車検が終わって車が帰ってきたので、さっそく山に出かけることにした。
今回は朝日岳に登ろうと思っている。
ただ、この山は仙台に住んでいたときに一度登ったことがある。
この時は夏休みを利用しての登山で、飯豊山に登ってそれからこの朝日岳に登った。大鳥から入山して、大鳥池・以東岳・朝日岳と縦走して朝日鉱泉に下山した。昔は、本当に元気だった。
今回の登山にはちょっとしたこだわりがある。
朝日岳には「朝日」と名のつくピークが、小朝日岳、大朝日岳、西朝日岳と3つある。この3つはすべて登りたい。そして、せっかくここまで来たのだから二百名山の以東岳にも登っておきたい。でも、車で出かけるので、出発した登山口に帰って来なければいけない。この条件を満たすコースの選定は、けっこう難しい。
いろいろ考えてこのように決めた。大井沢の終点、日暮沢小屋から小朝日岳に登り、ここから大朝日岳、西朝日岳と縦走して竜門小屋まで行き、ここに1泊する。2日目は小屋から以東岳を往復して清太岩山を経由して日暮沢小屋に戻る。以東岳の往復を入れたために、けっこうハードな山行になってしまった。
2001年9月7日
ザックに荷物をつめて、小山を出発したのは夜の9時過ぎであった。東北自動車道をひたすら走って、村田ジャンクションから山形道に入る。山形道終点の月山ICで降りて、ここから大井沢の道を南下する。日暮沢小屋の前に着いたのは真夜中の2時であった。ここで簡単に食事をして、それから車の中で寝た。
9月8日
5時に眼が覚めた。明るくなったら眼が覚める。ほとんど、獣と同じ感覚。朝食をとって、出発したのは6時であった。日暮沢小屋からは林道を歩いていく。いいかげんいやになったころに林道終点に着く。この林道歩きは2.5kmもあるのだ。
登山道に入ったのだが、すぐに登りにはならなくて、しばらく沢沿いの水平な道を行く。
ようやく登りになったと思ったらすさまじい急登だった。この急登はすごくて、延々、3時間近くも登り続けるのだ。
これを息をきらして登って、ハナヌキ峰に至る。ハナヌキ峰までは標準タイムで2時間のはずなのだが2時間半もかかってしまった。地図ではハナヌキ峰山頂で古寺鉱泉からの道と合するように書かれているのだが、実際は山頂から下った鞍部で合流していた。持っている地図は昭和60年7月発行のものである。ちょっと心配になってきた。(後でわかったのだが、私がハナヌキ峰と思ったのは、ただの分岐なのだ)
ハナヌキ峰分岐から少し行くと「三沢清水」があった。でも、水はまったく流れていなかった。
三沢清水から登って行くと、樹林から抜け出して展望が広がった。でも、山々には雲がかかっていて、絶景というわけにはいかないのだ。登山道の真ん中に、測量の用の紅白ポールが立っている…と思ったら、ここが古寺山山頂であった。
雲が流れる尾根を登って行く。登るにつれて、次第に雲がとれてきて、山々が見えるようになってきた。うれしい。
山頂直下に分岐の指導標があった。右の道を行くと小朝日岳を捲くことができるのだ。もちろん、真っ直ぐに山頂を目指す。
小朝日岳山頂に着いたのは10時40分。日暮沢小屋から4時間40分もかかってしまった。
|