熊野古道 大峰山奥駈け道をゆく
大日岳 1595m
石楠花岳 1472m
天狗山 1536m
深山宿→20分→大日岳分岐→15分→大日岳→30分→太古の辻→45分→石楠花岳→30分→天狗山→15分→奥守岳

台風が通過するのを待つために深山宿の潅頂堂に3泊もしてしまった。3日目の朝、まだ雨が降っているのだが出発した。35番靡の大日岳はすさまじい岩峰であった。そして太古の辻からは「大峯南奥駈道」に入った。
深山宿から仰ぐ大日岳

 深山宿での停滞
三泊させてもらった潅頂堂


お堂の中の役行者像


雨にけぶる潅頂堂


深山宿から大日岳へ続く道

BACK 楊子ヶ宿から深山宿へ

200989

昨夜、ラジオを聞いていたら、南方海上に発生した台風は日本に上陸することなく台湾から中国に向かうらしい。よかった…と思ったら、別にあった熱帯低気圧が日本に向かっているらしいのだ。朝、お堂から出てみると強く雨が降っている。風も強い。今日はとても行動できる状態ではない。明日も、熱帯低気圧が接近するせいで天気は荒れるらしい。明日もここに泊まることになりそうだ。
小屋に登山者がいるので、どうするつもりか訊きに行った。彼は、今日前鬼に下るつもりだという。それなら2時間ほどの行程である。
私はここに停滞することにした。
一日中、雨が降りしきり、風も強い。困ったことに、お堂の扉を開けていると風で雨が吹き込んでくる。閉めると、中は真っ暗になってしまうのだ。暗い中で一日すごすのは本当に長かった。LEDの灯りで読書したのだが、持ってきた深田久弥の文庫本を1冊読み終えてしまった。

810

今日も強い雨である。ラジオを聞いていると、下界ではすごい水害が発生しているらしい。兵庫県で死者が数人出たそうだ。ラジオは一晩中、この水害の状況を伝えていた。
今日も一日、暗いお堂の中で本を読んですごした。甲子園では昨日試合が雨でドローになったのだが、今日も途中でドロー、野球中継を聞くこともできなくて、暇を持てあましてしまう。
夜にラジオで天気状況を聞いていると、熱帯低気圧は台風にかわって、明日の未明に紀伊半島に近づいて、それから東に進路をとって日本列島の東を北上するらしい。明日の朝には台風は通過するのだから、天気は回復するはずである。明日はたとえ雨でも出発することにした。困ったことに食料がなくなってきたのだ。これから熊野本宮まで4日はかかる。当初は78日の予定だったのに、この調子では1011日になってしまう。食料を余分に持ってきてよかったと思うのだが、最終日の昼食は無しになりそうだ。



 大日ヶ岳(35番靡)
登山道には巨岩が…


大日岳の分岐


山頂の大日如来坐像


太古の辻の指導標


8
11

朝、うつらうつらしていたら、突然地震。ラジオをつけたら、静岡の沖が震源だという。台風で洪水・土砂崩れが多発しているのに、その上地震かよ…と思ってしまう。
暗い中で起き出して、パッキングを始めた。このお堂には三連泊することになって、すごくお世話になった。お堂の中に並ぶ神像や仏像に手を合わせてお礼をいった。

外は霧雨である。雨具で完全武装して出発。時間は6時半であった。
二日間も停滞したので、すりむけていた足指の皮がかぶさって、歩いてもあまり痛くない。停滞は十分意義があったということだ。
すぐに樹林の中の登りになった。15分ほどで指導標のたつ分岐に着く。ここから左に行くと大日岳山頂である。雨で岩場が濡れていて危険なような気がするが、この山は「大峰山奥駈け75靡」の35番靡なので、頂きを踏まずに通過することはできない。
山頂までは長大なスラブを鎖にすがって登るのが修験道の正当なコースらしいが、私は軟弱なので捲き道を登ることとにした。

林の中を登って行くが道がはっきりしない。少し下って鞍部に着く。ここから尾根をたどったら鎖場の登りになるのだが、捲き道は右を行くのだ。樹林の間から鋭く聳える岩峰を見ることができた。これに登のか…とため息が出てしまう。
樹林の中の急登になった。捲き道なのにけっこう岩場があって、これを必死に登って行く。ほとんど垂直と感じてしまう岩場を登って、ようやく大日如来の安置された山頂に着いた。林に囲まれていて展望はない。それにすごく狭い山頂である。自分を入れた記念写真を撮ることはできなくて、大日如来だけを撮って下山した。
分岐に戻ってきたのは7時15分、往復30分の登山であった。
尾根の右をトラバースするように10分ほど行くと、尾根の上に出て、そこには「これより大峯南奥駈道」と書かれた大きな標識が立っていた。ここが太古の辻で、左に下ると前鬼なのだ。地図を見ると、確かにこのあたりは吉野から熊野本宮までの中間点になっている。やっと半分か…と思ってしまう。ここから振り返ると、雲が薄れて大日岳の鋭峰が見ることができた。



 奥守岳(27番靡)
仙人舞台石の指導標


石楠花岳山頂


天狗山山頂


奥守岳山頂


太古の辻からは尾根を忠実に歩いて行く。5分ほどで、二つ並んで立つ巨岩の間を通過する。そのすぐ先で岩が重なったピークがあって、そこから少しだけ下ったところに「仙人舞台石」と書かれた指導標があった。このすぐ上に角張った巨岩が突き立っている。これがその仙人舞台石のようである。石楠花岳までは30分という指導標もあった。私のガイドブックには石楠花岳の手前に背クラベ石という記載があるのだが、最初の巨岩がそうだったのだろうか。
樹林で薄暗い尾根を
5分ほど行くと、林から抜け出して、姫笹の広い尾根に出た。その先には林に覆われたピークが見える。これが石楠花岳なのだろう。
この開けた尾根からは、東側が晴れていて山々を眺めることができた。天気は回復に向かっているようである。
尾根の左側が崩落したその縁を通って、再び樹林の中の登りになる。けっこうきつい登りが続く。道にはシャクナゲが目立つようになった。傾斜がゆるんで、平坦な尾根を行くようになったら、道端の灌木に「石楠花岳」と書いた白い札が掛けられていた。山頂という感じではないのだが、一応記念写真を撮った。

ここからは緩やかな下りになる。姫笹に覆われた緑の尾根が続く。歩いて行くにつれて、霧の中に天狗山と思われる黒い山影が浮かび上がってきた。石楠花岳から25分ほどで天狗岳手前の分岐に着いた。ここから少し直進すると天狗岳山頂である。山名の標識はないのだが、山頂の真ん中に三等三角点があった。
分岐に戻って、尾根の右をトラバースするように歩いて行く。姫笹に覆われた緩やかな尾根が続く。25分ほど行くと尾根の林がまばらになって、姫笹に覆われたなだらかなピークに着いた。倒れて朽ちかけた木の根元に「奥守岳」という標識があった。奥守岳は「大峰山奥駈け75靡」の27番靡である。
ここに立つ指導標には嫁越峠まで
30分、地蔵岳まで60分と書かれていた。


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