熊野古道 大峰山奥駈け道をゆく
地蔵岳 1464m
涅槃岳 1375m
証誠無漏岳 1301m
阿須迦利岳 1251m
奥守岳→25分→嫁越峠→25分→地蔵岳→25分→般若岳→20分→乾光門→35分→涅槃岳→25分→証誠無漏岳→25分→阿須加利岳→25分→持経ノ宿→40分→平治ノ宿

小さなピークをいくつも越えて行くのだが、その一つ一つが大峰山奥駈け75靡の行場になっているのだ。持経ノ宿のあたりで青空が広がるようになって、平治ノ宿の途中には「持経千年桧」という巨木があった。私は巨木が大好きなのだ。
大峯奥駈けの指導標

 地蔵岳(26番靡)と涅槃岳(24番靡)
地蔵岳山頂


ここが般若岳と間違えてしまう標識


般若岳山頂


滝川の辻


乾光門(23番靡)


涅槃岳山頂

BACK 深山宿から奥守岳へ

2009年8月11日

奥守岳山頂から針葉樹の林を下って、姫笹の草原が広がる鞍部に着くと、そこが嫁越峠であった。奥守岳からはまだ
20分も歩いていない。今日はなぜか標準タイムで歩けている。足の痛みがなくなったからだろうか、三日間の停滞で食料が減って軽くなったせいだろうか。ここに立つ指導標には地蔵岳まで40分と書かれていた。
嫁越峠からは姫笹の広い急斜面を登って行く。緩やかなアップダウンを繰り返して、25分ほどで地蔵岳山頂に着いた。山頂には岩がゴツゴツと突き出たところがあって、そこに奉納木札がいくつも置かれていた。地蔵岳は子守岳ともいって、「大峰山奥駈け75靡」の26番靡なのだ。
この頃、雨は止んでいて、空がだいぶ明るくなってきた。台風が過ぎた後は晴れることになっているのだから、青空が広がって欲しいと祈ってしまう。
姫笹の広い斜面を緩やかに下って行く。樹林の中に入ったり出たりして、緩やかな尾根を行くとピークが近づいてきてこれを右に捲いて行く。
この捲き道の途中に奥駈け石標がたっていて、般若岳と書かれていた。標高まで書いてあるのでここが山頂かと思ってしまう。でも、ここから上に向かう踏み跡があるので、これを登ると、すぐに林に囲まれたピークに着いた。山頂の真ん中には三角点のような石柱があるのだが、三角点ではない。灌木の枝に般若岳と書かれた小さなプレートが下がってした。般若岳は25番の靡である。

石標に戻る。ここから滝川辻まで15分と書いてあったが、10分ほどで広い鞍部に着いた。ここが滝川の辻であった。ここからは左に花瀬に下る道が分岐するのだが、悪路と大きく書かれていた。
さて、滝川の辻から20分ほどで乾光門という鞍部に至るのだが、ガイドブックによると、ここはヤマヒルが多いイヤなところと書いてある。大雨の後なのでヒルがウユウヨしているのではないかと思ってしまう。私は鈴鹿の山でたくさんのヒルに吸い付かれてから、ヒルには恐怖感を抱いているのだ。
ともかくヒルに注意しながら行くことにする。樹林の中を下って行く。薄暗くていかにもヒルがいそうな気がする。途中、何度も立ち止まって、靴にヒルが着いていないか確認した。吸い付いているヒルがわかるように雨具の裾をまくし上げて、靴がよく見えるようにした。
20分ほどで樹林の中の鞍部に着いた。根が浮き上がった木の根元に奉納木札が置かれていて、石標に乾光門と書いてある。ここは「大峰山奥駈け75靡」の23番靡なのだ。
ともかく、ここは駈けるようにして通過、急な登りになっても、何度か立ち止まって、ヒルがついていないか確認した。でも、なんとかヒルに吸い付かれることはなく通過できた。よかった…。

次の涅槃岳には真っ直ぐに登って行くのだ。急登がひたすら続く。少しはジグザグしてもいいと思うのだが、直登なのだ。25分ほど急登して、ようやく涅槃岳山頂に着いた。息が切れた。山頂には指導標や石標があって、三等三角点も置かれていた。でも、樹林に囲まれて展望はない。時間はまだ11時半である。今日は順調に歩いてきている。



 証誠無漏岳から持経宿(22番靡)へ
証誠無漏岳山頂


阿須迦利岳山頂


持経の宿に着いた


涅槃岳から広い尾根を下って行く。きつい傾斜ではないのでラクである。林の間の広い道を上って行くと、涅槃岳から
25分ほどで証誠無漏岳山頂に着いた。山頂といっても、平坦になった尾根の途中といった感じで、しかも樹林に囲まれていて展望はない。ここに立つ石標には持経ノ宿まで1.5kmとかかれていた。
次のピークは阿須加利岳である。私のガイドブックにはここから10分と書いてあるのだが、指導標には35分とかかれている。ずいぶん差があるけど、どっちなんだと思ってしまう。
背の高い笹藪を掻き分けるようにして歩いて行くと、巨岩がつきたっていて、岩の尾根になった。これを「トサカ尾」というらしい。すぐに鎖で岩場を下る。少し平坦な道が続いたので安心していたのだが、やっぱり大峯山は気を抜くことができない。鎖で鞍部に下ると、道に両脇はシャクナゲが茂っていた。緩やかな鞍部を行き、それから木の根が網のように張り出した急斜面を登る。阿須加利岳山頂に着いたのは1223分、30分かかってしまった。
山頂からは真っ直ぐに尾根を下って行く。きれいな自然林の下りである。20分ほど下ると林の間に青い屋根が見えてきた。これが持経ノ宿で「大峰奥駈75靡」のうちの22番靡である。いかにも古い山小屋といった感じで、管理人がいるのではないかと思ったが、いなかった。この頃、天気が回復して日が射すようになったので雨具を脱いだ。いくら透湿性に優れていても、雨具は蒸れてしまうのだ



 持経宿から平治宿へ
林道歩きをする


「森の巨人たち」持経千年桧に着いた


大峯巨木ナラ


両俣分岐


平治宿


水場への道


持経の宿の小屋のすぐ先には林道が通っている。ここに立つ石標には平治ノ宿まで
2kmとかかれていた。もうすぐである。
ここからは少し林道を歩かなければいけない。100mほど行くと道は尾根を挟んで二つに分かれてた。指導標に従って右の道に入ると、すぐに登り口があった。左の尾根に階段の道がつけられている。
木漏れ日の尾根を10分ほど行くと、巨木が聳え立っていた。根元には「森の巨人たち百選」の標識があって、この巨木は「持経千年桧」というのだ。千年桧を見上げると、頭上には青空が広がっていた。
日差しに輝く緑の林を登って行く。樹林が途切れると、遠くの山々が展望できる楽しい登山になった。千年桧から20分ほど行くと、再び巨木が聳え立っていた。「大峯巨木 ナラ 周り540cm」という標識があった。私は巨木が大好きなのでうれしくなってしまう。
ブナやナラの林の尾根を緩やかにアップダウンして行くと、木の根が張り出す広い尾根の登りになった。これを登りきったピークには「両俣分岐」という石標がたっていた。今日泊まる平治の宿までは600m15分とある。
ブナや針葉樹の混じる尾根を下って行くと、本当に15分で小屋に着いた。登山道の左に広場があって、そこに小屋がたっている。時間は1352分、標準時間にあまり遅れることなく着くことができた。
さて、小屋に入ろうとして驚いたのは、戸の前にドラム缶が置かれていて、入ってはいけないといっているようなのだ。でも、これをどけて中に入った。平治宿は21番靡である。

小屋の床には木の葉やゴミが散らばっていた。上がり框には囲炉裏が切ってあって、その真上は煙を逃すために穴が開いているのだ。ここから木の葉が入ってくるようである。
小屋にあった箒で床を掃いて、それから銀シートを広げた。まずは食事をすることにして、水汲みに行くことにした。水場はどこかと探したら、登山道を横切った東側に急下降するのだった。指導標には水場まで7分と書いてあった。ポリタンと水筒を持って下って行く。最初は階段になっていたが、最後はザレた細い道を急下降する。でも、なんとか水を汲んで小屋に引きかえす。往復で20分かかった。
小屋の前のドラム缶に雨がたまっているので、これで、臭くなった靴下を洗った。靴下の予備がもうないのだ。
小屋の中には、非常食としてインスタントラーメンが置かれていた。80円ということなで、一つもらうことにした。食料が乏しくなっているので、これには助かった。インスタントコーヒーもあったのでこれも使わせてもらった。飲み物は50円ということで、朝まで3つ使うことになった。
14時に着くことができたので、ゆっくりできる。小屋の中では読書をしてすごした。
暗くなって灯りをつけると、けっこう虫が寄ってくる。煙抜けから入ってくるらしい。しかたがないので、小屋の中でテントを張ってしまった。これで、安心して眠ることができた。


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