ちょうかいさん

標高 2237m

7月の仕事の超多忙期が終わったので、登山に出かけた。
今回は鳥海山と月山に登ろうと思っている。

お花畑から鳥海山

1994年7月29日(金)

仕事を無理やりに6時に終わらせて社宅に帰り、登山の準備をした。19時に社宅を出発。
東北自動車道で盛岡へ。ここから一般道におりて田沢湖に向かう。46号線で角館まで行って、そこから西仙北町に至る細い道に入る。そこからまたさらに細い道に入って神岡町、南外村と通過していく。これで105号線に出た。
今、こうして地図を見ていると、素直に大曲経由で行ったほうがラクだったのではないかと思ったりする。
本荘市のあたりで、夜食に焼肉を食べて、近くの酒屋さんで酒の買出しをして、準備万端、鳥海山に向かった。
鳥海山に至るブルーラインは象潟から入る。登山口の鉾立に着いたのは深夜12時少し前であった。
ブルーラインは有料道路なのだが、ゲートの灯は消えていて、どうぞお通りくださいとなっている。儲かった。
鉾立の駐車場には車が2〜3台停まっていて、5・6人で酒を飲んでいるグループもあった。
車の横にテントを張ろうとしたら、なんとポールが入っていない。トランクの中を確認したはずなのに、ペグの袋と間違えていたのだ。仕方がないので、テントはあきらめて、シートを広げてその上に座って缶ビールを飲んだ。
もう一つ失敗があって、ナイフと乾電池がない。ナイフは五徳ナイフで、これに付いている缶切りがないとせっかく持ってきた桃の缶詰が食えない。
今回はちょっとミスが多い、反省。
酒を飲んでいるうちにだんだん横着になってきて、寝転んでしまう。見上げると頭上は満天の星だった。明るい下弦の月も出ていたが、それでも天の川までよく見える。
完全に寝そべって、腕枕で夜空を見ていると、まるで吸い込まれるよう。
流れ星がシャーと空を横切る。本当に宇宙と対峙しているようなのだ。
星を相手にビールのロング缶を2本空けて、それから車の助手席で寝た。

7月30日(土)
朝、4時半くらいに目を覚ました。いい天気である。
日本海の海岸線がきれいに見える。そして北のほうには男鹿半島が横たわっている。さらに正面の海の中には飛島が見える。
パン食で軽い朝食をとって、元気に出発。5時半である。
出発してすぐのところに展望台があって、ここから山と海がきれいに見えた。
よく整備された石畳の道が続く。
御浜には7時20分に到着。ここはお花畑がすばらしくきれいであった。そして、下には鳥海湖が見える。さらに行く手には新山の岩峰が険しい姿を見せている。ただ残念なのは、鳥海山頂には雲がかかり始めていることだ。すごい速さで雲が流れて行く。
山頂直下の神社に着いたのは9時40分であった。
この頃になるとすごいガスになって、ほとんど雨と同じであった。風も強くなって、けっこう厳しい。
御浜からは学生山岳部の一行とほぼ同じ行程で歩くことになって、彼らは大きな声で歌いながら歩いていた。一人づつ順番に歌って、それに皆が囃しを入れる。ともかく賑やかだ。歌いながら歩くというのはとんでもなくきついのだが、まあ、これもトレーニングなのだろう。
頂上直下の神社では長めの休憩をとって、それから山頂を目指した。
山頂への道は本当に厳しかった。大きな岩が累々としていて、岩登りみたいであった。途中、大きな岩のキレットがあったりして、素人はびっくりするのではないかと思う。
ともかく、山頂は大きな岩が重なる、とんでもなく急峻なところだった。10時10分に到着。
山頂でビールをあけた。
ところが、炎天下を歩いてきたものだから、ビルが温くなっていて、まずい。やっぱり、ビールはよく冷えていてこそうまいんだということがよくわかった。半分は捨てた。
山頂はガスの中だったが、時々明るくなる。下山しかけたら空が晴れてきて、青空が見えた。下界の景色は見えないが、まるで飛行機に乗っているようだった。
10時25分、下山開始。
七高山の登り口を探したが、ガスで何も見えない。あきらめた。
外輪山をたどり、行者岳のあたりから「あざみ坂」を下る。これが「湯の台コース」だ。
この分岐には11時50分到着。
この頃から空が晴れてきた。明るい陽に照らされて、流れる雲が輝いて見える。山は雲の中なのだが、下は晴れているのだ。
このあたりのお花畑もきれいで、緑がきらめいている。時々、緑の中にニッコウキスゲの黄色い花も見えて、本当にきれいであった。

川原宿小屋の前を右に折れて、千畳ケ原に向かうことになるのだが、この川原宿へ下る途中が「心字雪渓」で、これを通過するのはけっこうきつかった。ガスで何も見えなくて、どう下って行くのか、道がよくわからない。
ともかく、まず上の雪渓は横切ってしまった。雪渓沿いの踏み跡をたどって行き、下の雪渓は雪渓の端を歩いて行った。雪渓が終わる寸前にガスが晴れて、終点が見えた。これが確認できてはじめて雪渓の真中を歩くことができた。今回持ってきたストックが本当に役に立った。

川原宿からの道でようやく緊張がとけた。空は晴れて青空が広がり、鳥海山のゆったりとした、まるで大雪山のように雄大な山並と、鮮やかな白さの雪渓。紫、白、黄色などの高山植物のお花畑。ともかくきれいだ。鳥海山はいいなあと心の底から思ってしまう。
川原宿を1時20分に出て、それからのんびり景色を楽しみながら歩いていたのだが、岩の重なる涸れた沢を下るあたりからそろそろ疲れてきた。
鳥海湖のほとりに着いたのは3時半。
鳥海湖からの道は不明瞭で、踏み跡をたどって御浜小屋へ。そして、そこから鉾立へ。
登山口にたどり着いたのは5時少し前であった。
御浜からの道は、本当に長く感じた。足がなんか、ガタガタになってしまったみたい。
最近は行程5時間くらいの山ばかり登っていたので、足がなまっていたみたいだ。久しぶりに9時間の長い行程を歩くとこのざまだ。体力が落ちている。反省。
鉾立では大休憩。冷たいコーラを飲んで、食事もした。
それから車の中で仮眠して、8時に駐車場を出発した。
明日は月山に登るのだ。



NEXT 月山
2012年祓川からの登山記録


登山口から日本海


登山口駐車場


鉾立展望台から


御浜


御浜から日本海


山頂に雲がかかり始めた





鳥海山新山山頂


山頂


雲が流れる。飛行機の上みたい


展望が開けてくる


鳥海山のお花畑


















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