BACK 北岳から熊の平へ
2007年8月10日(金)
3時に目を覚まして、朝食の準備。…といっても、昨日残したご飯にお湯をかけてお茶漬けで食べるだけなのだが。3時半には朝食も終わってしまって、あとはパッキングである。
まず、シュラフを一番下に入れて、その上に食料を詰める。その上には、小物入れとポリタンとコッフェルを入れ、隙間に衣類を詰めて形を整える。これで、テントの中に残るのは銀シートとエアマットだけである。あとは外に出て、エアマットと銀シートをたたんで、ザックの横に取り付ける。最後はテントをたたんで、これをザックの一番上に入れてパッキングは終了だ。
テントの中でパッキングのほとんどを終えてしまうのは、雨の日に荷物を濡らさずに撤収するために有効なのだ。それにテント場に着いたとき雨であっても、ザックの一番上にテントがあるとザックの他の荷物を出す必要がないから、ほとんど荷物を濡らさずにテントが張れるのだ。
昨日はテント場に着くのが遅くなったので、今日は早立ちをして、15時頃にはテント場に着きたいと思っている。今日の標準歩行タイムは9時間である。重いザックを背負っているので10時間はかかると覚悟をしている。
出発は5時、樹林の中を緩やかに登って行く。ミヤマバイケイソウのお花畑があって、その向こうには大きなピークが見えた。すぐに登りは急になって、40分ほどで樹林から抜け出してそのピークの上にたつ。朝日を浴びた中央アルプスがすばらしくきれいである。そして、これから歩いて行く南に延びる尾根の向こうには、朝日で濃い陰影を刻む塩見岳がそびえている。今日の登山の一番の目玉はこの塩見岳なのだ。地図で確認すると、私が今たっているのが安倍荒倉岳のようである。
再び樹林の中に入って、長い稜線歩きが続く。緩やかなアップダウンが続き、所々でお花畑を見ることができる。ほとんど樹林の中の道が続き、視界が開けると岩峰のピークに着いた。行く手の塩見岳の展望がすばらしい。もう時間は6時20分になっていた。
この岩峰のピークの先には新蛇抜山があるのだが、登山道はこのピークは通らずに、左を捲いてしまうのだ。樹林の中を行き、新蛇抜山の向こう側の稜線に出る。きれいなお花畑を見ながら樹林の中を進むと、稜線から外れて右に下って行く。二重山稜になっていて、平坦地があった。そこには花が咲き誇っていた。周りの木々の中に、立ち枯れた白い樹が何本もたっていた。
お花畑の平坦地からはハイマツの中の急登になった。これはきつい登りだった。
ハイマツを掻き分けて、ようやくピークに着くとそこは砂地の広場になっていて、三角点もあった。すぐ目の前に、大きく塩見岳がそびえている。振り返ると歩いてきた緑の稜線とその奥には仙丈岳が聳えている。その右には間ノ岳と農鳥岳。東を見たら、雲海の上に富士山が頭を出していた。すばらしい眺めだ。
ここで、長めの休憩をしていたら、仙丈ヶ岳の下りであった、変な笠のおじいさんが登ってきて、さらに3人ほど登山者がやってきて、山頂は賑やかになった。
三角点のあるこのピークはどこなんだと地図で確認してみると、どうも北荒川岳のようである。西側は絶壁になっていて、登山道はこの崖に沿った尾根を塩見に向かって行くのだ。
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熊の平小屋
ミヤマバイケイソウの群落を行く
朝日のあたる稜線、行く手に塩見岳
新蛇抜山
樹林の中のお花畑
稜線から外れる
北荒川岳山頂
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