BACK スゴ乗越から薬師峠へ
2008年8月16日
今日は折立まで下って、9時半の富山行きのバスに乗らなければいけない。テント場から折立までは4時間くらいかかるので、5時に出発することにした。
4時に目を覚まして、パッキングを終えてテント場を出発したのは5時15分であった。テント場からけっこう急な道を登って広い稜線の上に出ると木道が続いていた。雲が垂れ込めているが、振り返るとすごい下にテント場が見えた。
霧の中の広い稜線を歩いて行く。草原が広がっていて、その中には池塘も散らばっていた。
のんびり歩いて行くと霧の中にぼんやりと太郎平小屋が見えてきた。5時32分であった。晴れていたら、ここからは水晶岳・鷲羽岳や三ツ俣蓮華岳・黒部五郎岳が一望できるはずなのだ。今は濃い霧で何も見えない。
小屋に入って折立からのバスの時間をもう一度確認した。天気が安定したらすぐにでも戻ってくるぞ、と心に決めて小屋を後にした。
太郎平から折立までは8kmの長い尾根を下らなければいけない。時間にして3時間あまりである。
最初は木道であったがすぐに岩がゴロゴロする歩きにくい道になった。下って行くにつれて霧の中から抜け出して、行く手の長い尾根を一望できるようになった。どこまでも尾根道が続いている。尾根道の左にはダム湖が見えた。有峰湖である。
6時20分頃には雨はすっかり止んで、日が射すようになった。せっかくあきらめて下山しているというのに、どうして晴れてしまうんだと恨めしく思ってしまう。
道は左に曲がっていって、正面にダム湖を見ながら下って行く。広い尾根でしっかりと整備された道なのだが、ゴロゴロする岩が多くてけっこう歩きにくいのだ。
尾根の行く手に赤と黒の縞々の棒が立っているのが見えてきた。三角点の標柱なのかと思いながら下って行くと道は右にカーブしていって樹林の間に入り、再び展望の尾根に出ると登山道の横に赤・白・黒の縞々の柱がたっていた。道から外れてこの柱までいってみたが三角点ではなかった。
さらに登山道を下る。けっこう急な露岩を下って行くと、標柱から10分ほどでベンチの置かれた広場に着いた。ここに三角点があった。振り返ると、北ノ股岳がよく見えた。天気予報では雨のはずなのに青空が広がっている。
三角点で休憩しながら考えた。時間はまだ7時で、ここから折立までは4kmほどである。
折立からのバスは8時発もあるのだ。下りの道なので急いだら8時のバスに間に合うのではないかと思ってしまった。もし、間に合わなくても1時間半待ったら富山行きがある。
8時を目標に下ってみることにした。
三角点からは樹林の中に入って、急な下りになった。走るようにして下って行くと登山者と頻繁にすれ違うようになった。傾斜はますますきつくなって、勢いで下って行く。
7時50分、樹林から抜け出したら休憩舎のたつ広場であった。その向こうにバスが停まっているのが見えた。8時に間に合ってしまった。
バスは5分ほど遅れて出発したが、乗客は5人だけであった。
バスは有峰湖のすぐ横を通るのだが、真っ青な空が湖面に映っていて、あの天気予報はいったいなんだったのだと思ってしまった。
有峰駅には8時45分に着いた。
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薄暗いうちに出発した

木道を行く

霧の中に太郎平小屋

太郎平からの長い下り道

三角点の広場

折立に着いた

バスから有峰湖
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