2008年晩秋山陰登山
せんじょうさん

標高 615m
東坂登山口→30分→薄ヶ原(山頂)→5分→千丈のぞき→5分→薄ヶ原→15分→船上神社→3分→奥の院→3分→船上神社→10分→滝の落ち口→10分→船上神社→15分→薄ヶ原→20分→横手道→20分→横手道分岐→7分→東坂登山口

船上山は後醍醐天皇にまつわる史跡の山である。この山のすごさは数キロにわたって続く断崖絶壁で、この眺めを楽しむために帰りは横手道を歩いた。
船上山の断崖

BACK 矢筈ヶ山

20081115

今日は船上山から甲ヶ山まで縦走するので6時間の行程である。今回の登山旅行では低山が多いので、こんなに時間がかかる登山は久しぶりである。天気も下り傾向なので早めの出発にした。
東坂登山口から登り始めたのは7時である。(この時期は日が一番短い時で、やっと明るくなるのはこの時間なのだ)
目指す船上山は史跡の山でもある。後醍醐天皇は鎌倉幕府打倒のために奈良の笠置山で兵を挙げたのだが、失敗して隠岐に流されてしまう。これが弘元の乱で、その後、後醍醐天皇は隠岐を脱出して、この船上山にこもって倒幕の号令を発するのだ。天皇はこの船上山に80日間ほど行在されたらしくて、その史跡が山のあちこちに残っているのだ。私はこれらの史跡も巡りたいと思っている。
登山口から広い遊歩道をゆく。斜面をジグザグに登って行くと、柱状節理の絶壁が見えてきた。船上山のすごさはこうした断崖が数キロにわたって続いていることなのだ。
5分ほど登ると道ばたに石仏があった。「一丁地蔵」と呼ばれる1825年のものである。
展望の尾根からは、朝日で赤く染まっ柱状摂理の絶壁を眺めることができた。すばらしい。
すぐに「横手道」の分岐があった。この道でも山頂まで行けるらしいのだが、すごく険しいようで健脚向きと書いてあった。私はもちろん緩やかな遊歩道を歩いて行く。(軟弱者です…)
やがて道は樹林の中に入る。紅葉はまだなのだが、ブナやケヤキの気持ちのいい林が続く。
傾斜が緩まって林から抜け出すと、アカマツの生える広場に着いた。ここが薄ヶ原で、船上山の山頂である。じつは、船上山の山頂ってどこなのかよくわからなかった。この先も緩やかな上りは続いて船上神社まで至るのだが、それでもここが山頂のようなのだ。広場の左に一番高いところがあって、そこにりっぱな行宮の石碑がたっていた。ここが山頂ということにして記念写真を撮った。
さて、この広場からは「千丈のぞき」に下ることができる。船上山の絶景の一つなので、もちろん行ってみることにする。指導標に従って笹藪の間の細い道を行くのだが、かなり下らなければいけなかった。
ようやく露岩の展望台のようなところに着いた。露岩の先端まで行ってみるとすさまじい断崖の上で、下を見ると足が震えてしまうのだ。でも、ここからの眺めはすばらしい。紅葉に飾られた柱状節理の絶壁が屏風のように連なっている。写真を何枚も撮って、大満足で薄ヶ原に戻った。
薄ヶ原から再び広い道を歩いて行く。鮮やかな紅葉の道が続き、古い石垣と階段の前に着くと、そこには苔むした五輪の塔がころがっていた。さすがに歴史を感じさせる道である。
この少し先に「船上山古石塔群」という案内板があった。登山道から少し右に入ると、いかにも古い宝筺印塔や五輪の塔がいくつも残っているのだが、ほとんど壊れていて上半分ほどしか残っていない。それらが苔むして雑然と並んでいる。船上山は平安時代から山岳仏教が栄えたところなのだ。
ふたたび紅葉のきれいな林を行く。みごとなブナ林が広がっていて、写真を撮りながら歩いて行くと道には僧坊跡という標識がいくつかあった。
西坂登山口の分岐に着いたのは87分である。登山口から1時間もかかってしまった。
この指導標の下に古い台石があった。説明板によると、台石には文保二年の銘が刻まれているという。文保二年というのは後醍醐天皇が即位された年である。すごい古いものなのだ。
このすぐ先で右折すると船上神社である。
木の鳥居がたっているのだが、そこにかかる額の船上神社の文字がひどく拙いものであった。ありがたみがなくなってしまう…。正面に本殿があるが、その右に大きな杉の木がそびえていた。琴浦町の天然記念物に指定されている巨木である。
登山道は本殿の左の道を行く。そこには「大山縦走路入口」という指導標がたっていた。


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甲ヶ山から船上神社に無事戻って来たが、せっかくなので奥の院に寄って行くことにした。ところが道を間違えて西坂登山道を下ってしまった。300mほども下ってから引き返したが、間違えたと思ったらよけいに疲れが増した。
奥の院は神社本殿の右に道を行くのだ。
200mほど行くと正面に小さな社が見えてくる。その手前が、後醍醐天皇の行宮地である。
神社に戻ると、そこに滝の落ち口という標識があるので行ってみることにした。私は滝が好きなのだ。500mほど樹林の中を下って行く。ようやく着いたのは、本当に滝が落ちて行くところで、その先は断崖絶壁である。これでは滝を見ることはできないではないか。でも、ここからは柱状節理の断崖を展望することができた。
再び神社に戻って、朝登って来た道を引き返して行く。
薄ヶ原に戻って、ここにたつイラストマップを見たら、ここから正面登山道を下ると柱状節理の断崖の下を横断して登山口に戻ることができるらしい。この絶壁の下をトラバースする道が、朝見た健脚向きと書かれた「横手道」である。同じ道を引き返すのはつまらないので、この横手道を下ることにした。
笹の中の細い道を行くと、すぐに急降下になった。ロープが張ってあるので、これにすがって滑りやすい粘土質の斜面を下った。ロープが終わると涸沢の溝の中を急降下するのだった。これは怖かった。溝の中には岩が累々としていて、この岩にすがって一歩一歩慎重に下って行く。
ようやく水平な登山道に着いた。
そこに立つ指導標には「山頂に通じる登り口(健脚向き)」と書かれていた。
樹林の中の細いトラバース道を行く。振り返ると断崖が見えてそこに滝がかかっているのが見えた。水量が少なくてあまり立派な滝ではないのだが、それは私がさっき覗いた滝であるらしい。
トラバース道からは下に船上ダムが見え、曲がりくねった車道が上ってきているのも見える。私が昨日、走って来た道である。
樹林から抜け出して、見上げるとすさまじい断崖が聳えている。これが見たくてあの急峻な道を下ったのだ。
ススキの茂る急斜面をトラバースして行く。振り返ったり見上げたりして、たくさん写真を撮ってしまった。
朝歩いて来た遊歩道と合流したのは147分である。あとは階段の遊歩道をのんびり下って、駐車場に戻ったのは1413分であった。車がたくさん停まっていた。

明日の天気は雨である。しかたがないので、とりあえず米子に行って、明日は観光にあてることにした。時間があったら温泉に入って、ゆっくり今後のことを考えようと思う。


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東坂登山口


明るい尾根を行く


樹林の中を登る


船上山山頂


千丈のぞきの露岩


石段があった


神社直前の分岐


船上神社の社


奥の院


滝の落ち口


涸れ沢を急降下する


展望のトラバース道を行く


車に戻った





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