2008年春山陽山陰登山
くまやま

標高 507m
熊山駅→40分→一本松→25分→五合目→45分→熊山神社→5分→熊山遺跡→30分→三角点山頂→45分→福生寺→50分→香登駅

標高が500mしかない山なのだが、縦走路を歩いたら、すごく変化に富んでいて楽しかった。特に、登山道にあった楽しい標識がすごくよかった。間違えて福生寺に下山してしまったのだが、すごく立派な伽藍で、重要文化財の三重塔がすばらしかった。大満足の山であった。
登山道から熊山

200854

京都を23時に発って、伊部駅に着いたのは真夜中の2時半であった。駅前に駐車場があったので、ここに泊まった。
中国地方の最初の山は熊山に登るつもりなのだが、この山は北から南に縦走することができるのだ。縦走するときに困るのは車なのだが、幸いなことに、北には山陽本線が走っていて、南には今、私がいる赤穂線が走っている。JR線を乗り継いで帰ってくることができるのだ。
私は電車やバスを使うときは、下山口に車を置くことにしている。下山したときに、バスや電車を待つのがいやなのだ。登山口のある駅やバス停は本数が少なくて、とんでもなく待たされることが多いからだ。

朝、寝過してしまった。駅に行って時間を見たら、531分の列車が行ってしまったあとで、次は645分までない。1時間も待たなければいけない。仕方がないので、今日は熊山駅まで車で行ってしまうことにした。距離で14kmほど走る。
熊山駅の手前で線路を渡ると、田んぼの向こうに「熊山登山口」という大きな看板が見えた。その看板の前に車を置いて歩き始めた。
集落の中の坂を登って行くと親切に指導標がたっていて、迷うことなく登山道の入口に着くことができた。入口には「登山道が荒れています。気をつけて登ってください」という看板がたっていた。心配になったが、荒れているというほどのことはなかった。
鬱蒼とした樹林の中、小さな沢に沿って登って行くと、石畳のように岩が敷き詰められた道になった。20分ほど登って、きつい傾斜を登りきると稜線に飛び出す。そこには「一本松」という標識があった。これからたくさん見ることになるのきれいなイラストの標識で、それには「昔、むかし、デカイ松の木があったそうな」と書かれていた。
ガイドブックには赤松峠とかかれているのだが。
山稜の右の斜面につけられた平坦な道を行く。道端にはツツジの花が咲いていてすごくきれいであった。
頭上に覆いかぶさっていた樹林がなくなって明るくなると、芝生の広場に出た。行く手には送電線の鉄塔が連なる尾根が見える。この尾根のピークが山頂なのだろうか。(そうではなかった)

広場の向こうは舗装された林道であった。ここから林道歩きかよ…と思ったら、すぐに登山道入口があった。
急な尾根を登って行くと時々視界が開けて、尾根の先に東屋が見えた。山頂の近くの展望台かと思ってがんばって登って行く。
送電線の鉄塔の上に出て、そのすぐ先に「蹄岩」があった。大きな岩盤に窪みがあるのだが、1336年に児島高穂の愛馬が刻んだ蹄跡だという。ごく自然にできたもののように思えるのだが。
尾根を急登して視界が開けると、そこに東屋がたっていた。さっき下から見上げた東屋だが、山頂近くと思ったのは大間違いで、五合目の標識がたっていた。登山口まで2200mとある。本当にまだ半分しか歩いていないのだ。
とはいえ、東屋からの展望はすばらしい。登ってきた送電線の尾根が一望できて、一本松の峠の左には熊山の集落が見えた。

五合目から5分ほど登ったところには「蛙岩」があった。まあ、見ようによってはカエルに見えないことはない。標識には「遺失物・行方不明などの願掛けの」言い伝えがあるのだそうだ。
この先は岩のゴツゴツした道になったが、すぐに
6合目に着いた。そこの標識には「横眺(よこちょう)」とかかれていて、登山道から少し右に入ると展望が開けていた。上を見ると、鉄塔の続く尾根の左に高いピークが見えた。(これが熊山山頂かと思ったのだがやっぱり違っていた。)
六合目から階段を登って行くと、きれいな椿の花が咲いている。標識には「ツバキ科ヒサガキ」とかかれている。私にはみんなツバキの花に見えてしまって、どこが違うのかよくわからない。
階段を登って行くと「赤松峠口」という標識があった。ガイドブックには一本松を赤松峠と書いていたのだが、ここから赤松峠に行く道があるのだろうか。
すぐ先で左折して送電線の尾根から離れた。
階段の登りが続いて、これをあえぎながら登ると赤松峠に着いた。一本松とは別に赤松峠はあるのだ。名前の通り、この付近には赤松の林になっていた。
峠からは緩やかな下りが続く。行く手にはアンテナ塔がたつ稜線が見えて、その左に盛り上がったピークが見える。ガイドブックにはこの付近から熊山が見えると書いてあるのだから、これこそ熊山の山頂のようである。
階段を下って平坦になったところに八合目の標識があって、そのすぐ先には展望台の分岐があった。
樹林の中に入って行くと東屋がたっていて、そこから意外なことに緑の沼が見えた。沼の向こうに見えるのは越えてきた赤松峠のようである。きれいな沼が見えたことに満足して500mほど行くと、突然舗装された車道に出てしまった。この車道を横切ったところには「竜神二ツ井戸」があった。屋根の下に二つの泉がある。ヒシャクも置かれているのだが、水は流れていなくてとても飲んでみる気にはならなかった。
樹林の中の平坦な道を行くと車道と合流するのだが、そこから右に山道が右に続いている。鬱蒼とした樹林の中を行くと、すぐに鳥居の前に着いた。ここが熊山神社で熊山の山頂である(…と思っていた)。
鳥居をくぐって境内に入ると、真ん中に社殿がたっている。この周りをぐるっと回ったが、どこにも熊山山頂とかいた標識はなかった。神社の境内は低い塀のようなもので囲まれていて、ここより高いところも見当たらない。ここが熊山山頂でいいのだろうかと疑いながらも、とりあえず記念写真を撮った。
私は本殿の右からやってきたのだが、鳥居から真っ直ぐに石段を下って、下の車道に出る。この道を右に行くと「熊山遺跡」があるのだ。
車道を行くとすぐに二本の大きな杉の木があった。天然記念物の表札がたっていて、樹高は38m、樹齢約千年とかかれている。私は巨木が大好きなのだ。
ここから少し行くと広場に出る。指導標のたつ分岐があってその向こうが広場になっている。この分岐の左奥には猿田彦神社があり、右には古い石塔群があった。
広場に進むと、八重桜が満開できれいである。その奥に石を積み重ねた基壇が立っている。これが「熊山遺跡」である。なんに使ったのか不思議な遺跡である。これと同じようなものを小豆島で見たのを思い出した。
広場の左には社務所があって、その奥に展望台がある。東屋がたっていて、そこからは南の展望がすばらしかった。展望台には望遠鏡が備え付けられているのだが、これは無料であった。ラッキーと思って覗いてみると、川や道を走る車が手に取るようであった。でも、遠くに見えるはずの瀬戸内海は霞んでみえなかった。
この展望台の広場には大きなテントが二つ張ってあって、炊事道具などがたくさん置かれていた。キャンパーと思われる男二人がベンチで昼寝をしている。こんなところにテントを張っていいのかと思うのだが。
車道を引き返す。熊山神社を左に見て、まっすぐに車道を進むと広い駐車場に出た。ここからは車道を歩いて伊部駅に向かうのだ。
駐車場に付近のマップがたっていて、それを見るとここから南NTT無線塔のあるピークが熊山山頂であることがわかった。標高508mとも書かれている。
ちょうど伊部駅へ向かう道の途中にある。駐車場から車道を歩いて行く。500mほどでNTT無線塔の入口があって、緩やかに登って無線塔のたつ広場に着いた。さて、山頂ってどこだろうと周りを見回すと、奥に赤松の生えた少し高いところがある。踏み跡をたどるとすぐに二等三角点があった。三角点があるところが山頂だと思っているので、私にとってはここが熊山山頂である。
熊山神社を山頂と間違えるところだったが、ちゃんと山頂を踏むことができてうれしい。
車道に戻って5分ほど行くと、右に登山道らしきものを見つけた。車道歩きはイヤなのでこの道を行くことにした。道標がないので本当にこの道でいいのかわからないのだが、間違っていたら引き返すまでである。細い道なのだがしっかり踏み固まっていて、途中で道がなくなってしまうということはなさそうである。
この道をどんどん下って行くと道は広くなって、ガイドブックに書かれた防火線の道のようになった。途中、壊れかけているが橋もかかっていたので、ちゃんとした道なのだと確信した。
鉄塔の前に出た。ガイドブックで鉄塔の前を左に下ると書いてあるので、道は間違っていなかったらしい。露岩の急な斜面を下ったりして急降下すると車道に出た。
車道を歩いて行くと左に工事中の道があったが、真っ直ぐに進んだ。道路標識には国道に出ると書いてあるので大丈夫だと思ったのだ。ところが間違っていた。伊部駅にはこの工事中の道を行って、林道鬼ヶ城線に出なければいけなかったのだ。私は林道大滝線を下ってしまった。

舗装道路をどんどん下って行くと、りっぱなお寺がたくさんあるところに着いた。この寺院群は福生寺で、ここには実相院、西法院、福寿院などが並び、三重塔もあるのだ。福生寺のすぐ手前に三重塔入口があったのを通過してしまったのだが、引き返してこの塔を見にいった。
鬱蒼とした林の急坂を登ると、明るい平坦地に出て、そこに三重塔がたっていた。すごく端正な形で、国の重要文化財だけある。

私は道を間違えたのだが、三重塔を見ることができたのだから間違えて正解だったと思った。西法院の本堂や大師堂を見てから道を下って行くと、石仏がたくさんたつ賽の河原があって、その先には足利義教が建立したという仁王門があった。残念ながら仁王像は残っていなかった。
あとは長い林道歩きである。行けど行けど山間の中でなかなか平野にでない。道が右にカーブして集落に入ったが、まだ行く手には低い山がある。JR線のあるところまではまだ遠いように思ったが、突然、新幹線の音が聞こえた。新幹線の高架には意外と早く着くことができた。高架の向こうには国道が走っていて、さらにその向こうにはJR線路が見えた。
ところが、この国道をどっちに行ったら駅が近いのかわからない。伊部駅には左に行ったらいいのだが、伊部駅の隣の香登駅も近いような気がする。わからないのでカンで香登駅方向に歩いていった。向こうからザックを背負った人が歩いてきたので、訊いてみたら、道路地図を出して、香登駅が近いようだと教えてくれた。この人は千葉に人なのだが、鹿児島から歩いているのだという。130kmほどをメドに歩いていて、今回は東京まで歩くのだという。最後が北海道まで行くのだそうだ。すごい人がいる。
国道を歩いて香登駅に着いたのは115分であった。幸いなことに岡山方面行きは1116分であまり待つ必要はなかった。東岡山での乗り換えもたった2分で接続した。でも、ずいぶん遠回りをするので料金は650円、熊山駅に着いたのは129分であった。


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熊山駅の近くの駐車場


これが登山道入口


石畳の道になった


一本松に着いた


送電線の見える広場に着く


五合目の展望東屋


岩の道になった


赤松峠


峠からの下りで熊山が見えた


車道の向こうに龍神二ツ井戸がある


熊山神社


熊山遺跡


広場の奥に展望台があった


広い駐車場に着いた


三角点のあるピーク


熊山山頂(三角点)


壊れた橋がかかっていた


福生寺に着いた


三重塔を見に行った


香登駅


登山道の楽しい指導標




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