こまがたけ

標高 1133m
駒ガ岳は私にとってはなじみの山だ。
中学の修学旅行以来、印象に残ってた山で、早く登りたかったのだが…。しかし、釧路からは遠すぎる。
大沼からの駒ガ岳

駒ケ岳に登ることにした。

私の通った中学校の修学旅行は北海道の道南で、そのとき初めて駒ケ岳を見た。

函館から少し北上すると、大沼国定公園がある。

この大沼にはたくさんの島が浮かんでいて、その景観は松島のようである。この、小さな島々を浮かべた大沼の向こうに、駒ヶ岳がそびえていた。

この山の形は一種独特であって、私には海の波が頭をもたげているように見える。

釧路からこの駒ケ岳までは凄まじく遠い。

土曜日で休みの日だったが、午前中は会社で仕事をして、昼の1時頃に釧路を出発した。
登山よりもこの車で走った時間のほうが大変だった。走行距離で600kmほどある。

まず、釧路から太平洋岸沿いに走って、襟裳岬まで行く。

襟裳からはサラブレットの牧場が続く日高を抜けて、苫小牧、室蘭。

もう、このあたりでは真っ暗になって、さらに走りつづけて、大沼国定公園に着いたのは深夜の3時半であった。
釧路から14時間以上走ってきたことになる。
車の中で仮眠した。


1992年9月27日
朝、明るくなってからさっそく登山口に向かう。

ところが、この登山口がよくわからなかった。

新しくできたと思われる別荘地の中に入り込んでしまったのだ。別荘地のなかは道が入り組んでいて、どの道を行ったら登山口にいけるのかまったくわからない。

別荘地が造成される前は、当然家なんか建ってないのだから、わかりやすい山道が1本続いているだけだったんだろうけど、今は細い路地がいっぱいある。道路地図を見てもこの別荘地は登載されていないから迷いに迷ってしまった。
それでもなんとか、カンだけで登山口にたどり着いた。

ここからは、駒が岳の山腹にまっすぐに続く登山道がよく見えて、山頂まではずいぶん近いように思える。

駒ケ岳は、大きな台形があって、その上の左隅に小さな三角が乗っかってるという形をしている。

その台形の稜線を馬の背というのだが、ここまでに要した時間は1時間45分であった。たくさんの人が登ってきていて、食事をしたりしていた。
ここで驚いた。この馬の背に「駒ガ岳山頂」の標識が立っているのだ。火山活動のため、これ以上の進入を禁止していて、ここを山頂ということにしているらしい。駒ケ岳が今も活動を続ける火山だったとは、ここに来るまで知らなかった。

馬の背からは広大な火口原が広がっていて、その向こうに鋭い三角形でそびえる山頂が見えた。これが最高峰の剣が峰だ。

しかし、そこに向かう道にはロープが張ってあって、進入禁止の標識も立てられている。

剣が峰登頂はあきらめるしかないんだろうか。
だけど、わずか2時間足らずの登りのために、わざわざ釧路から14時間もかけてやってきたのかと思うと悔しいではないか。

剣が峰山頂まで行くことにした。(いけないことなんだけど…)

広い火口原を行くと、大地が裂けていて、その亀裂が長く伸びているのに出会った。

深さが数メートルある。怖さを感じた。

この亀裂に沿って歩いていくと、幅が狭くなって飛び越せるところがあったので、跳んで渡った。

山頂の基部に行き着くと、涸れた沢のような個所があって、ここが山頂への登り口である。

大きな岩が累々としていて、それを越えて登っていく。

稜線に出たら、険しい岩場になっていた。

慎重に登って行ったが、大きな岩の上に出て、それ以上進めなくなってしまった。

ピークに行き着くためには、ほとんど断崖みたいなところを降りなければいけない。

困ったなと思って、ふと横の下を見ると登山道がある。

道は、稜線から離れていったん下らなければいけなかったのだ。

ようやく、山頂の標識のあるところまでたどり着いた。

ここにはさらに、鋭い岩塔が突き立っていて、そこに至るためのロープが下がっていた。

これは、怖いので止めた。

山頂からは大きな噴火口が見えて、そこからは激しく噴煙が湧きあがっている。ちょっと恐ろしさを感じた。

ここから見る大沼の景色は、本当に小さな箱庭のようで、すばらしくきれいだ。剣が峰山頂までの岩場は恐かったけど、十分登ってきたかいがあったというものである。。

登山口に帰り着いたのは10時10分。
登山に要した時間はわずか3時間ばかりであった。
しかし、私にはこれから14時間の長時間ドライブが待っているのだ。



登山口駐車場


登るにつれてピークが険しく見える


馬の背。ここが山頂と書かれていた


駒ガ岳最高峰の剣が峰


広がる火口原。亀裂が右に見える


剣が峰直下。これを登る


剣が峰山頂。左の岩柱に登るのは止めた


火口原に続く亀裂




ブロッケンが見れた

大沼

山頂から見た火口

煙を吐きつづけている

火口から亀裂が続く


校正 2009/10/6



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