹴上の交差点には都ホテルが聳えていて、その向かい側に赤レンガの古い建物が建っている。これは水道施設の建物なのだ。
陸橋で交差点を渡って、すぐに、これも赤レンガのトンネルをくぐる。
その先は公園になっていて、突き当たったところが琵琶湖疎水であった。公園には田辺朔郎という人の銅像がたっている。明治の人で琵琶湖疎水建設の責任者なのだ。
以前、南禅寺に行ったときに琵琶湖疎水の記念館に寄ったことがあるのだが、そのとき、船を鉄道で引き上げて琵琶湖に渡す施設があることを知った。「インクライン」というのだが、それがこの公園にあった。
大神宮橋で琵琶湖疎水を渡って山道に入る。疎水の上流方向には赤煉瓦の古い建物が見えた。
けっこう歴史を感じさせる道である。
登って行くと、すぐ左手にりっぱな神社があった。「日向大神宮」というのだが、日向というのは九州の日向国のことである。高千穂の峰の神を移したのがこの神社なのだ。
格式のある神社で、さすがにその雰囲気は厳粛さを感じさせる。トレールから離れてしまうが、本殿に参拝することにした。
急な石段を登って行く。境内に登り着くと、そこには伊勢神宮のような社殿が並んでいた。これが外宮で、ここからさらに石段を上ると内宮である。



 大文字山へ
七福思案処から大文字に向かう


山道を行く


大文字山山頂


大文字山火床から


大文字にある弘法大師のお堂


日向大神宮から山道を10分ほど行くと、立派な鳥居がたっていた。でも、その鳥居の奥には何もない。なんなのだと…思ったら、ここは伊勢神宮遙拝所であった。この鳥居の方向に伊勢神宮があるのだ。せっかくなので、手を合わせた。
山道を歩いて行くと、道の真ん中に三角点…と思ったら、それは水準点であった。
すぐに、いくつもの道が合流するところに出た。
「七福思案処」という分岐点で、南禅寺に向かう道や山科に向かう道が分かれている。私は大文字山に向かう。
大文字山にはひたすら山道を登って行く。この道で何組もの登山者とすれ違った。大文字山に登る人はけっこう多いのだ。
大文字山山頂の手前に「大文字山四つ辻」がある。トレールは山頂を通らずに、ここから霊鑑寺に向かって下ってしまう。しかし、東山コース最高峰の大文字山頂を逃すことはできないではないか。
四辻から少し行くと大文字山山頂である。樹林に囲まれているのだが、市街地の方向が開けている。
山頂にはコンクリートの八角柱があった。一等三角点と共に設けられる天測点…と思ったら違っていて、「菱形基線測点」と書かれていた。当然、山頂にあったのは一等ではなく、三等三角点であった。
大文字山は有名なだけあって登山者が多く、ゆっくり写真を撮るというわけにはいかなかった。

山頂のベンチに座って、カップヌードルを食べた。京都市街を見下ろしながらの食事はうまい。
山頂からは四辻に戻って、京都一周トレールを忠実に辿ってもいいのだが、私は大文字の火床を通って銀閣寺に下ることにした。
樹林の中をどんどん下って行くと、突然視界が開けて、目の前いっぱいに京都市街のパノラマが広がった。ここが大文字の火床である。
大文字焼きのときに火をたく火床が連なっている。今着いたところは「大」の字のてっぺんである。ここから文字の線にしたがって階段の道を下って行く。
すぐに大の字の横棒の地点に着いた。ここは5つの線の交わるところなので、ひときわ大きな火床になっている。東屋のような施設があって、その中に弘法大師と刻まれた岩窟があった。
ここから横の線にしたがって右に行く。
火床の尽きたところから急な下りになった。石段の道を下って行く。



 哲学の小径から白幽子巌居跡へへ
大文字から急階段を下る


銀閣寺


大山祇神社


沢沿いに下る


白幽子巌居跡


大文字山から樹林の中の急な石段を下って行く。この途中に千人塚があった。大文字山には応仁の頃、山城があったが、戦火で焼失。そのときの犠牲者を弔ったものらしい。
道が平坦になったところに石仏群があった。弘法大師や役行者を祀る石窟もある。京都にはいたるところに、こうした由緒ありげな石仏を見ることができるのだ。
市街地に出て左に行くと、すさまじく人通りの多い道にぶつかった。銀閣寺の参道であった。人波に混じって下って行くと哲学の小道に出る。本当のトレールは哲学の小道を通ってここに至るのである。

市街地に向かって歩いて行くと、異様に人が多い。いったい何ナノだと思ったら、今日は女子駅伝の日で、沿道にはこれを見ようという人達が手に小旗を持って並んでいるのだ。もう少し待ったらランナーが通過するのだが、私は先を急ぐ。
細い路地の道を行くと右手に神社があった。なんか由緒ありそうな神社で、鳥居の扁額には北白川天神宮と書かれていた。本殿まで行ってみようと思ったが、すごく急な石段が立ち塞がっていたので止めた。
ここからさらに細い道に入って、バプテスト病院を左に見てさらに行くと山道のような細い道になる。
少し行くと、左に神社があった。
京都というのは本当に、いろんなところに史跡があって、興味がつきない。この神社は「地竜大明神」というのだそうだが、地図には大山砥神社と表示されていた。
この神社のすぐ先で沢に沿った道になる。まったくの山道で、これが京都市街地のすぐ傍というのが信じられない。道を水が流れていたりして、ちょっと歩きにくかった。
このコースには、絵地図の書かれた案内板がたっている。「北白川史跡と自然の道」標識なのだ。道はかなり急な登りで、瓜生山山頂を目指している。地図で確認すると、トレールは瓜生山山頂の東の肩に着いて、山頂は通らずにそのまま下ってしまう。
私はヤマヤなので、山頂を通らないのには抵抗がある。
「北白川自然の道」のコース案内を見ると、直接瓜生山に至る道がある。トレールから離れるが、この道を行くことにした。
史跡の道でもある。トレールから分かれてからは心細くなるような荒れた道であったが、すぐに「白幽子巌居の跡」に着いた。石碑がたっているだけの広場である。ここは白幽子という人が仙人のような暮らしをしていたところなのだそうで、それを臨済禅の僧白隠禅師が訪ねたという記録が残っているのだそうだ。…といっても、私には白幽子も白隠禅師もまったく知らないのだが。



 瓜生山山頂からきらら坂入口へ
瓜生山山頂


京都一周トレイルの指導標


突然、石の鳥居に出た


きらら坂入り口の碑


きらら坂入口の雲母橋


白幽子巌居跡からすぐのところに清沢口石切り場がある。花崗岩の大きな岩壁があるのだが、石切り場の面影はまったくなかった。
登りが一段ときつくなって、ようやく瓜生山の山頂に着く。標高301mである。
この山頂は、かっては城塞が築かれていたのだそうだ。室町時代の頃のものである。祠もあった。山頂からは比叡山を仰ぐことができた。京都一周トレールは、この先、きらら坂を比叡山に向かって登って行くのだ。
山頂から稜線の道を行く。しっかりと踏み込まれた道であった。
私がこの京都一周トレールを歩く目的は、そもそもは「東山三十六峰」を縦走したいということであった。トレールはその三十六峰を結んでいると思っていたらそうではないみたいで、ピークをどんどん巻いて行く。
山道を30分ほど下ると指導標があって、天子山(てんこやま)とある。地図を見ると三角点があるので、この山に立ち寄ることにした。道から左に入ってどんどん行くと、10分ほどで山頂に着いた。樹林に囲まれて展望はなかった。それでも、一つの山頂に立ったことに満足した。
ここから少し下ると舗装の道に出て、右に石の鳥居が立っていた。でも、神社の社殿はみあたらなかった。
ここから山襞に沿って登って行くと沢を3つほど渡る。
少し登ったところで登山道とぶつかった。
これが修学院から比叡山にいたる「きらら坂」の道である。去年の4月にこの道をたどって比叡山に登ったのだった。
この分岐点には「水飲対陣碑」というりっぱな石碑がたっていた。ここは源平合戦の古戦場でもあるのだ。
さて、京都一周トレールは、ここから比叡山に登って、三千院の大原に下り、鞍馬山から高雄へと続いている。
しかし、このコースを私は東海自然歩道で歩いているので、この対陣碑から修学院に下ることにした。
これで私の「京都一周トレール」歩きは終わった。

いろいろ、書物を調べてみると、「東山三十六峰」というのは、諸説があって、明確な定義がないらしい。そして、完全な縦走路はないようなのだ。
もし、東山三十六峰を全部登ろうと思ったら、地図と磁石で道を確認しながら1個ずつ、登るしかないようだ。
ただ、今回このトレールを歩いて、けっこう楽しかった。さすがに京都らしい歴史を感じさせる道であるし、神社仏閣も多い。山頂から眺める京都市街の風景もすばらしい。
私のお薦めコースである。是非一度歩いてみて欲しい。



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