やしゃがいけやま

標高 1212m
泉鏡花の小説に「夜叉ヶ池」があるが、その池は実在するのだ。
高い山の上にあって、私が訪れたときは、深い霧の中にひっそりと水面が広がっていた。
夜叉ヶ池

2003726

梅雨明けが待ちきれない。先週はせっかくの3連休だったのに、どこにも出かけれなかった。天気予報では、曇りなのだが、今週は何としても山に行くつもりだ。(ほとんど禁断症状に近い…)近畿の山はほとんど登ってしまったので、今回は北陸の山を登ろうと思う。
近いところといことで、冠山と経ヶ岳に登ることにした。
ところが、このうち冠山は2時間で登れてしまう山なのである。これではもったいないので、このは日もう一つ山に登ろうと思う。
地図を眺めていたら、「夜叉ヶ池」という文字を見つけた。夜叉ヶ池といったら、泉鏡花の小説にある。小説も読んだが、私には映画の印象の方が強くて、昔、ヒロインを坂東玉三郎が演じた。ともかく、ラストの大洪水シーンがすごかった。舞台となる村が世界遺産白川郷の合掌造りの民家だったのを覚えている。
この夜叉ヶ池に行ってから冠山へ登ることに決めた。

朝、3時に起きた。それから荷物を整理していたら、出発は4時少し前になってしまった。
まだ、真っ暗である。京都南ICから名神高速に入って車を走らせて行くと、大津のあたりで空がしだいに明るくなってきた。
しかし、そらはどんよりとした厚い雲に覆われている。
米原で北陸自動車道に入る。このあたりから雨が降り出した。天気が悪いと、登山の楽しさは半減してしまう。引き返そうかとも思ったが、5月の連休以来山に登っていないので、今回は何としても山に登る。
今庄ICで高速を降りて、一般道を30kmほど走って、ようやく夜叉ヶ池の登山口に着いた。時間は6時半になっていた。登山口には広い駐車場があって、入り口には石の鳥居が立っている。
鳥居には夜叉竜神社とかかれていた。左手には石碑が立っていて、由来が書かれている。夜叉ヶ池は雨乞いの伝説の池なのだ。
鳥居を潜って、すぐに橋を渡る。流れに沿って、深い林の中の道を行く。
池を見に行くだけなので、登りはほとんどないだろうと思っていたら、それは大間違いであった。すぐに急な登りになって、沢の流れが遥か下になった。
ようやく水平な道になって、どんどん歩いていくと道が大きく左にカーブするところがあって、そこから沢の流れが滝を作っているのを見ることができた。これが夜叉滝であった。この滝の横を通ってさらに行くと、右手に案内板があって、「栃の木大木」とある。登山道から見上げると、確かにすごくりっぱな木が聳えている。
いつも思ってしまうのだが、古木というのは本当に神を感じさせるものがある。昔から日本人はそうした大木に対して、しめ縄をはって信仰の対象としたのだ。それに、植物は音楽に反応するというし、会話もしているのではないかという説もある。古木にはそうした神秘性がある。そうした不思議な厳粛さを、この大木に感じてしまった。
さて、これを過ぎたらすごい登りが始まった。
尾根を急登して行く。夜叉ヶ池というのはすごく高いところにあるのだ。軽い散歩気分で行ったら、大間違いということになる。
登山道には「池まで○m」という案内が立っているので、これを目安に歩いて行く。
ようやく、登りが終わって平らな道になる。高い樹林の中から抜け出して明るくなるとすぐに、池のほとりにたどり着いた。
池は霧の中であった。
水はきれいに澄んでいる。池のほとりには祠が立っていて、これが夜叉竜神社である。雨は降っていないものの、霧でまったく展望はきかない。
さて、せっかくここまで来たのだから山頂を踏もうと思っている。
本当は三周ヶ岳という山まで行きたかったのだが、この雲の中では行っても面白くない。この池の近くに「夜叉ヶ池山」があるのだ。夜叉ヶ池に来たのだから、この山に登って帰ろうと思う。
ところが、その登山道がわからない。来た道を引き返してみたが、それらしい登山道は見つからなかった。
池のほとりの祠の横に踏み跡があって、薮の中に続いている。これだろうかと思って、笹薮を掻き分けて登っていってみたが、すぐに道がなくなってしまった。
竹薮はめいっぱいしずくを含んでいて、全身ずぶ濡れになってしまった。
困ってしまった。いったい登り口はどこなんだ。指導標がないと困ってしまう。
ガイドに載っている地図をよくよく見ると、池を半周したあたりに登山道があるみたいである。
ただ、祠から先は道がない。池の水が増水して道を隠しているののではないかと思い当たった。ともかく行って見ることにした。靴を濡らして、池の岸辺をへつって行くと道が現れた。
池の奥まで行くと、登って行く道があって、少し登ると稜線に出た。これを左に行くと三周ヶ岳、本当は行きたいのだが、時間の関係ですぐ近くの夜叉ヶ池山でがまんする。
稜線に突き当たったその向こうはすさまじく切り立った崖で、こんなところに池があったのかと、今さらながら感心してしまった。
夜叉ヶ池山へは15分ほどで登れるのだが、ナイフリッジの切り立った岩場の登りであった。雲で景色は見えないのだが、雲に霞んで影のように見える山頂方向は、なんか恐いような険しい雰囲気である。
ようやく傾斜が緩やかになって、山頂に着く。丸く踏み固められた平坦地があって、狭い。
山頂の標識は、素人がマジックで「夜叉ヶ池山」と書いた板が立てかけてあった。
道はさらに続いているのだが、私はここで引き返す。
池に帰ってくると、少し霧が晴れてきて、池の水面がよく見えるようになっていた。
池のふちに沿って歩いていくと、水の中で黒い生き物が泳いでいる。よく見るとサンショウウオであった。
写真に撮ってしまった。
祠の前まで戻ってきて、もう一度記念写真を撮って、帰る前に案内板を読むと、この夜叉ヶ池で有名なのはサンショウウオではなくてゲンゴロウなのだった。
ヤシャゲンゴロウといって天然記念物に指定されているのだが、今の時期がちょうど繁殖期らしい。
さて、帰る。
下り始めると、登って来る人達とたくさんすれ違った。早いですねといわれた。まだ9時である。6時半からスタートしたのだから、あたりまえなのだが。
1時間とちょっとで、登山口に帰ってきた。出たときは私の車1台だけだったのが、駐車場はほとんど満車状態になっていた。夜叉ヶ池は人気がある山なのだ。
時計を見ると、まだ10時である。
こんなに早く帰ってこれるんだったら、三周ヶ岳に登ればよかったかなと思った。
カーナビで冠山の登山口への入り口を指定して、車をスタート。

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夜叉ヶ池登山口


登山口にあった石碑


まず流れに沿って行く


夜叉滝


栃の木の大木


池まで1000m地点


夜叉ヶ池に着いた


池の畔にある祠


夜叉ヶ池山に向かって登る


けっこう岩場の道


夜叉ヶ池山山頂


霧が晴れた夜叉ヶ池


サンショウウオ

夜叉滝
ブナ林の中を行く
夜叉ヶ池




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