BACK 羅漢山
2008年5月12日
今日は三倉岳に登るのだ。昨日はのんびりしたもで、朝早く行動開始。駐車場から車道を登って、Bコース入口まで行く。これは昨日確認しておいたのだ。
Bコース基点の標識を確認して、いよいよすさまじい岩峰の山に挑戦だ。6時10分であった。
頭上には3つの岩峰がそびえている。朝日岳・中ノ岳・夕陽岳で三本槍とも呼ばれる。ゾクゾクする険しい岩山で、本当に登れるのかと思ってしまう。
最初はキャンプ場の中の遊歩道を行く。キャンプサイトを遠回りするように道が続いていて、ちょっと心配になった。
樹林の中のキャンプサイトはしっかり整備されていて、テントを張るための台とそのそばには必ずベンチ・テーブルがついている。そして、その規模がかなり大きい。こんな立派なキャンプ場はどれくらいの稼動率なのか心配してしまった。15分ほどでAコースとの分岐に着いた。Bコースが岩峰を経由して山頂に至る尾根道で、Aコースは沢沿いの道なのだ。私はBコースを登ってAコースを下るつもりである。そしてAコースとBコースは途中二箇所でつながっているのだ。
分岐を過ぎると急な階段の道になった。道には巨岩が現れ、階段の急登を続けるとAコースの4合目小屋との分岐に着いた。この少し上に「胴乱岩の由来」という説明板がたっていたが、どれが胴乱岩なのかわからなかった。
急な階段の登りが続く。階段歩きは本当に体力を消耗するのだ。五合目の標識を過ぎたその上の指導標にはBコース基点から800mと書いてあった。まだ800mしか登っていないのだ。がっかりしてしまうではないか。
巨岩の間を縫うように石段を登って行くと視界が開けたところがあったが、下の集落が見えるだけであった。三倉岳の岩峰が見たい。
六合目の標識を過ぎると、道には巨岩がそびえるようになって、その岩壁の下を通って登って行くのだ。すごい。
七合目・八合目のあたりはひたすら急登が続く。それでも、ちゃんと石段の道なのだ。深い樹林の中なので高度感はないのだが、すさまじい登りの連続である。
そして見上げる絶壁は高くそびえ立っていて、ため息が出てしまうほどだ。
絶壁の間を縫って登って行くと、ようやく行く手の樹林に空の明るさが見えるようになった。稜線の上に着いたのは7時3分、歩き始めて約1時間である。
ここには指導標がたっていて、右が最初の岩峰、朝日岳(上ノ岳)である。ここから往復するのだ。樹林の中を2分ほど登ると山頂に着いた。樹林に囲まれているが、岩の上に出ると展望が広がる。中ノ岳のすごい岩壁が見える。巨大な花崗岩をまとった岩壁で、すごいの一言に尽きる。その下には栗谷の集落が箱庭のように小さく見えた。
大満足で分岐に引き返す。
次の中ノ岳へはとんでもなく険しい岩溝の間の登りになった。岩にはカスガイのような足がかりがつけられ、鎖が下がっている。鎖にすがって岩溝を登って行く。足がガクガクするような恐ろしい登りであった。
一枚岩の上に這う松の根にすがって登り、展望が開けてくると高度感がすごい。中ノ岳山頂との分岐に着く。見上げると巨岩の間から鎖が下がっていて、岩の上には鎖の柵のようなものが見えた。ともかく登るしかない。鎖にすがって登ってようやく山頂に着いた。巨大な岩のテーブルの上が山頂で、遮るものは何もない。すばらしい展望である。でも、恐ろしくて足がすくんでしまう。
すぐ下にはさっき登った朝日岳が見える。意外に樹林に覆われたピークであった。行く手には3つ目の岩峰、夕陽岳が岩壁をまとって屹立している。つくづく、この三倉山はすごいと思ってしまうのだ。
岩のテーブルの上に立って周りを展望しているのだが、登ってきたのとは別に鎖が下がっているのを見つけた。これを下っても登山道に合流できるのだろうが、私はおとなしく登ってきたコースを引き返すことにする。
分岐に戻ると、今度は樹林の中をかなり下ってしまう。それから登り返すのだが、この道がまたすさまじかった。さっきの中ノ岳の登りのように、岩溝の中を鎖にすがって登るのである。この岩溝を登りきると、狭いが階段の登りになった。
階段を急登して九合目小屋の指導標が立つ分岐に着いた。ここから夕陽岳(下ノ岳)の山頂に向かう。すぐに巨岩が重なる山頂に着く。この夕陽岳が一番展望がいいのかと思っていたのだが、一部樹林にかくれていて360度の展望というわけにはいかなかった。
でも、北には昨日登った羅漢山を見つけることができてうれしかった。レーダードームがあるのですぐにわかるのだ。
夕陽岳から九合目小屋に向かって下って行く。鞍部に着いたが、そこにあったのは倒壊した小屋の残骸であった。
ここからAコースが分かれるのだが、まず三倉岳山頂に登らなければいけない。
明るい樹林の中を5分ほど登ると山頂であった。広場の真ん中に二等三角点がたっているが、山名標識はみあたらない。よく探したら、木の枝に三倉岳とかいた小さな札が下がっていた。樹林の中で展望がないのが残念である。
山頂から下って行くと、登ってくるときは気がつかなかったが、夕陽岳をきれいに展望できた。こちらから見ると樹林におおわれているのだが、鋭く槍のようにそびえている。栗谷の集落も展望できた。
九合目小屋(跡)に戻って、Aコースを下る。樹林の中に続く階段をひたすら下って行く。八合目・七合目の標識を過ぎてさらに下って行くと、沢の流れを渡る。
沢に沿った道を行くが、いつのまにか沢から離れてしまった。五合目の標識が立つところには大きな岩があった。ガイドブックには見晴し岩と書いてあるのだが、この岩から見晴しができるとは思えない。けっこう期待していたのだが。
どんどん下って行くと東屋の前に着いた。これが四合目小屋であった。壁は三面しかなくて、しかも上は欄間のように開いている。どうみても小屋ではなくて東屋である。
本当はここからBコースに戻るコースを行くべきなのだが、私はさらに下って翁岩からBコースに戻ろうと思っている。
三合目の標識を過ぎると、すぐに翁岩があった。ガイドブックにはこのすぐ下に道路が延びてきていて、そこに駐車場と三倉岳休憩所があることになっている。車道を歩いてBコース登山口に戻れるはずなのだ。
ところが、翁岩からどんどん下って行ってもそんな分岐はまったくない。しかたがないので引き返す。注意しながら引き返したが道は発見できなかった。
下ってくるときに三合目の標識のところに踏み跡があったのを思い出して、その道に入った。ほとんど人は通らないような踏み跡で心配だったが、なんとかしっかりした道に出た。この道を歩いて行くと、Bコースに出ることができた。それは四合目小屋分岐の下にあった分岐であった。よかった。
あとは今朝歩いてきた道を引き返すだけである。
車の前に戻ったのは9時を少し過ぎた頃であった。
栗谷集落から三倉岳を振り返ると三本槍がすばらしかった。
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キャンプ場の中を行く

AコースBコースの分岐

四合目小屋入口

巨岩の間を行く

稜線、朝日岳(上ノ岳)への道

中ノ岳山頂

山頂から鎖で下る道があった

夕陽岳への登り

夕陽岳山頂

九合目の鞍部

三倉岳山頂

四合目小屋

三合目から踏み跡をたどってBコースへ向かった
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