標高1879m
登山口→10分→七の沢出合→2:00→八の沢出合→3:40→八の沢カール→1:20→カムイエク山頂→50分→八の沢カール→2:40→八の沢出合→2:00→登山口

この山行では一度に3つの季節を味わうことになった。
まず、夏の沢登りで八の沢を遡行し、八の沢カールではすばらしい秋の紅葉の中で野営した。そして最後の山頂は冬の雪山であった。
八の沢カールの朝

1992年9月19日

カムイエクウチカウシ岳。長い名前の山である。

この日高の山については、登りたいと思いながらも躊躇しつづけてきた。

まず、この山には登山道がない。沢を遡るしかないのだ。それも急峻な沢である。
北海道新聞社が発行している「北海道、夏山ガイド」には、このカムイエクのコース紹介は載っていない。つまり、一般向きではないということだ。

そして、何よりも熊が怖かった。

かつてこの山では九州のワンゲル部員が3人、ヒグマに食い殺されるという悲惨な事故があったのだ。

それやこれやでグズグズしていたのだが、9月になって北海道ではもう雪の便りが聞かれるようになってきた。今年中に登れないかも知れないと思ったら、やもたてもたまらず、勇気を奮って出かけることにした。

日高の山は、西側の静内方面から入ることが多いのだが、今回は帯広側から入山する。

釧路から太平洋岸を走って浦幌に至り、ここから国道を離れて、中札内に向かう。

中札内から日高山脈に向かって伸びる林道に入る。川沿いの道で、流れているのは札内川だ。

この川の上流ではいくつもの沢が流れ込んできていて、その中の八の沢がカムイエクに至る登山道になる。

林道は七の沢出会いで行き止まり。

ここに車を置いて歩き始めた。

今回は、山の上で野営をしなければいけない。当然、荷物は重くなる。重荷で急峻な沢登りはきついので、テントは一番軽いシェルター型にした。

登山口からはすぐに河原にに出て、その河原を歩いていく。途中、適当に渡渉をしなければいけない。

沢登りというのは、歩くコースは自分の判断で決めていくのだ。

この札内川の本流を遡って、1時間半ほどで八の沢出会いに着くのだが、途中にいくつか沢が流れ込んできていて、どれが八の沢か判断ができない。

登山道といっても踏み跡程度のものなのだから、当然、指導標なんか立っていない。赤いテープがあったらそれが目印である。

最初、中の沢に入り込んでしまった。すぐにおかしいのに気がついて引き返した。

なんとか八の沢に入れて、渡渉を繰り返しながら登っていく。ここまではそんなに大変なところはなかった。

しかし、三股からはとんでもない様相になってきた。大きな滝が落ち込んできていて、この巻き道を攀じ登る。

このあたりからは滝の連続で、すべて巻き道があるのだが、私にとってはすさまじく緊張を強いられる登りだった。

やっとの思いで八の沢カールにたどり着いた。15時であった。

カールは紅葉真っ盛りで、すばらしくきれいであった。

ここにテントを張るのは自分一人かと思っていたら、テントが1つ張られていた。

ほっとした。

熊がでるというこのカールで、たった一人で野営するのはものすごく心細かったのだ。
その晩はかなり遅くまでラジオをつけっ放しだった。もちろん、もう一つのテントからもラジオの声が聞こえていた。お互い、熊が怖いのは同じだ。


9月20日

朝、テントの外に出てみると、雪が少し積もっていた。カール壁の上部は雲がかかっていた。その雲が朝焼けで赤く染まっている。
すばらしく美しい。来てよかった。
手早く朝食を済ませて、山頂を目指す。急なカールの壁を登っていくことになる。

山頂には雲がかかていた。展望は得られそうもない。

稜線に出ると、そこは冬の世界だった。

山肌は白い雪に覆われて、本当に冬山だった。

この山行では3つの季節を一度に味わうことになった。まず、夏山の沢登りでカールまでやって来て、そこですばらしい秋の紅葉を楽しんで、そして最後は雪山になってしまったのだ。得したというべきだろうか。

雪を踏みながら、カールの縁の稜線を行く。

カムイエクの山頂に立ったのは7時40分であった。

山頂には小さな赤いトタン板にカムイエクを書いた標識があった。三角点の柱が立っていたがそこには札内岳とかいてあった。

もしかしたら、ここはカムイエクの山頂ではないのかとも思ったが、三角点があるのだから間違いないだろう。記念写真を撮った。

寒いし、霧の中でもあるのですぐに下山を始めた。

稜線を降りて行く途中、雲が切れて、カールに張ってきた自分のテントが小さく見えた。

テントを撤収して下山。
ともかく、熊が怖いので大急ぎ。
下りはけっこう大変だった。登ってきた道を引き返すのだが、下りのほうが何倍も緊張させられる個所が多かった。

登山口に帰り着いたのは3時15分。

そこで、カールで一緒にテントを張った人がいて、話をするとヒグマに会ったという。

八の沢を下ってくる途中で、沢の対岸を熊が歩いていたのだそうだ。

私は気がつかなかったのだが、もしかしたら熊と出くわす可能性があったわけだ。

ぞうっとした。



いよいよカムイエクに登る


札内川から八の沢に入る


八の沢を行く。完全に沢登り


次第に険しくなる。滝が続く


滝を越えていく


ちょっと休憩、険しい遡上が続く


こんな道が続く


八の沢を振り返る


滝に沿って登っていく


八の沢を振り返る



沢の最後はこんな道


ようやく八の沢カールに着いた


八の沢カールの朝


八の沢カールの朝


雪が降っていた


カールから稜線に。そこは雪山


山頂標識


山頂の三角点


稜線から八の沢を見下ろす。


小さく青いのが私のテント


カールに下りてきた。


登山口の車に戻ったのは3時15分。





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