針ノ木峠→蓮華岳(2798m)→蓮華の大下り→北葛乗越→北葛岳(2551m)→七倉岳(2509m)→キャンプ場

針ノ木峠から蓮華岳へ。でもこの先の道はすさまじかった。蓮華の大下りという岩場の急下降が待っていたのだ。
針ノ木岳から望む蓮華岳

 針ノ木峠から蓮華岳山頂へ
登山道から針ノ木小屋を振り返る


蓮華岳を目指す


コマクサが咲いていた


蓮華岳山頂

BACK 種池から針ノ木岳


2005年8
31

夜はずうっと雨が降り続けていた。
4時半に起きて、朝食の準備。私は今回の山行には米を持ってきていて、朝晩、必ずご飯を炊くことにしている。他に主食とするものは持ってきていないのだ。
テントをたたんだら540分になった。小屋で水を1リットル買う。200円であった。今日1日の行動中はこの水ですますつもりである。次の水場は今夜テントを張る七倉にしかないのだ。
6時に出発。雨は止んでいる。
すぐに蓮華岳に向かっての急登が始まった。岩礫の急な登りが続き、ようやく傾斜が緩まると砂礫の道になった。広い稜線の向こうに小高いピークが見える。これが蓮華岳の山頂である。
この広い尾根はけっこう距離があった。登りが少し急になったところに若一王子神社奥宮の祠がたっていて、周辺はコマクサの群生地になっていた。
天気はよくない。本当の雨にはならないのだが、吹く風の中に小雨が混じっている。傘や雨具を着るほどでもないので、少し濡れながら歩いている。
振り返ると剣岳が見えて、山頂に雲がかかり始めていた。
蓮華岳山頂に着いたのは7時である。雨が強くなってきたので、すぐに下った。



 北葛岳へ
岩壁を急降下する


ようやく鞍部(北葛乗越)に着いた


北葛岳への登り


北葛岳山頂


蓮華岳山頂からは、右折する感じで下って行く。広い尾根なのだが、ザグザグの岩礫を急降下するのだ。急な下りだなぁ…と思っていたのだが、この先、さらにバージョンアップしてすさまじい急降下になった。
これはいったいナンナノダと思ってしまった。後立山連峰の天狗の大下りとか、槍から穂高の間の大キレットに劣らない険しさである。こんなところに、こんなとんでもないコースがあるとは…と絶句してしまう。私は知らなかったのだが、このコースは「蓮華の大下り」という有名な難所だったのだ。
鎖にすがって険しい岩場を下って行く。ようやく岩場が終わったと思ったら、今度はザクザクの岩礫の急斜面であった。油断すると砂礫の足下が崩れて滑落してしまいそうだ。ここにも鎖があったので、これにつかまって慎重に下る。ようやくコルが真下に見えたとこはホッとした。
コルに着いたのは8時である。ここは北葛乗越というのだ。
振り返って、下ってきたコースを見るとすさまじい。岩壁がほとんど垂直に聳えている。こんなところを下ってきたのかと改めて驚いてしまった。
空は晴れてきた。
北葛岳に向かって登り始める。急な登りではあるが、こちらは岩場はない。登るにつれて、蓮華の大下りの全容が見えてくる。つくづくすごい道だと思ってしまう。
登りはだんだんきつくなって、稜線に岩峰がコブをつくっている。この岩峰の間を抜けて、急登すると北葛岳山頂であった。
ここから蓮華岳を振り返ると、やっぱり蓮華の大下りの道がすごい。このコースはけっこうお勧めではないかと思う。
北葛岳山頂は細長くて、奥は這い松に覆われているのだが、踏み跡がある。もしかした三角点があるのではと思って、這い松を掻き分けて行ってみたが、何もなかった。



 七倉岳からキャンプ場へ
山頂から下る


七倉岳山頂が見えてきた


七倉岳山頂


キャンプ場へは長い梯子を下る


キャンプ場にテントを張った


北葛岳山頂からはザレた道をジグザグに下る。半ばから傾斜はさらにきつくなった。やがて道は潅木の中に入ったが、傾斜はますますきつく、まっさかさまという感じであった。木の枝につかまりながら慎重に下る。
昨日、針ノ木岳の山頂からこの縦走コースをみて、イヤな予感がしたが、まったくその通りであった。このコースはすさまじいアップダウンを繰り返すのだ。
コルの直前で長い木の梯子があった。この梯子を下って、やっと痩せた鞍部にたどりついた。ここで休憩。しかしこのコルからはすぐに岩場の急な登りになっていて、梯子も見える。
七倉岳への道は岩峰を越えて行く道であった。険しい岩場をいくつも通過して行かなければならない。しかも、アップダウンを何度も繰り返すのだ。
ようやく七倉岳山頂に着く。山頂は細長くて、平らになってからもかなり稜線を歩いてようやく山頂に着く。1045分であった。
さらにまっすぐに尾根を歩いて行くと分岐がある。まっすぐに行くと七倉小屋で、私の目指すキャンプ場は右である。V字型に曲がって、引き返す感じで山腹につけられた道を行く。平らな道から左折すると、一変して急な下りになる。こんな急な尾根にキャンプ場なんてあるんだろうかと心配になってくる。
すごく長い鉄の梯子があって、これを下るとキャンプ場があった。よかった。
テントを張り終わったのは
11時半である。早い。まだ歩ける時間だが、次のキャンプ場は烏帽子小屋で、そこまでは7時間もかかるから無理である。ここに泊まるしかないのだ。
まず、水汲みに行く。急な坂を下って、最後はザレた斜面に梯子がかかっていた。この梯子を下ったところに水場があった。ザレの急斜面に筒が差し込んであって、そこから勢いよく水が流れ出ている。飲んでみたらおいしかった。
この水場には往復で15分ほどかかる。
水も手に入って、ウィスキーの水割りを飲んでいたら気持ちがよくなって、いつのまにか眠ってしまった。
夕方4時頃、学生の登山グループ4人がテント場に着いて、にぎやかになったので目が覚めた。彼らはめちゃくちゃバテたといっていた。すごいアップダウンが続くのだそうだ。そして、その縦走路からは、ずうっと私のテントが見えていたと言っていた。

10時頃にまた目が覚めた。外に出ると満天の星空で、息をのむほどの美しさであった。1時間ほど、星を見ながら酒を飲んでいた。


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