日本アルプス全山縦走 
北岳 3192m
中白峰 3053m
間ノ岳 3189m
三峰岳 2999m
両俣小屋→左俣大滝→中白峰沢の頭→北岳山頂→北岳山荘→中白峰→間ノ岳山頂→三峰岳→三国平→熊ノ平

左俣沢から中白根の頭への登りは本当にきつかった。でも、登りきった稜線からの眺めはそんな辛さを忘れさせてしまう。日本第二の高峰北岳から間ノ岳への縦走路の展望は最高!
北岳と北岳山荘

 両俣小屋から左俣大滝へ 1984年南アルプス縦走の記録

BACK 北沢峠から両俣小屋へ

2007年8月9日(木)

今日の行程は10時間もかかるので、早立ちをすることにした。
3時半ころに目を覚まして朝食をとって、それからテントの中で荷物をパッキングする。4時半ころには明るくなってきて、5時にテント撤収を終了。ザックの一番上にテントを収納して、銀シートとエアマットをザックの横にくくりつける。
テント場をあとにしたのは535分である。
昨日歩いて来た道を少し引き返すと、すぐに北岳への分岐がある。野呂川の流れに沿って歩いてゆくと、橋があって右岸に渡る。5分ほどで左の沢に入る。これが左俣沢である。私の前を女性二人、男性二人のパーティが歩いていて、この後ろを少し距離をおいて登って行く。左俣沢の道は何度か渡渉しなければいけなくて、道がはっきりしない。岩に赤いペンキで「ワタレ」と書いてあったり、古い木の梯子があったりする。一度、渡渉で足を滑らして流れに足を突っ込んでしまった。
次第に流れが狭まってくる。大きな岩を乗り越えたりして登って行き、函では高捲いたりするのだ。かなりきつい沢の登りが続く。
7時少し前、すごく高い所から細く流れ落ちる滝が見えてきた。すぐに指導標があって、そこが「中白峰沢の頭取付点」であった。ここから尾根に向かっての急登が始まるのだ。
私が着いたとき、先行していた4人のパーティが尾根に登って行った。(このパーティとはこの先何度も一緒になって、最後は三伏峠で酒を飲んだりすることになるのだ)
目の前に細く流れ落ちる滝が「左俣大滝」かと思っていたら、そうではなかった。取付点から少し沢を遡って、山襞を回りこむと、沢の流れが大きな滝となって流れ落ちているのが見えた。これが左俣大滝なのだ。
これからの急登に備えて、長めの休憩をとって息を整えた。


私のテント


野呂川を渡る


左俣沢の入り口


ワタレの表示


 中白峰沢ノ頭へ
左俣沢からの登り口


樹林の中の急登が続く


稜線への急登


稜線に出た


中白峰沢ノ頭の直下


取り付き点からはすさまじい登りが始まる。まず、ロープにすがって急登する。鬱蒼とした樹林の中の急登が続き、見上げると首が痛くなるほどの急坂である。所々にロープがあったり、朽ちかけた木の梯子がかかっていたりする。急斜面の道は足場が不安定で、慎重に登らなければいけない。
両手はフル稼働で、岩や木の根につかまりながら登ってゆく。急坂を
40分ほど登ると、ようやく登山道に日が射すようになって傾斜が少し緩まる。
樹林が途切れて展望できるところに出たので、ここで休憩。真向かいには岩峰のピークがそびえている。これが北岳だろうかと思ったが、中白峰だった。(これは後でわかった。)

樹林の中の急登が続く。広い斜面を登っていたのだが、次第に尾根の形がはっきりしてくると、傾斜も心なしか緩まったような気がする。対岸に見えていた岩峰がしだいに同じ高さになって、北岳ではないことがわかってくる。
取付点から2時間登ったところで、再びすさまじい急登になった。沢のような溝の中、ザラザラの道を登るのだ。大きな岩を乗り越えたりして登って行くものすごくきつい道であった。2時間も急登の連続でいいかげんバテていたのに、トドメを刺すようなようなすさまじい登りだ。でも、見上げると樹々に日があたって緑が輝いていて、その向こうには真っ青な空。なぜかひどく美しく感じた。
ようやく樹林から抜け出すと、すばらしい展望が広がった。登って行く方向には岩が累々とする高峰がそびえている。これが北岳だ。その北岳から右に稜線が延び、私が最初北岳と間違えた岩峰がそびえている。これが中白峰、その後ろにのぞいている鋭い三角峰が三峰岳である。三峰岳から延びる急な尾根が仙塩尾根だ。昨日、両俣小屋に下らずに直進していたらこの尾根を登ることになったのだ。この尾根のずうっと奥には塩見岳が見えた。すばらしい眺めだ。息をはずませながら、しばらくこの展望を眺めていた。
目の前にはさらに急な斜面が続いているのだが、登山道はハイマツの中を右にトラバースして稜線に出る。そこには先行している4人パーティがいて、私が着くと同時に北岳に向かって登っていった。
ここが中白峰沢の頭である。9時になっていた。
長めの休憩をとって、しばらく目の前に広がる山々を眺めていた。



 北岳山頂へ
北岳への稜線の道


合流点から北岳山頂への道


北岳山頂


北岳山頂


稜線を緩やかに登って行く。そうすると初めて稜線の左側を眺めることができて、大きくそびえる仙丈岳が見えた。昨日登った仙丈岳、延々と下った仙塩尾根が一望できる。感慨ひとしおである。
登って行くにつれて甲斐駒とそれに続く鋸岳も見えるようになって、遥か遠くには中央アルプスの山並みも望める。今日は快晴なのだ。
すばらしい展望の尾根を行くのだが、尾根の途中には岩が重なるコブが立ちはだかって、この岩峰を越すのはけっこうつらかった。ガラガラの岩礫の道を急登して行くと、隣の尾根には肩の小屋が意外なほど近くに見えた。
北岳から右に連なる稜線にある中白峰がずいぶん下になって、その奥にどっしりとした間ノ岳が見えるようになった。間ノ岳は本当に風格のある山だと思った。

尾根から左に回りこむと、ようやく稜線に着いた。そこから左に続く稜線の下には肩の小屋が見えた。北には仙丈岳、甲斐駒、アサヨ峰、鳳凰三山が一望できる。ずうっと眺めていたかったが、北岳山頂に急ぐことにする。
ガラガラの岩だらけの道を登って行くのだが、ここまでの急登の連続でメチャクチャにバテていて、つらい登りだった。岩礫の道をジグザグに急登して、ようやくピークに登り着く。でも残念ながら山頂ではない。その奥に登山者がたくさん立つ山頂が見えた。
少し下って、岩の稜線を緩やかに登って行く。道に咲くきれいな花を見ながら、一歩一歩山頂に向かって登って行く。緩やかな登りなのだが、すごくきつく感じた。
ようやく山頂に着いたのは11ちょうどであった。
北岳の山頂は細長くて、そこにたくさんの登山者が休憩していた。大きな看板のような山頂標識があって、その傍に三角点があった。この三角点も三等三角点だった。日本第二の高峰の三角点が三等かよ!と叫びたくなってしまう。
山頂からの展望で一番に目を引いたのが富士山である。意外な近さに富士山が聳えていてうれしくなってしまった。私は富士山が大好きなのだ。
ともかく360度のすばらしい展望が広がっている。なにも言うことはない。
45分も山頂にいて、大パノラマを堪能してから下山開始。



 中白峰山頂へ
八本歯のコルからの下り


北岳山荘


両俣小屋から登った尾根が見えた


中白峰山頂


北岳山頂からは急降下である。ザラザラの道をジグザグに下って行く。さすがに登山者は多くて、蟻のように連なっている。行く手の稜線鞍部には北岳山荘が見え、その向こうには堂々とした風格の間ノ岳が聳えている。すばらしい眺めだ。
私が
35年前に南アルプスを縦走したときは南から登ってきたのだが、そのときの間ノ岳の印象はうすくて北岳への通過点でしかなかった。でも、今こうして間ノ岳の雄姿を見ると、本当にすばらしい山だと思ってしまうのだ。再訪して本当によかったと思う。
急降下を続けて、八本歯のコルの分岐に着いた。稜線から左に急降下する道で、その先には岩場がつらなり梯子も見えた。昔、この道を通って北岳に登ったことを思い出した。
さらにジグザグの急降下は続く。次第に傾斜が緩やかになってくると、北岳山荘はすぐ目の前であった。登山道の横に鐘があって、そこから左に少し下ると小屋である。ここで休憩することにした。ここでも、両俣小屋から一緒だったパーティと合った。このパーティは男性よりも女性のほうが元気で、男性が渋るのを熊ノ平まで行くように励ましていた。
北岳山荘からは再び岩礫の登りになる。そんなにきつい登りではないのだが息が切れる。昔この道を歩いたときは快適な雲上のプロムナードといった感じだったのだが、とてもそんな風に感じる余裕はなくなっている。息を切らして登って、ようやくピークの直下に着く。
登山道はピークを捲いて続いているので、ここにザックを置いて山頂に向かった。山頂には白く風化した木柱があって、中白峰と書かれていた。
今朝、左俣沢からの登りで北岳と思いながら眺めていた岩峰に登り着いたのだ。
山頂から眺める北岳は鋭い三角峰であった。




 間ノ岳山頂へ
間ノ岳への道


間ノ岳山頂直下


間ノ岳山頂


中白峰からは痩せた岩尾根を緩やかに下る。険しい岩稜を通って、それから間ノ岳の登りになる。岩礫の道を登って行く。登りはかなりきつかった。ようやく鉄柱のたつピークに着いたが、山頂はまだまだ先なのだ。振り返ると、中白峰がすぐ下に見え、あまり距離を稼いでいないことがわかる。その奥には高く北岳が聳えていて、歩いてきた縦走路が一望できた。でも、熊ノ平まではまだまだ遠いのだ。がんばらなければいけない。
このピークから岩礫の斜面に道が続いていて、間ノ岳山頂まではあまり標高差はないようにも思える。ゆっくりと一歩一歩登って行き、ようやく傾斜が緩まると、山頂にたつ登山者が見えるようになった。山頂の左には岩塔が突き立っているのも見える。
間ノ岳山頂到着は1447分であった。登山者が5〜6人休憩していた。
間ノ岳から今日のキャンプ予定の熊の平までは3時間かかるのだ。この調子では順調に行って6時頃になりそうだ。山頂から眺める熊の平への稜線は長くて遠い。気がくじけそうになってしまう。
間ノ岳山頂も360度の展望で、振り返ると北岳がいかにも急峻な山に見える。南には農鳥岳の眺めがすばらしい。そして、その右奥には塩見岳が見える。景色をながめながらゆっくり休憩したいのだが、先を急がなくてはいけない。この山頂でも両俣からずうっと前後しながら来た4人のパーティと一緒になった。



 三峰岳から熊の平へ
間ノ岳から三峰岳への稜線


三峰岳山頂


三峰岳からの下り


傾が緩まった


三国平


間ノ岳からは岩礫の道をジグザグに急降下するのだが、途中ガレた悪場もあって、かなり緊張して下った。稜線の行く手には岩塔のピークが聳えている。これが三峰岳(みぶだけ)ある。痩せた稜線を歩いていると、後ろから大きな叫び声が聞こえた。あの4人パーティの男性の声だと思うのだが、滑落でもしたのかと心配してしまった。でも、しっかりした女性がついているから大丈夫だろうと先を急ぐ。
三峰岳の手前に分岐があった。ここから右に下ると仙丈ヶ岳に至る仙塩尾根なのだ。
岩場を登って三峰岳の山頂に立つ。間ノ岳が大きく聳えていて、その右にはアルペン的な姿で農鳥岳が聳えている。そして仙塩尾根の向こうにはカールを抱いた仙丈ヶ岳。行く手の尾根を目でたどると、ずうっと遠くに小さく山小屋が見えた。熊ノ平の山小屋で、あそこまで歩かなければいけないかと思ったら、どっと疲れが増してしまった。
ガラガラの岩の道を急降下する。岩礫の平地に着くと、それが三国平であった。ここから小屋までは30分である。もう大丈夫なので、靴を脱いで休憩。
三国平からはすぐに樹林の中に入って、急降下する。お花畑の広がる樹林の中の道である。井川越と思われる鞍部を過ぎてさらに行くと左にテント場があった。小屋はその先である。
小屋で手続きをしながらテント場のことを訊くと、小屋の先にもテン場があるという。水場も近いので、そこにテントを張った。
テントを張り終えて水汲みに行ったら、小屋の前のベンチに両俣小屋から一緒だったパーティの女性二人がいた。何度も追い越したり追い越されたりしてきたので、すっかり顔見知りになって、少し話をした。彼女らは北海道の苫小牧の山岳会に所属していて、その仲間と一緒に南アルプスにやってきたのだそうだ。男性陣が情けないとぼやいていた。このうちの若い女性は、他の3人は小屋泊まりなのに一人だけテント泊をしているのだという。しかも4人用のテントを背負ってきたのだそうだ。たくましい。


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