山頂から急下降すると舗装道に出る。ここには吉野古道のイラストマップが立っていて、それを見ると、この先、四寸岩山へのすごい登りが待っているのだ。青根ヶ峰が標高857mなのに対して四寸岩山は1235m、標高差で400mも登らなければいけない。ザックも重たいのだが、気持ちもズンと重くなった。
舗装道を少し行くと右に登山道入り口があって、ここから杉林の尾根を登って行く。倒木が塞ぐ溝の中の道になった。
15分ほどで杉林から抜け出した。杉が伐採された跡なのだ。送電線の高い鉄塔を仰ぎ見て少し行くと再び舗装道に出て、これを歩いて行くとすぐに黒滝村とかかれた木柱がたっていた。
舗装された林道歩きが続く。行く手には樹林に覆われた高い山が見える。これが四寸岩山のようである。10分余り林道を行くと、左に登山道の入口があった。助かった、これで舗装道から離れることができる。舗装道を重いザックを担いで歩くのは、すごく足の負担になるのだ。
鬱蒼とした杉林の中、深くえぐれた溝の中を登って行く。突然、モノレールのレールと合した。このレールに平行して登山道は続いている。
樹林の中の急登が続く。ガイドブックには途中に五十丁茶屋があると記載されているのだが、これがよくわからなかった。途中、林の中の平坦地があったが、そこには新見茶屋跡という標識が立っていた。これが五十丁茶屋のことなのだろうか。
鬱蒼とした林の中の急登が続く。杉の植林帯から時々自然林に入るのだが、植林の方が多い。50分ほど急登して尾根に登り着くと、そこは三叉路になっていて、新茶屋分岐の指導標があった。地図と照らし合わせたが、どうも自分の歩いているところがよくわからない。四寸岩山の手前には薊岳があるはずなのだが、それも方角的によくわからない。でも、しっかりした登山道は続いているので進むしかない。
三叉路分岐から20分ほど登ると、ようやく林から抜け出して、展望が広がった。でも、厚い雲がたれ込めていて、山々の山頂部は隠れようとしていた。
傾斜の緩やかな尾根を行くと、突然山頂に着いてしまった。15時50分であった。
西側が開けていて、山々の重なりを眺めることができる。でも、雨が降り始めた。
急いで山頂から下って行く。林の中をどんどん下るのだが、雨は次第に強くなってきた。雨具に着替えるのは面倒なので、傘をさして行くことにした。
15分ほど下ると指導標があって、右から合流する道は新茶屋跡からのものであった。雨は益々強くなって、あたりには霧がかかり始めた。
ほとんど土砂降りに近い雨になったとき、山小屋が見えてきた。これが足摺宿の避難小屋であった。小屋に逃げ込んでほっとした。時間は16時10分になっている。
今日は五番関でテントを張るつもりであったが、ここに泊まることにした。小屋に入って驚いた。床板がないのだ。奥には祠が祀ってある。仕方がないので、小屋の中にテントを張ることにした。雨はすごく強くなって、屋根を打つ音がすさまじい。これは大雨になるのではないか、小屋に浸水しないか心配してしまった。
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