ごりゅうだけ 2814m
かしまやりがたけ 2890m

南アルプスに行くつもりが、後立山に行くことになった。簡単な山と思っていたら、すさまじい岩稜の続く山だった。
 

2002年後立山縦走


1982年8月

東京にいたときに、南アルプスにどっぷりと浸かっていた時期があった。
前の年に鳳凰三山を登ったので、今年の夏休みは聖、赤石岳といった、南アルプス深奥部の山を登ろうと考えていたのだが、台風で登山道がズタズタになってしまった。

一応、準備をして東京駅に行ってみたのだが、駅のホームに並んでいる登山客に聞いてみたら、倒木でとても歩けるような状態ではないらしい。
困ってしまった。代わりにどこへ行こうかと考えた。
そこで思い出したのが、松本にいたときに何度か計画して結局できなかった後立山の全山縦走のことである。
これに挑戦してみることにした。
白馬三山なら縦走したことがある。しかし、その先の五竜とか鹿島槍は登っていない。この夏の登山は、後立山に決めた。

東京駅から新宿に行って、夜行の急行に乗った。
早朝に白馬駅に着く。
白馬駅からバスで猿倉まで行って、猿倉から歩き始める。
まず、大雪渓から白馬岳に登る。
ともかく、この道は何度も通っている。
白馬の思い出は尽きない。
栂池から白馬大池を通って白馬山頂に至り大雪渓を下ったこともあるし、猿倉から大雪渓を登って白馬三山を縦走して猿倉に下ったこともある。
初めて白馬岳に登ったのは松本に転勤してきた年の夏で、大雪渓の大きさにびっくりした。
大雪渓から薄い霧が湧き上がる、はるか稜線の岩稜とその向こうの真っ青な空、白い雲、これが北アルプスの夏山だと思った。本当に胸が躍ったものである。

白馬山頂に着いたのは2時過ぎであったが、翌日に備えてこの日は白馬山荘で泊まった。


2日目は快晴であった。
まず白馬三山を縦走する。白馬三山というのは白馬岳、杓子岳、白馬鑓ガ岳のことだ。
この白馬三山は八方尾根からみた景色が最高である。第三ケルンのあたりに八方池があって、この池に白馬三山と不帰の嶮が写るのだ。

白馬岳から杓子岳へ。これは西側の斜面を水平に横切って行く。
登山道は杓子岳山頂は通らないのだ。
杓子岳の次が白馬三山最後の白馬鑓ケ岳である。ここからはけっこうきつい登りがまっている。これを息を切らせながら登る。岩礫の道である。
山頂で休憩しながら景色を楽しむ。立山方面の景色がすばらしい。
山頂からはザクザクの道を下る。
下りついたところが鑓温泉を経由して猿倉に至る道。
この道も何度か通ったことがある。
鑓温泉は日本で一番高いところにある温泉ではないかと思うのだが。
ここには露天風呂があって
松本にいたときに、職場の仲間と白馬に登って帰りにこの温泉に入ったことがある。
この温泉の湯船は登山道のすぐ脇にあって、湯に浸かっていると登山者が私たちを見ながら通っていく。
写真を撮られてしまったりした。
この鑓温泉への分岐以後は歩いたことのない道である。
しばらく稜線の緩やかな道を行くが、その行く手にまっているのが「不帰キレット」である。
私はこの後立山の縦走は稜線を歩くだけで、展望も良くて比較的楽な山行だと思っていた。
この不帰の嶮で、自分の認識が甘かったことを思い知らされた。
天狗岳を過ぎると、尾根道がしだいに険しくなってくる。いよいよ「天狗の大下り」である。すさまじい岩場の連続で、標高差300m以上を一気に下るのだ。足が震えた。
ようやくの思いで最低鞍部「不帰キレット」に着いた。このときは本当にほっとした。
これからは登りになるので、少しは楽になるだろう。
…と思ったのは大間違いだった。
ここから始まるのが不帰の嶮の本当の核心部だったのだ。
ペンキのルート表示に従って必死で登った。
まず一峰を越える。これは比較的楽だった。
しかし、次の一峰から二峰の間が不帰の嶮の最大の難所だった。
天狗の大下りでねをあげていたが、あれはまだまだ序の口だったということを思い知らされた。とんでもない所に来てしまったと思った。
もう本当に無我夢中で、ただひたすら目の前の岩を攀じ登っているうちに、いつのまにか三峰は通過してしまった。やっと楽な稜線に出たなと思ったら、そこは唐松岳山頂であった。

唐松岳は日帰りで何度か登った山だ。
一般的には八方尾根を登ってくる。楽をしようと思えば、ケーブル、リフトが使える。
縦走して唐松に登ったのは初めてだった。
不帰の嶮のおかげで本当に疲れた。まだ、足がガクガクしていた。
この日は唐松岳頂上山荘に泊まった。



3日目の朝も快晴。

行く手には五竜岳がそびえている。
唐松岳からはまず緩やかに下っていく。牛首のあたりで、少し険しいところもあったが、前日の「不帰の嶮」に比べたら楽なものだと思った。
9時半頃に五竜山荘に着いた。
ここからまた岩場が始まる。

行く手に待っているのは「八峰キレット」である。
南アルプスから、安直に予定変更して「後立山全山縦走」を決めるからこんなことになる。
このときは本当に反省した。
山荘から五竜岳山頂を目指す。山頂に至る途中には「G0」「G2」と名づけられた岩峰が聳えていた。ピークは巻いてしまうのだが、足元の悪い岩礫の道を行く。
やっとの思いで五竜岳山頂にたどり着く。
しかしこの山頂からの下りはさらに険しい道であった。
まず山頂からの下りはじめがすさまじく急だった。鞍部に降り立ってから次に待っているのがG4、G5、G7の岩峰である。膝が震える岩稜の道をたどって、キレット小屋に至り、さらにキレットの底に針金なんかにつかまりながら下って、ようやく鹿島槍ケ岳への登りになる。

ともかくきつかった。
このあたりのことは、恐かったという思い出しかない。
ようやく岩峰の道は終わって、稜線を外れて越中側の急な道を登って行くが、途中で霧に巻かれた。
息を切らしながら登っていくと、霧が少しだけ晴れて、思わぬところに吊り尾根が見えた。そしてそこを歩いている登山者の黒いシルエットが見えた。
鹿島槍ケ岳は双耳峰の山で、登山道はこの北峰と南峰を結ぶ吊尾根の中ほどに出るのだ。
鹿島槍の山頂では少しだけ展望が開けた。
天気はよくて、この山頂のあたりだけが雲の中のようだ。
鹿島槍から冷池小屋に下って、ここで泊まった。



4日目。
小屋で考えた。
赤沢岳、針の木岳と縦走して、5日目に大町に下るつもりだったが止めることにした。
不帰の嶮と八峰キレットで疲れ果ててしまったのだ。
この日のうちに大町に降りてしまうことにした。
冷池山荘からまず爺が岳に登る。
この爺ガ岳は松本にいたとき、日帰りで登ったことがある。このとき本当は鹿島槍ケ岳まで行きたかったのだが、果たせなかった。今回やっと登ることができた。
爺ガ岳から種池平に向かい、そこから柏原新道を下って扇沢に着いた。
後立山連峰は、南アルプスに決して引けをとらないすばらしい山だった。


白馬尻



白馬雪渓



白馬稜線



白馬山頂


白馬山荘と山頂


白馬三山縦走路


白馬鑓ヶ岳山頂


唐松岳山頂


これから向かう五竜岳


五竜岳山頂


五竜岳山頂から鹿島槍ヶ岳


鹿島槍山頂


爺ヶ岳山頂








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