くろべごろうだけ

標高 2840m


1998年の夏は北アルプスを登った。靴擦れで足を引きずり、黒部五郎岳は大雨の中を登ることになった。

上高地→焼岳→笠が岳→富山市→折立→薬師岳→黒部五郎岳→鷲羽岳→黒岳→野口五郎岳→烏帽子岳→葛温泉→大町
 

焼岳 笠が岳 薬師岳 鷲羽岳 黒岳 烏帽子岳

2008年の登山記録

BACK 薬師岳

1998年8月12日(水)


朝、雨。

小降りになった頃を見計らってテントを畳んだ。

太郎平まで約1時間。さらに北股岳を目指す。

ところが、太郎平から30分も歩くとすさまじい嵐の様相になって、雨具が全く役に立たない。雨水がどんどん染み込んでくる。この雨具では登山ができない!

よく考えてみると、これを買ったのは東京に住んでいたときのことだから15年も前のことになる。防水性がなくなってしまってあたりまえかも知れない。新しいのを買うべきだった、と悔やんだがもう遅い。

ともかく、身の危険を感じた。すぐ前を歩いている人がいたのだが、一緒に引き返すことにした。

太郎平小屋で今日は一日停滞。

外はすごい嵐。行かなくて良かった。小屋にはどんどん人がやってくる。乾燥室はいっぱい。

小屋の休憩室に行ったら本がたくさん置かれている。その中に新田次郎の「孤高の人」を見つけた。これを読んで時間をつぶした。

「孤高の人」の上巻の最後は、実はこれから歩く道が舞台になっている。加藤文太郎さんは厳冬期に、薬師から黒部五郎、鷲羽岳、黒岳、烏帽子岳、大町への道を単独行で踏破している。

若い頃、文太郎さんにけっこうはまっていて、いつかこの道を歩きたいと思っていたのだ。

そして今回、私を待っていたのはすさまじい嵐であった。大歓迎されたということか。

小屋の宿泊料金は夕食付きで7800円なのだ。ちょっとお金の残りがさみしくなってきた。もし、明日も小屋に泊ることになれば、財政ピンチ。

天気予報を聞いてもこれから天気が良くなる見込はほとんどない。

ともかく、8月の半ばになろうというのに、なぜか梅雨前線が日本列島に停滞しているのだ。こんなことがあっていいのか。

小屋に入ってくる情報もとんでもないものばかりで、有峰〜折立のバスが不通になったとか、薬師沢が増水して橋が流されてもう通れないとか。こんな情報を聞いているうちに明日は下山せざるをえない、という気持ちになってきたが、さて、どうして有峰口の駅まで行ったらいいのだろう。

 

8月13日(木)

朝の天気予報を調べると、今日は雨だが明日はなんとか晴れるようである。

よし、今日1日雨を我慢して歩いたら、なんとか大町まで行けるではないか。出発を決意した。

雨と嵐は覚悟のうえだ。

それでも歩き始めた最初は、そんなに雨はひどくなくて、ビデオを乾かしながら歩くことができた。

北ノ俣岳でビデオ撮影ができた。このころから雨がだいぶひどくなって、黒部五郎岳に登るころは凄まじい降りになった。

それでもなんとか頂上でビデオを撮って、一旦肩まで引き返して、カールの道を下る。

ここで、頂上で一緒になった二人と同行する形になり、3人でカールに向かって出発。

カールに下る道は、もう登山道ではなくて、完全に沢に変わっていた。雨水が激しい流れとなって登山道を寸断しているのである。カールの底を流れている沢を渡るのが心配だったが、なんとか渡ることができた。

黒部五郎小屋には3時頃着いた。

ここで宿泊する人がほとんどなのだが、自分は三俣山荘まで行くことにする。最初は後ろから女の人が登ってきていたが、すぐに一人になってしまって、心細いことこのうえない。

雨はどんどん降るし、日は暮れてくるし。

三俣蓮華岳に登り着いたのは5時くらい。嵐である。ビデオは結露して動かなくなった。

三俣山荘へは頂上を通らない巻道があるのだが、せっかく遠くから登山にきているのだから、三俣蓮華岳山頂を踏まないわけにはいかない。

三俣山荘には5時30分頃到着。

雨水の流れを考慮して、テントを張る場所を決めた。

荷物を解いてビックリ。ザックのなかのシュラフがびしょびしょ。他の衣料もだめ。

ザックカバーが全く役に立っていない。

夜、シュラフが濡れているので寒い。今、夏だったよなあ。

今回の山行では雨対策がほとんどできていなかったことに反省させられた。

夜、テントは雨が漏りはじめた。




NEXT 鷲羽岳


薬師峠キャンプ場


太郎平の案内標識


太郎平小屋、ここで1日停滞


北ノ俣岳山頂


赤木岳山頂


黒部五郎岳山頂


カールから黒部五郎稜線を見上げる


カールへの下り


カール底の指導標





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