2008年春 山陽山陰登山
あさやま

標高 1218m
阿佐山橋→50分→二十丁峠→40分→阿佐山山頂→30分→二十丁峠→40分→阿佐山橋

阿佐山山頂は樹林に囲まれていて展望はない。でも登山道にはブナの巨木が立ち並んでいて、すばらしいのだ。また、この当たりは古代において砂鉄から製鉄をおこなった「たたら」遺跡が多くて、山麓にはたたらの流れをくむ製鉄所跡があるのだ。
山麓から仰ぐ阿佐山

BACK 雲月山

2008年5月29日

さて、雲月山の次に登るのは阿佐山なのだが、午後からは天気がよくなるはずなので、どこかで回復を待って、その状況で登るかどうかを決めようと思う。

車を走らせて行くと芸北という大きな集落に入ったので、そこのスーパーで買出しをした。
スーパーで温泉があることを聞いたのでそこに向かった。

芸北オークガーデンという温泉の駐車場で、ラーメンをつくって食べてから温泉に入った。1045分から13時までいて、露天風呂から空を見上げたが、厚い雲は晴れることがない。
でも、阿佐山は展望の山ではないので、今日中に登ってしまうことにした。そうすると、今夜は竜頭山の登山口にある道の駅に泊まることができる。

カーナビに従って車を走らせて行く。ガイドブックには阿佐山橋を渡ったところに登山口があるというのだが、それがわかりにくかった。林道をどんどん走って行くと、カーナビに登載された道はなくなってしまって、林道は左右に分岐した。左の道はループを描いて頭上で阿佐川を渡る。この橋が阿佐山橋かと思ったが違っていた。そうすると真っ直ぐの草茫々の道を行くしかない。未舗装のダートな道を走って行くと、すぐに左に神社があって尾間神社と確認できた。地図に載っている神社で、この道が正しいことがわかった。ガタガタの道を少し行くと小さな橋を渡る。これが阿佐山橋で、渡ったところに登山口の指導標がたっていた。
登山口の車を停めて身支度をする。せっかく温泉で汗を流したのに、また汗をかくことになる。
出発は14時であった。すぐに小さな流れを二つ渡ったが、その先は渓流で阻まれた。道を間違えたかと思ったが、対岸にリボンが見えるので、これを徒渉するしかないようである。でも、靴を濡らさないで渡るのはとても無理である。昨日は一晩中強い雨が降っていたので増水しているのだと思う。あたりをウロウロして、ラクに渡れそうなところを探したがなかった。しかたがないので靴を脱いで渡ることにした。裸足で流れを渡ったが、岩は滑るようなことはなくて足場はしっかりしていた。ふだんは水に浸かっていないのだ。
なんとか渡り終えて靴を履く。帰りも靴を脱ぐのかと思ったら気が重くなる。
対岸の道は踏み跡がかすかで、前途に不安を感じてしまう。すぐに砂防ダムの突堤を越して、流れに沿って歩いて行く。道にはゴツゴツした岩が突き出ていて歩きにくい上に水が流れていたりする。すぐに次の砂防ダムが見えてきた。水がきれいに流れ落ちていた。
これを越えて少し行くと、道端に白いギョリンソウが咲いていた。ガラス細工のような花である。
沢の音を聞きながら檜の植林帯を歩いて行くと、右にターンして山の斜面を登る。でも、再び沢に沿って歩く道になった。檜の林から抜け出して自然林になったと喜んだら、ふたたび檜林に入ってしまった。この檜の林はけっこう長い。
でも、登るつれて自然林が混じるようになって、左が檜林、右が自然林という境界を歩くようになった。

いつの間にか沢から離れて尾根の上にいて、急登なりが続くようになった。ようやく道が平坦になって、ブナが混じる鬱蒼とした林を行くと、右からくる道と合流した。そこの木の幹に小さな木札が打ちつけてあって、二十丁峠と書いてあった。平坦な道の交差点で、峠とは思えないところであった。ガイドブックには峠の手前にブナの巨木があって、阿佐山が望めるところがあると書いてあるのだが、なかった。
峠のすぐ先は笹薮で、完全に道を隠しているのでこれを掻き分けて行かなければいけない。昨日の雨で笹は濡れていて、すぐにズボンはビショ濡れになってしまった。
この笹薮はどこまで行っても続くので、雨具のズボンをはくしかなかった。
でも、道は緩やかで、笹薮の下の道はしっかりしている。笹が濡れていなかったら、ブナやミズナラなどのきれいな林を眺めながらのんびり行ける道なのだが…。

緩やかな道が続くが、少し急な下りになって、その鞍部からは急登であった。道には大きな岩が現れるようになって、この間を登って行く。
見上げるとブナなどの大きな木が霧にかすんでいる。山頂近くは霧なのだ。
前方が明るくなると、左に神社の社のようなものが見えてきて、この右を通ってさらに進む。…と、道に三角点が置かれていた。えっ?と思ってしまう。ちょっと道が広くなったところで、まったく山頂らしくないところである。でも、ここが阿佐山山頂なのだ。
さっき見た神社らしきものは、小さな小屋で、その横にアンテナ塔がたっている。山頂の祠とはまったく関係ないものであった。

山頂は樹林に囲まれていて展望はないのだが、ここの三角点は一等三角点である。でもその一部は欠けていた。壊れた三角点を見ることは少なくない。だれか故意に壊すヤツがいるのだろうか。
裸足で沢を渡ったり、笹薮でビショ濡れになったりしたが、一等三角点の山に登ったことに満足して引き返すことにした。
帰りは霧が晴れてきて、ブナやミズナラの林がきれいなので、写真を撮りながら下った。
二十丁峠の先にあるというブナの巨木を探しながら行ったが、結局見つからなかった。
最後はやっぱり靴を脱いで沢を渡り、車に戻ったのは17時を少し過ぎた頃であった。

林道を走って、樹林から抜け出すと青空が広がっていた。天気はすっかり回復していたのだ。大暮の集落には製鉄所の跡があるというので、立ち寄った。古来、この辺では「たたら」という砂鉄を使った製鉄が行われてきたのだが、明治政府は殖産興業の一環としてこの地に製鉄所を建てたのだ。今は赤レンガの煙突が残されていて、東屋のたつ小さな公園になっている。ここからは阿佐山をきれいに眺めることができた。樹林の中を歩くだけで山容を見ることがなかったのだが、初めて阿佐山がどんな山なのかわかった。大満足。
明日は今回の登山旅行最後の山に登る。予定通り道の駅に車を停めた。


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阿佐山橋の袂に車を停めた


すぐにこんな橋を渡る


靴を脱いで徒渉した


こんな道を行く


大きな砂防ダムが見えてきた


ダム湖


檜林を登る


二十丁峠で道が分岐していた


すごい笹藪になった


道に大きな岩が現れる


霧のブナ林を登って行く


阿佐山山頂




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