日本アルプス全山縦走 
空木岳 2863m
南駒ケ岳 2841m
越百山 2613m
奥念丈岳 2303m
安平路山 2363m
野営地→空木岳山頂→赤椰岳→南駒ケ岳→仙涯嶺→越百山→南越百山→奥念丈岳→袴腰山→松川越→浦川山→安平路山→安平路避難小屋

空木岳から越百山までは岩稜のアルペン的な山が続くのだが、この先は一変してモウレツな笹薮コギになる。ガイドブックには登山道がないと書かれている区間で、予想以上に時間がかかって、避難小屋に着いたのは19時であった。
赤椰岳からの空木岳

 空木岳山頂へ 1998年空木岳登山の記録
2000年南駒ケ岳・越百山登山の記録



山頂付近の巨岩


空木岳山頂


山頂から縦走路

BACK 宝剣岳から空木岳へ

2007年827日(月)

夜、目を覚ましたらテントの中が明るかった。月が出ているのだ。外に出て夜空を見上げると、薄いベールのような雲に包まれて月が明るく輝いていた。その後、眠れなくて困った。今回の登山では睡眠不足になっている。
朝、目が覚めたら4時半であった。昨日よりも寝坊してしまった。あわててテントを撤収。外に出ると昨日歩いた長い稜線を下に見ることができ、その遥か向こうには宝剣岳が見えた。
朝日を浴びる岩の尾根を行く。巨岩の上を渡り歩いて、高く突き立つ巨岩を回りこむと標識がたつ山頂が見えてきた。空木岳山頂であった。
山頂は大きな岩に囲まれて、その中に空木岳と書かれた木柱がたっている。その前には三角点がおかれていた
早朝なのに登山者が一人いて写真を撮っていた。すぐ下には駒峰ヒュッテが見える。



 南駒ヶ岳山頂へ
空木岳からの道


赤椰岳山頂


南駒ケ岳への登り


南駒ケ岳山頂


空木岳山頂からすぐに下山開始。今日は猛烈な笹薮コギが待っているのでのんびりしているわけにはいかないのだ。砂礫の道をジグザグに下って行く。かなり急な下りだが、それでも木曽殿越からの険しかった道に比べたらまったくラクな下りである。緩やかな鞍部に着くと、すぐ目の前には岩峰が鋭く聳えている。でも、これは右に捲いてしまうのだ。岩がゴロゴロする右斜面をトラバースしてゆくと、山頂に岩がいくつも突き出る山が近づいてくる。
鞍部からは尾根の右を斜めに登って行く。岩がゴロゴロするハイマツの中の道が続く。巨岩に覆われた山頂に着くと、そこには木柱が一本たっていたが山名は書かれていない。でも、ここが赤椰山である。
行く手には南駒ケ岳がすばらしい。山腹は緑のハイマツだが、山頂は岩におおわれている。いかにもアルペン的な堂々とした山である。振り返ると空木岳の眺めもすばらしい。空木岳の左奥には宝剣と木曽駒が小さく見えた。

赤椰山の山頂は東西に細長くて、巨岩の上を渡って行くのだが、これが踏み跡がはっきりしなくて悩んでしまう道だ。でも少し行くと土の道になって、頂稜部の西端に着く。そこで直角に左に曲がって、南駒へ続く尾根を急降下する。この尾根からは左に擂鉢窪避難小屋が見えた。行く手には南駒が大きく聳えているのだが、登山道は無情にもかなりの標高差を下ってしまう。鞍部に着くと、そこには小屋への指導標がたっていて、小屋まで15分と書かれていた。
急な登りが始まる。ハイマツの中、急な尾根を登って行くのだ。行く手には巨岩がいくつも突き立つピークが見える。大きな岩の間を登って行くと、下から見えていた岩塔は右から捲いてしまって、この上の稜線に立つ。ここから山頂が見え、祠があるのが見えた。砂礫の道を緩やかに登って南駒ケ岳山頂に立つ。7時半であった。
山頂には大きな岩があって、その前に祠がある。三角点は見当たらなかった。7年前に登ったときとまったく変わっていない。



 仙涯嶺から越百岳山頂へ
縦走路を行く


仙涯嶺への道


仙涯嶺の岩峰


ここが仙涯嶺山頂?


越百山への縦走路


越百山山頂


南駒ヶ岳山頂から少し下ると砂地の稜線歩きになる。でも、稜線には巨岩がいくつも聳えたっていて、この巨岩の間を行く縦走路である。南駒のとなりのピークに着くと、そこには「御料局三角点」があった。普通の三角点とは違うのだろうか。
このピークから縦走路は一変して、すさまじい岩場の下りになった。稜線から外れて、左に下る。砂地のザリザリの道を下って、緑の潅木の中に入る。潅木の中には砂地の溝があって、これをロープにすがって下る。下ったところはお花畑で、紫のトリカブトが大群落をつくっていた。
尾根を乗り越えて、急な岩尾根を鞍部に下る。白いザクザクの滑りやすい道だ。息つく暇もなく再び岩峰のピークに向かって険しい岩場を登る。岩峰の下を右に捲いて、それから岩峰の上に出る。巨岩がそそり立つ稜線をしばらく歩いて、もう一度鞍部に下る。ここからは巨岩の絶壁の右下を歩いて行く。この巨岩の絶壁は見上げるとため息がでるほどすさまじく大きい。この巨岩の絶壁の南端まで歩いて、そこから梯子や鎖で稜線に向かって登る。最後は岩の溝を登るのだが、ガラガラの岩屑の登りで足元が不安定ですごくきつかった。巨岩の稜線に登り着いてからは、いくつもの岩塔が突き立つ痩せた尾根を行く。
行く手に土の平坦地が見えてきた。そこには木柱が立っていたが、山名は書かれていない。ここが仙涯嶺の山頂だと思うのだが、この先には岩塔のピークがあって、ここよりも少し高いような気がする。この岩塔を右から回りこむと、その肩からは下りになっていた。さっきの木柱のピークが山頂で間違いないようだ。
こちらの下りは登りほどの急なものではなかった。助かった…。
岩の尾根を下って行く。道は砂礫で傾斜がきついので、すごく滑りやすい。行く手には越百山が聳えているのだが、そこまでは長い稜線が続き、途中にはいくつもの小さな岩峰のピークがある。尾根の両側はハイマツである。
岩峰はすべて捲いてしまうのだが、それでもアップダウンがあって、けっこう体力を消耗させられるのだ。
越百山とのほぼ中間にあるピークはきつかった。岩峰のピークは左に捲くのだが、潅木の中枝を掻き分けて行く。その後は砂礫の急下降である。疲れる。

いよいよ越百山の登りが迫る。広い尾根に砂礫の登山道が続く。
急な登りではあるが、予想していたよりはラクであった。鞍部から目指していたピークに登り着くと、これは山頂ではなくて、砂礫の広い尾根が左に延びている。これを緩やかに登って越百山山頂に着く。ちょうど10時であった。
山頂にはバカみたいに大きな標識がたっているのだが、文字は風化してほとんど消えていた。三角点もあった。木曽側の遥か下には越百小屋が見えた。
山頂で休憩しながら周りの景色を眺めていたら、私が目指す南の尾根を二人の登山者が下って行くのが見えた。私以外にも安平路山を目指す人がいるのかと、心強く思った。(でも、この先で誰にも会うことはなかったので、たぶんすぐ下の分岐から飯島町に下ったのだろうと思う。)



 南越百山を越えて奥念丈岳山頂へ
飯島町への下山路


南越百山山頂


モウレツな笹薮コギが始まる


笹藪の急斜面を下る


奥念丈岳との鞍部に着いた


奥念丈岳山頂


越百山山頂からは砂礫の広い尾根を下って行くが、すぐに稜線から外れて左の潅木の中に入る。トラバース道を行くと「中小川登山道経由飯島町へ」と書かれた分岐の指導標があった。
ここから道は藪コギになった。細い踏み跡がハイマツや笹藪の下に隠れている。藪を掻き分けながら進んで、尾根に向かって急登する。潅木が完全に道に覆いかぶさっていてジャマする。(でも、これはほんの序の口なのだ。)
稜線に出て、砂地の広い尾根を緩やかに登ると南越百山山頂に着く。巨岩が重なる中に大きなケルンがつくられていた。

山頂から砂礫の道を下るとすぐに笹薮の中に道は消える。細い踏み跡を見つけてこれをたどる。道は深い樹林の中に入って行き、針葉樹の下は一面の笹薮である。行く手に樹木に覆われたピークが見えてくる。急な笹原を下って、鞍部から登り返す。鞍部では藪が深さが増して踏み跡を探すのが大変だ。赤いテープがつけられているので、これを探しながら歩いて行く。笹の下に踏み跡があるのだが、時々道が消えてしまったりするのだ。
ようやくピークにたどり着くと、そこは白枯れた木がいくつも立っていて、林がまばらなので展望が開ける。地図で確認すると、私がいるのは越百山と奥念丈岳の中間にあるピークのようだ。
ここからは南に続く稜線が一望できる。今いるピークから稜線は左にカーブして行き、その先には崩落地を抱えたピークがある。これが目指す奥念丈岳らしい。そこから尾根は右に曲がっていくつかのピークが重なって、その一番奥に高く聳えているのが安平路山のようなのだ。いかにも遠い。本当に今日中に着けるのか心配になってしまった。(この心配は正しかった。)

針葉樹の疎林の中を急降下する。笹薮は益々深くて、掻き分けて踏み跡を確認しながら行く。すごい急降下で、笹につかまりながら必死で下る。樹林から抜け出すとガレ場の縁であった。右(木曽側)は越百川源頭大崩壊地で、赤茶けた谷が大きく落ち込んでいる。さらに笹の斜面を急降下して白い鞍部に着く。鞍部だけが笹薮のない裸地であった。ほっとする。
でも、鞍部からは再び深い笹薮に入る。緩やかな登りが続くが、時々道を失ってしまう。赤いリボンも所々にしかなくて、かすかな踏み跡が錯綜したりするものだから、間違った踏み跡に入り込んでしまうのだ。間違った道は少し行くと消えてしまって、立ち往生してしまうことになる。何度も道を失って引き返したりするものだから、時間はどんどん経って行く。
急な斜面を登って、ようやく小さな空き地がある奥念丈岳山頂に着いた。13時少し前であった。東側の展望が開けていて、山が見えるがなんという山なのかよくわからない。
長めの休憩をとって、気分をリフレッシュして安平路山を目指す。




藪に隠れている指導標


笹をかき分けて行く


ひたすら藪こぎ


笹に隠れて指導標があった


袴腰山から下る


松川乗越


浦川山山頂付近


ここが浦川山山頂?


霧の中、安平路へ登って行く


霧が出てきた


山頂直前でようやくはっきりした道になった


安平路山山頂


しばらく平坦な尾根を行くが、すぐに急な下りになった。あいかわらず深い笹薮の道で、慎重に踏み跡をたどって行くのだが、それでも迷ってしまう。樹林の中を行くので視界もきかず、どのへんを歩いているのかさっぱりわからないのだ。それに道がわからなくて引き返したりしていると焦ってしまい、ついペースを乱してしまう。疲れが倍化するのだ。
藪の中を急登して頂稜に着く。でも、この登りで道がわからなくなって、強引に笹を掻き分けて登ってきたので、本当の登山道がどこなのかよくわからない。平坦な頂稜の笹原を行くと、幸いはっきりした踏み跡に合流できた。ここが袴腰山だと思うのだが、山頂標識がないのではっきりしない。この頂稜で安平路山への指導標を見つけることができた。でも、指導標に従って歩いていったが道がなくなってしまって、けっこうウロウロしてしまった。ガイドブックにも「袴腰山付近は地形が複雑だ」と書いてある。「伊那側に曲がって、ダケカンバ帯を下ると松川乗越」と書いてあるので、磁石で方向を確認して慎重に踏み跡を探して歩いて行く。なんとか松川乗越に下ってゆく道を見つけて、針葉樹の林の中を急降下する。樹林を抜け出すと鞍部が見えたが、鞍部の真ん中に笹原の丘がひとつ横たわっていた。これも越えなければいけないかと思うと気が重くなってしまう。
笹につかまりながら急降下して鞍部に着くと、そこには安平路山への指導標があった。名前は書かれていないがここが松川乗越のようである。
下ってくる途中からは笹の中にしっかりした道が見えていたので、藪コギから開放されるのではないかと期待していたのだが、今までと変わらない深い笹薮の中の道であった。
ガイドブックには「松川乗越から安平路山までが、この山域でも特にヤブコギが強いられる部分」と書いてある。覚悟はしていたのだが、予想以上のとんでもない道になった。すさまじく急な登りのうえ、笹は背丈以上もあって、笹薮はくぐるようにして登って行く。ステッキはジャマなのでザックにくくりつけて、両手で笹をつかんで登って行くのだ。
ようやく傾斜が緩まったが、背の高い笹薮は続く。そして平坦な道になると踏み跡が錯綜するようになって、ついつい道を間違えてしまうのだ。緩やかな広い尾根を行くと、安平路山への標識があった。ここが浦川山なのだろうか。この前が小さな空き地になっているので、少し休憩した。
息を整えて、再び笹薮に挑戦。
深い笹薮の道が続き、あいかわらず道を何度も間違えた。道がなくなって焦って藪を掻き分けていったら、深い泥濘に足を突っ込んだりした。

緩やかなピークを二つほど越す。緩やかではあるが、ものすごくバテていて、ちょっとした登りでも息がきれるようになっていた。地図には小茂吉沢ノ頭というピークがあるのだが、どこだったのかよくわからなかった。長い稜線の道が続くのだが、この頃、深い霧に包まれてしまって、どのあたりを歩いているのかさっぱりわからなくなっている。
なかなか安平路山への登りが始まらない。時間がどんどん経過してゆく。
ようやく登りがきつくなった。樹林の中の急登になる。
腕時計の高度計で今いる標高を確認すると、山頂までの標高差は100mほどである。1時間もあったら山頂に着けるだろう。
一旦、傾斜が緩まると笹の丈が低くなって、掻き分けなくても歩けるようになった。深い笹薮帯を抜け出した…と喜んだが、すぐに深い笹薮になった。がっかり。
道は山の急斜面を右に捲いてゆくようになって、青いリボンのところから再び急登が始まる。ところが、すぐに道を失ってしまった。どこかで本当の道と合流しないかと右往左往したが、どうしても本当の道が判らない。引き返しても来た道を見つけられそうもないので、そのまま登って行くことにした。登りきったところに山頂があるはずである。めちゃくちゃに急な斜面を笹につかまって強引に登って行く。本当に山頂に着けるかどうか不安でいっぱいであった。傾斜が緩まって、樹林の中の笹を掻き分けながら歩いて行くと、しっかりした踏み跡に合流することができた。よかった…。
それから少し行くと山頂に着いた。樹林の中に小さな空き地があって、そこに指導標がたっている。左摺古木山・右奥念丈岳とあって、その真ん中に安平路山頂とかかれている。時間は
18時になっていた。
写真を撮ってすぐに下山。この道は一度歩いているので安心だ。笹の背丈もだいぶ低くなって、踏み跡はしっかりしている。霧が深いせいもあって暗くなるのが速い。尾根の右に沢の流れの音が聞こえる。水場は近いと思いながら、足を急がせる。暗くて道がよく見えなくなってきたのに、そのまま下り続けていたら、道がなくなってしまった。沢の音につられて、尾根を右にとってしまったのだ。ライトを出して、道を引き返す。5分ほど戻って正しい道を見つけた。
暗い中を下って行くと、左から水の流れる音が聞こえ始めた。道が平坦になった所で、木の幹に打ち付けた水場の標識を見つけた。ザックを置いて水汲みに向かう。
真っ暗な中、笹薮の斜面を下る。ライトに沢の流れが照らし出され、これが水場なのだ。ポリタン、折りたたみ水筒、ペットボトル、すべてに水を汲んだ。全部で5リッターである。水も確保したので、ようやく落ち着くことができた。あとは避難小屋に向かうだけである。
水場から小屋まではすぐだと思っていたのだが、行けど行けど小屋に着かない。深い笹薮の道が続く。笹の下まで光は届かないので、もう足の感覚だけで道をたどるしかなかった。20分ほど歩いて、緩やかな登りになる。もしかしたら、暗いので小屋を見逃してきてしまったのではないかと思ったりもする。引き返さなければいけないか…と思い始めたときに小屋の前に着いた。ほっとした。
小屋の戸を開けて入ると土間があって、その奥にまた戸がある。これを開けるときれいな床張りの部屋で、他に宿泊者はいなかった。
部屋の真ん中に銀シートを敷いて、エアマットを敷く。時間は19時になっている。空木岳を出発したのが530分だったから、今日は13時間以上歩いたことになる。疲れた。
小屋の窓からは飯田の街の灯りが見えた。


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