ごりゅうだけ 2814m

かしまやりがたけ 2889m
五竜山荘→1:00→五竜岳山頂→3:00→八峰キレット→1:15→鹿島槍北峰→45分→鹿島槍ヶ岳山頂→1:00→冷池山荘

五龍から八峰キレットを越える。この岩稜の縦走はともかくすごいとしかいいようがない。
五龍岳

後立山縦走の想い出
 五龍岳山頂へ
五龍山荘のテント場


五竜山荘


テント場を振り返る


槍ヶ岳が見えた


五龍岳山頂


五龍岳山頂

BACK 唐松岳


2002年923

今日は天気予報では晴れ時々曇りのはずである。
山の上の天気のことなので曇りでもしかたがないと思っていたのだが、テントから出てみると五龍岳がすぐ間近に見えた。
空は白い雲で覆われているのだが、それは高いところにあって展望は開けているのだ。
谷の向こうには立山と剣が見える。
この天気が八峰キレットを越えるまで続いて欲しいと祈ってしまう。
テントを畳んで出発したのは6時半であった。
五龍の登山道には、たくさんの登山者が取り付いているのが見える。
多くの人は五龍岳を往復して、遠見尾根からを下るようだ。だから空身の登山者がけっこう多くて、それもおじさん・おばさんが圧倒的に多い。自分もそのおじさんの一人なのだが、彼らの異様なまでの元気さには負けてしまう。
山頂までの登山道はけっこう岩場が多い。これを越えて行く。
予定通り1時間で五龍岳山頂に着いた。
山頂も登山者がいっぱいで、頂上の指導標の前には記念写真を撮る人が行列をしていた。私も並んで、写真を撮ってもらった。
山頂からの景色は、ともかくすばらしいとしか言いようがない。
行く手には二つの頂きを持つ鹿島槍がすっくと聳えている。その稜線を眼でたどると、すさまじい岩稜となってこの五龍まで続いている。これが八峰キレットの道である。
これからこの道を辿るんだと思うと、けっこう緊張してしまう。
昔、初めてこの道を歩いたときは、山の本当の初心者で、ただひたすら恐かったのを覚えている。あれから25年たった。少しは余裕を持ってこの道を歩けるだろうか。
眼を谷の向こうに移すと、そこには立山連峰が聳えている。その稜線を右にたどると、ひときわ目立つ岩稜の山がある。剣岳である。すごいと思ってしまう。剣とこの五龍の間の谷が黒部峡谷である。
登ってきた道を振り返ると、五龍山荘が小さく見えて、その向こうに昨日登った唐松岳が見える。でもそれはずいぶん低い山に見えて、その上には白馬三山がかぶさるように聳えているのだ。
東に眼をやると遥か向こうに、小さく富士山も見えた。私は富士山が好きで、いろんな山の頂きから富士山が見えるとうれしくなってしまうのだ。



 八峰キレットを越えて鹿島槍北峰へ
五竜岳山頂からみる八峰キレットの道


八峰キレットに向かう


五龍岳を振り返る


八峰へ下って行く


キレット小屋から剣岳を展望する


八峰キレットへの道


鹿島槍北峰山頂


今日は9時間ほど歩かなければいけない。
そして、午後からは天気が崩れそうなので、出来るだけ早く八峰キレットを越えたいと思っている。山頂から下り始める。
ともかく、ここからが本当にすごい道が始まるのだ。
まず、急な下りである。傾斜がどんどんきつくなっていく。滑りやすいザレた道で、かなり慎重に足を運ぶ必要がある。落石を起こさないようにもしなければいけない。
途中、所々で険しい岩場があったりする。
このコースが、距離のわりには3時間もかかる意味がよくわかる。
ようやくの思いで下に降り着いて、振り返るとすごい岩場の下りだったのがわかる。
少し息をつくが、平らな道はごく短くて、再び痩せた岩稜の道になる。
小さな岩場のピークが次々と現れる。雲が信州側から湧き上がってきて、それが稜線を越えて流れていく。その雲の流れは岩峰の向こうのキレットを越えているようだ。
まだたくさんの岩場を越えなければいけないようだ。
1時間半ほど歩いて、一つのピークに登り着いた。
この向こうが八峰キレットのつもりでいたら、とんでもなくて、ようやく半分を消化しただけであった。まだ北尾根の頭だった。
険しい岩場が続く。ともかく、目の前に現れる岩場を夢中で越えるだけである。
ようやく八峰キレット小屋に着いた。
岩場の鞍部いっぱいに小屋が建っている。ずいぶん新しい小屋で、私が昔来た時は小さなもっとみすぼらしい小屋だったと覚えているのだが。
この小屋の正面に剣岳が見える。剣山頂から大きな雪渓が伸びている。
小屋から再び岩場の道を登る。岩峰を越えて下るとすぐに八峰キレットである。
梯子で下る。ここは本当に細い岩の裂け目のようなところで、この裂け目が大きく下に落ち込んでいて、断崖になっている。すごいところである。
八峰キレットを過ぎると、今度は険しい岩場の登りになる。
登りになったらラクな尾根道になるんではないかと思っていたのだが、とんでもなくて、いくつもの岩場を越えて登って行くのだ。
行く手には鹿島槍が大きく聳えている。その険しい岩場の尾根を登って行くのだ。鹿島槍というのは、遠くから見ると双耳峰のたおやかな山に見えるのだが、実際はすさまじい岩稜の山なのだ。
この急な登りでバテて来た頃に、ようやく吊尾根の稜線が見えてきて、そこに指導標が立っているのが見えた。
時々、雲が流れて山頂を隠す。天気は下り坂だ。
吊尾根に着くまでの最後の登りは、けっこうきつかった。ゴールは見えているのに、なかなか辿りつけない。
ようやく稜線に登りついたのは2時。時間を少し短縮できた。
南峰がすぐ傍に聳えている。すさまじく急な道が山頂に向かって続いている。この吊尾根まで登ったらあとはラクな稜線の道と思っていたのに…。
この分岐にザックを置いて、北峰を往復した。
北峰はこの分岐から近い。10分もかからずに山頂に着いた。
山頂から八峰キレットの道を振り返る。我ながらすごい道を登ってきたものだと、感心してしまう。
北峰からは、すぐ隣に聳える南峰がすごい迫力である。
山頂に至る登山道を眼で追ってみると、すさまじく急峻な道で、ここまででかなりの体力を消耗している自分にはけっこうつらい。



 鹿島槍ヶ岳山頂から布引岳へ
南峰に向かって登る


鹿島槍南峰山頂


鹿島槍ヶ岳山頂(南峰)


布引山への道


布引岳山頂


冷池山荘


北峰山頂で、まいってばかりいてもしょうがないので、分岐まで戻ってザックを背負い、南峰を目指して登って行く。
すごく長い道のように思えたのに、意外と早く鹿島槍南峰山頂に着くことができた。1時間を覚悟していたが、35分で山頂に着くことができたのだ。
山頂は雲に覆われてしまって、展望はきかなくなっていた。
ここで大休止していたら、8人ほどのパーティが賑やかにやってきて、その中の1人の女性がこの鹿島槍で100名山達成だといっている。
みんなで記念写真を撮ったり、お祝いをしていた。
百名山は、ハヤリである。
山頂は雲に覆われていて何も見えなかったのだが、爺ヶ岳方面の雲が晴れた。眺めるとこっちの道はなだらかな道だった。ほんとうに助かったと思った。
ジグザグに下って行く。稜線に降りるとあとは本当にラクな道である。
縦走路を行く。今までの岩場の続くすさまじく急な道から一気に開放されてしまって、それこそ、鼻歌交じりで歩いていける。
これで、晴れていたらすばらしい縦走が楽しめるのだが。
行く手にピークが見える。地図で確認すると、布引山のようだ。
布引山山頂は雲の中で、記念写真を撮って、すぐに下る。
ところが、この下りがものすごく急で、どんどん下って行く。これは縦走路から外れてしまったのではないかと心配になるほど下って行く。
地図で確認すると、等高線がかなり密になっているからこれくらいは下るのだろうと思ったりもするのだが、今回磁石を忘れてきていて、方向を確認することができない。
視界がきいたら位置確認ができるのだろうが、雲の中でそれもできない。
磁石を忘れるなんて大失敗である。
ともかくどんどん下っていくと「布引平」というところに出た。窪地があって、夏だったら雪渓が残っていそうなところである。このあたりから平らな尾根道になった。道は間違えていないようである。
潅木の中の道を行く。アップダウンのある稜線が続く。
突然、テント場があった。
5張りほどのテントが張られていて、訊いてみると、ここが冷池キャンプ場なのだそうだ。でも、見回しても小屋が見えない。なんでもここから10分弱歩いたところに小屋があるのだそうだ。
ともかく早く着くことができたので、いい場所にテントを張ることができた。
テントを張ってから冷池山荘に行った。キャンプの手続きをして、水を2リットル買って、そして缶ビールも買った。
テントにもどってきて、一人で乾杯した。ともかく、今回のルートの核心部、八峰キレットを無事に越えることができたのだ。
食事をして、大相撲の放送を聞きながら眠ってしまった。
8時過ぎに眼が覚めて、そのあと眠れなくて困った。しかたがないので、残っていたウィスキーをストレートで飲んだ。
深夜、風が強くなって、テントが揺れた。
そんな中で浅い眠りだった。


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