BACK 大山
1994年9月6日(火)
真夜中、目が覚めたら雨である。まあいいや、と、また寝てしまったのだが、4時ころ、激しい雨の音でまた目を覚ました。明かりを点けてみると見ると、テントが雨漏りし始めている。昨夜、テントを設営したときに手抜きをして、フライシートを張ってなかったのだ。手抜きをしたときに限ってこんなことになる。
しかたがないので、暗い雨の中、外へ出て、フライシートを張った。それでもしばらく雨漏りは続いた。
6時半頃、雨の中でテントを撤収する。今日も睡眠不足だ〜。
霧島山最高峰の韓国岳(1700m)の登山口は硫黄山という。北海道の川湯硫黄山みたいなところである。噴煙が上がっているのが見える。
今日は完全な防水体制。GOATEXの上下の雨具を着込んで、足元にはスパッツまでつけてしまった。
霧島山の山頂へはたいした苦労もなく登れた。登山所用時間はわずか1時間ほどである。
山頂からは霧で何も見えなかった。ガイドの写真を見るとすばらしい景観が広がっているはずなのだ。
それでも、九州最初の山に登ったことに満足して下山した。
8:20
登頂開始、9:30 韓国岳頂上、10:20 下山。
雨でグショグショになってしまったので、温泉に行くことにした。近くに町営露天風呂というのがあって、200円である。
入口でぬるいですヨといわれた。入ってみると確かにぬるい。それでも 38゚C あるのだから体が冷えてくるわけでもない。
「ぬるま湯のような生活」とかいう言葉があるけど、ぬるま湯というのはまさしくそれで、いつまででも、ボケ〜として湯に浸かっておれる。
ゴクラク……。
本当のぬるま湯に浸って、空をボンヤリ見ていたら、どんどん雲が晴れてきて、青空が広がって来る。雨のなかを無理して登ったあれはいったい何だったのだと思ってしまった。
車で霧島神社に向かう途中、高千穂河原というところに立ち寄った。ここにあるビジターセンターを覗いていたら、この高千穂河原が高千穂峰(1574m)の登山口であることがわかった。
この高千穂峰はいわゆる「天孫降臨」の地で、天照大神の命をうけたニニギノミコトが、高天が原から天下ったのがこの高千穂峰なのだ。
これはやはり、何としても登らなければならない。
天気もよくなってきたし、大急ぎで支度をして出発した。
最初は林の中を歩いていくが、すぐに火山特有のガレ場になって、傾斜はかなりきつい。稜線に登り着いたと思ったら、そこには大きな火口があった。これをお鉢というのだそうだ。
せっかく稜線に出たとおもったら、天気が悪くなってきて、山頂部を雲が覆い始めた。風も強くなって、小雨がぱらつき始めた。
お鉢を半周して、最後に頂上への急な斜面を登る。まったくのガスのなかで展望も何もきかない。
頂上には登山口のビジターセンターにレプリカとして展示されていた「天の逆鉾」がたっている。なるほど、ここが天孫降臨の地かと、けっこう感動してしまった。
頂上は強い風と霧の中であった。、それでも時々雲が切れて、下界がきれいに見える瞬間もある。下界は晴れてるみたいだ。
下山しはじめて、お鉢を下る頃になったら青空がどんどん広がりはじめた。下山し終わって、高千穂河原に着いたときはきれいに晴れ上がってしまった。
-----オレは雨男なのか。
12:30
登頂開始、13:50 頂上、15:00 下山
霧島神社にお参りしてから、高千穂に向かう。ちょっとややこしいのだが、九州には「高千穂」がふたつあるのだ。そして、こちらも「天孫降臨」の地とする説がある。
須木村、西米良村、椎葉村、五ヶ瀬町と通って高千穂にたどり着いた。
この間、国道265号線を走ったのだが、とんでもない道で、車1台がやっと通れる道幅。対向車が来ると、バックしたり、待ったり。切り立った崖で凄まじく曲がりくねっていて、とんでもなく時間がかかってしまった。
しかし、驚くべきことにこの道は「国道」なのである。
高千穂に着いたのは夜の10時で、駐車場にテントを張って寝た。
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