ひめかみやま

標高 1125m
一本杉登山口→25分→730m地点→30分→8合目→40分→姫神山山頂

渋民村の東にそびえるこの姫神山は、石川啄木の故郷の山である。端正な三角形をしていて、山頂からは岩手山の眺めがすばらしい。
山麓から姫神山


姫神山といえば石川啄木である。
私は釧路に3年住んでいたのだが、啄木は釧路新聞社に勤めていた期間がある。ただし、わずか数ヶ月くらいであった。釧路港が見渡せる丘の上には、啄木の歌碑が立っている。
そんなささいな共通点もあって、啄木は好きな歌人である。

ふるさとの山に向かひて言うことなし
      ふるさとの山はありがたきかな


という啄木の有名な句があるが、この中の「ふるさとの山」というのは岩手山ではなくて「姫神山」だという説がある。たしかに、啄木の故郷、渋民村は姫神山の山麓にあるのだ。
東北自動車道を走ると、岩手山の反対の東側に端整な三角形をして長く裾をひいた山が見えてくる。これが姫神山で、いつか登らなければと思いながらも、なかなか機会がなかった。
たまたま、啄木の詩集を読んでいて、突然姫神山の登山を思い立った。
青森に住んでいたときのことである。
まったく余談だが、谷村新司の歌には、一部、啄木の歌集から引用されているのを知ってるだろうか。


1995年9月2日

青森から東北自動車道にのって、西根ICでおりる。ここからしばらく走って4号線にでる。
渋民のあたりから山に向かっていくのだが、道がわかりにくかった。姫神山の山麓は牧場のような草原が広がっていて、その中を細い道が通っている。いろいろ枝道があって、どの道が登山口へ続くのかわからなくて苦労した。
今回の登山は一本杉コースという登山道を登った。

出発は9時。
登山口はキャンプ場になっている。ここのキャンプ場は管理人もいないようで、今のアウトドアブームでつくられる設備が整いすぎたものとはだいぶ違う。
ともかく、これを抜けてしばらく急な道を行くと、大きな杉の木があった。そのすぐそばに水が湧いている。チョロチョロではなくて、まさしくこんこんと湧いているのだ。これが一本杉清水であった。
ここを過ぎると、待っているのがざんげ坂という急な道で、途中には合目を示す木の柱が立っている。
疲れてくると、この指導標がけっこう励みになる。
五合目9時半、頂上には10時20分頃に着くことができた。
頂上付近になると、岩が累々と重なっていて、下から見た感じとはまったく違う。
姫神山はきれいな三角形で、それが緑で包まれている。こんな岩場があるなんて想像すらできなかった。
頂上には、石の祠と石仏が並んでいた。
山頂から見る岩手山の展望を期待していたのだが、山頂部は雲に覆われていた。山麓を見下ろすと、牧場のような美しい緑の草原が広がっている。
天気もよくて、山頂でのんびりと食事をして、来た道を引き返した。

登山口に戻ったのは10時50分。
このあと、渋民で啄木ゆかりの学校とか、北上川河畔の公園で啄木の歌碑を見たりした。
啄木にどっぷり浸かった一日であった。


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登山口駐車場


登山口


5合目


8合目


頂上まで500m地点


姫神山山頂


山頂の祠






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