BACK 青春18切符の旅 阿波池田〜壬生川
2002年8月12日
夏休み3日目の夜が明けた。
駅のベンチに起き上がって外を見ると空が赤く染まっている。
異様なほどの赤い朝焼けであった。こんな時は天気が崩れるのだ。なんか嫌な予感がした。
登山口の保井野に行くバスは7時33分発である。
駅の前の広場はバスターミナルになっている。7時頃にバス停に行って、ベンチに座っていたのだが、不思議なことにバスが1台もやってこない。
ふつう、駅前のバス停ならいろんな行き先のバスが入れ替わり立ちかわりやって来るものなのだが、それがない。本当にここはバス停でいいのかと心配になってしまった。
少し遅れて保井野行きのバスがやってきた。ほっとした。
バスに乗ったのは私一人で、運転手さんが、どうせ他に乗る人はいないから前に座っていたらいい、と言う。
本当に乗客がいないバスで、終点までの間に乗ってきたのはおばあさん一人だった。
保井野までは1時間かかる。
バスはどんどん山の中に入って行く。
平野では晴れていたのに、山には濃い雨雲がかかっている。山に近づくにつれて空は曇ってきた。朝の不気味な朝焼けを思い出してしまう。
バスは予定通り8時35分に到着。
バス停はけっこう変わった建物で、その土壁が崩れていたりする。運転手さんがいうには、昔はここに泊まって翌朝一番の運行に備えたりしたのだそうだ。
バス停を後にしたが、すぐに着替えなければいけない。
下界での私は半ズボンにゾーリである。これでは山には登れない。
着替え終わってザックを背負う。めちゃくちゃに重たい。昨日買い込んだ食料が多すぎたみたいだ。
車道をしばらく歩くのだが、この道は大きく曲がりくねって続いているのでこれをショートカットする。
畑の中の細い道に入ったら迷ってしまって、むだな時間を使うことになってしまった。
1時間ほど歩いてようやく登山口に着く。
駐車場があって、その向こうに廃屋がある。その横に登山口があった。
ガイドブックではここから2時間で堂ヶ森山頂に着けるはずである。
ところが、今日はまったくだめだった。倍以上の時間がかかってしまう。
ともかく荷物が重い。
そして、途中から雨が降り出した。雨具に着替えるのに時間がかかり、また晴れてきたのでまた着替えたりと、時間がどんどん過ぎて行く。
「から池」という尾根上に着いたときは、これでやっとラクになると思ったが、さらに急な上りが続く。
雨の中の登りだった。本当に疲れが倍加する。
梅ヶ枝の分岐は稜線の上で、ここで一気に展望が開けた。天気も回復してきて、景色が見える。ここで雨具を脱いだ。
堂の森には笹原の斜面に道が続いている。
笹の原が、緑の絨毯のようで気持ちがいい…のだが、バテバテである。
20分のコースタイムのところを40分もかかってしまった。
途中で登山者とすれ違った。二の森まで行くつもりが雨で堂ヶ森から引き返してきたのだそうだ。
行く手に稜線が見えて、反射板が立っている。そこが堂ヶ森の山頂だろうというのは分かるだが、足が前に進まない。
登山口を出たのが10時であったが、堂ヶ森に着いたのは2時であった。
堂ヶ森の山頂は横に長くて、登山道はその西の端に着く。
ここにザックを置いて山頂の三角点に向かう。
この堂ヶ森の山頂には大きな反射板があって、これをくぐったところに三角点がある。
ここから眺める二の森はすばらしい山である。
笹に覆われていて、緑に輝いている。天気がいいというのはすばらしい。
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