BACK 恐羅漢山
2008年5月28日
恐羅漢山の登山口から40kmほど車を走らせて、島村抱月の里だという小国の集落に入って行く。するときれいに整備された小さな公園があって、それは「島村抱月顕彰公園」であった。
島村抱月は劇団芸術座を主催したひとで、女優松井須磨子の恋人でもある。復活という演劇のなかで歌われた「カチュウシャの唄」は日本最初の歌謡曲なのだ。
公園の中にはこのカチューシャの唄が流れるモニュメントがあったので、スイッチを押して聴いてみた。田畑の中の小さな公園なのに、意外と大きな音が流れてちょっと恥ずかしかった。
この公園から少し走ると左に細い道があって、金木山の指導標がたっていた。でも、その指導標は朽ち果てているので心配になってしまった。
林道に入って少し行ったところに車を停めて、そこから歩き始めた。
流れに沿った道で、その流れが小さな滝を作っている。緩やかに上って行くと、田畑が開けた。なにかしら懐かしいような、いかにも山里といった風景である。その奥に山が見える。これが金木山だろいか、よくわからないが、ともかく林道を歩いて行く。
林道の舗装が終わるところに作業小屋があって、ここに指導標があると思ったがなかった。そこからは草の生えた道で、少し行くと左に砂防ダムがあり、さらに草茫々の道を進むと道は左にカーブして沢を渡った。登山口がない…と焦ったが、すぐに標識があった。この標識も朽ち果てていて、登山道はすごく荒れてるのではないかと心配になった。
林道から右の道に入ったが草が茫々であった。すこし行くと竹林の中に入り、竹やぶの中を歩いて行くと正面に祠があった。
この祠の横を過ぎると、道は急な登りになった。
自然林の中の急登が続く。ひたすら真っ直ぐに登って行くのだ。ロープが張ってあって、これにすがって急斜面を登る。幸いなことに、朽ちた指導標から想像したのとは違って道はしっかりしていた。丸太で階段を組んだところもあるし、斜面を階段状に削ったところもある。道として手入れはされているのだ。
この急な登りは尽きることなく続き、時々ロープが現れる。
斜面の左をトラバースするところだけ平坦で、すぐに再び急登が始まると道が二つに分かれる。どっちを行ったらいいのだと悩んだが、傾斜の緩いほうを行くと、分かれた道とすぐに合流した。直登する道とジグザグに行く道があるのだ。ガイドブックによると、ジグザグの道は最近つくられたらしい。それまでは、ひたすら直登していたということだ。私は軟弱なので、忠実にジグザグの道を辿った。
ようやく傾斜が緩まって尾根の上に着く。
樹林の中を5分ほど行くと林から抜け出して、そこが山頂であった。
塚のように盛り上がったところに山名の標識がたっている。その足元には三等三角点があった。
山頂から北にすこし行くと展望が開けていて、箱庭のように金城町が見えた。北にそびえる山々も眺めることができた。すばらしい眺めである。
空を見上げたが、雨になりそうもない。時間はまだ11時20分なので、もう一つ登山できるかもしれない。明日は雨になるので、登れるだけ登っておくことにした。
急いで下る。
登ってきた道を下るのだが、予想以上に急な下りであった。直登の道ではなくジグザグの道を下ったのだが、それでもきつかった。ロープにつかまって下って、竹林に入るとようやく平坦になる。山頂から25分で登山口に帰ることができた。
車に戻ったのは12時10分である。
次に登るのは雲月山である。この山は往復1時間20分なので、気はラクだ。
車を走らせて行くとポツリポツリと降り出して、雲月山の登山口に着いたときは激しい雨になった。そして風が強い。
雲月山の登山口にはトイレもあるので、今日はここに泊まって晴れるのを待つことにした。
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島村抱月顕彰公園

林道を歩いて行く

朽ちた指導標があった

竹林の中に入る

ロープの張られた急斜面を登る

尾根を行く

金木山山頂

車に戻った
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